電子写真
ゼログラフィ
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ゼログラフィ(Xerography)または電子写真(electrophotography)とは、1938年にチェスター・カールソンが発明した乾式複写技法であり、1942年10月6日に アメリカ合衆国特許第 2,297,691号 として特許を取得した。カールソン自身は元々これを electrophotography と呼んでいた。xerography という用語は、ギリシア語の語根 xeros(乾燥)と graphos(書く)を組み合わせたもので、液状の化学物質を使った青写真などとは異なる複写技法であることを強調している。
- ^ Schiffer, Michael B.; Hollenback, Kacy L.; Bell, Carrie L. (2003). Draw the Lightning Down: Benjamin Franklin and Electrical Technology in the Age of Enlightenment. Berkeley: University of California Press. pp. 242–44. ISBN 0-520-23802-8
- 1 ゼログラフィとは
- 2 ゼログラフィの概要
- 3 ゼログラフィの仕組み
- 4 アニメーション製作への応用
電子写真
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/22 13:45 UTC 版)
「チェスター・カールソン」の記事における「電子写真」の解説
カールソンは15年をかけて電子写真の基本原理を確立した。そしてその間、開発の進捗に合わせて特許を申請していった。最初の予備的な特許は1937年10月18日に申請。ほぼ同じころ、父と同じように背骨の関節炎を患った。しかし彼は実験とロースクールでの勉強と通常の仕事を推し進めた。 そこで、オーストリアでのナチズムの台頭から逃げてきた移民の物理学者 Otto Kornei を助手として雇った。二人はニューヨーク市クイーンズ区アストリアの自宅の奥の部屋を実験室にした。 1938年10月22日、彼らは記念すべき大進歩を成し遂げた。Korneiはスライドガラスに墨で 10.-22.-38 ASTORIA. と書いた。そして硫黄を塗布した亜鉛板を用意し、部屋を暗くして硫黄の表面をハンカチでこすって静電気をため、スライドガラスを亜鉛板に載せ、それを明るい白熱灯で照らした。そしてスライドガラスを取り除き、ヒカゲノカズラの胞子を硫黄塗布面にふりかけ、くっついていないものを息で吹き飛ばし、残ったイメージをパラフィン紙に写し取った。パラフィン紙を熱すると蝋が溶け落ち、初めてほぼ完全な複写が完成した。実験を数回繰り返し、彼らは祝いのランチに出かけた。 1942年10月6日、カールソンの電子写真法の特許が発効した。 カールソンの成功への道のりは長く、失敗の連続だった。1939年から1944年まで、彼は12社に出資を要請して断られた。その中にはIBMも含まれ、後年、トーマス・J・ワトソン・ジュニアは「逃してしまった一番大きな魚」と述懐している。商業化の資金援助を得る最後の頼みの綱として、海軍との会合に臨んだ。しかし海軍は乾式複写には興味を示したが、カールソンの考えを理解できなかった。最後の足掻きでカールソンは1942年、コロンバスの Battelle Memorial Institute に彼のアイデアを持ち込んだ。そこで、John S. Crout と Clyde E. Williams に出会う。ガラス棒と獣皮と炭素粉末を使い、カールソンはガラス棒に蓄えた電荷が炭素粉末を引きつける様子を実演した。Croutはカールソンの説明に納得し、Crout は Williams らに開発への投資案を策定させた。1946年から1953年にかけて、Crout は Haloid Company とのライセンス契約締結に尽力した(同社が1961年にゼロックスに改称する)。結局、カールソンのアイデアは1942年から1946年に Battelle で実用化可能であることが示され、1946年から1953年に後のゼロックス (Haloid) で商業化された。ゼログラフィが全ての謄写版印刷機をお蔵入りさせるまで、それから20年ほどかかった。カールソンは粘り強く働いた。彼の考案した複写法で彼は裕福になり、Battelle Memorial Institute も裕福になった。それはまた著作権のあり方や人々の仕事のスタイルも一変させた。ゼログラフィの基盤となっている物理学はその後も発展し、レーザープリンターなどが生み出された。
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