急性放射線障害
英語:Acute Radiation Syndrome、ARS
短時間に大量の放射線を浴びる(被ばくする)ことによってあらわれる障害。被ばくの直後から数週間以内に発症するものを指す。
急性放射線障害は「急性放射線症」および「急性放射線皮膚障害」を含む。「急性放射線症」は放射線によって体内の細胞が破壊され、下痢や嘔吐、白血球の減少をはじめとする症状が現れる症候群である(腸や脊髄がダメージを受けやすい)。また、「放射線皮膚障害」は、被ばくの影響で皮膚が熱傷(ヤケド)のような症状を呈するものを指す。
また、上記の症状の他に、被ばくによる即死も、急性放射線障害に含まれる。
なお、急性放射線障害に対して、被ばく後数年を経てから影響が出はじめる放射線障害を「慢性放射線障害」という。
関連サイト:
電離放射線に係る疾病の業務上外の認定基準について - 労働省労働基準局(昭和51年)
きゅうせい‐ほうしゃせんしょうがい〔キフセイハウシヤセンシヤウガイ〕【急性放射線障害】
急性放射線障害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 11:04 UTC 版)
「チェルノブイリ原発事故の影響」の記事における「急性放射線障害」の解説
「Deaths due to the Chernobyl disaster」も参照 原発の事故処理にあたった発電所職員および緊急作業員は最も高線量の放射線による暴露をした集団であり、134名の急性放射線症候群 (ARS) の発症者が生じたとされ、その内、28名が数ヶ月以内の急性期に亡くなったとされる。急性期の死亡を逃れた急性放射線症候群の発症者のうち19名について、2006年までの長期的な予後の死因結果が報告されている。 後期予後における急性放射線障害の発症者19名の死因死因ARS grade死亡年(年)死亡年齢(才)非腫瘍性疾患 肺結核 Ⅰ 1995 51 外傷性脂肪塞栓症 Ⅰ 1995 53 肺壊疽 Ⅱ 1987 81 肝硬変 Ⅱ 1995 46 肝硬変 Ⅱ 1998 45 脳卒中 Ⅱ 1999 61 肺結核 Ⅲ 2004 41 心臓突然死 心臓突然死 Ⅰ 1993 41 心臓突然死 Ⅰ 1995 26 心臓突然死 Ⅱ 1990 68 心臓突然死 Ⅱ 1998 80 心臓突然死 Ⅲ 1992 67 心臓突然死 Ⅲ 2001 87 腫瘍性疾患および腫瘍性血液疾患 骨髄異形成症候群 Ⅰ 2002 51 急性骨髄単球性白血病 Ⅱ 1998 61 下顎神経鞘腫 Ⅱ 2004 53 骨髄異形成症候群 Ⅲ 1993 52 骨髄異形成症候群 Ⅲ 1995 64 外傷 外傷 Ⅰ 2002 51
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