刻印教会特務騎士団「ベイオウルフ」
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「シャイニング・レゾナンス」の記事における「刻印教会特務騎士団「ベイオウルフ」」の解説
本作における黒幕的存在。刻印教会は帝国の国教であり、ベイオウルフは教会が保有する戦力となる。現在はアルフヘイム侵攻の中枢を担っている。表向きは帝国に従っているが、実態は「神」を崇拝する狂信者。「神」の復活のため世界竜のソウルを集めている。またベイオウルフの騎士は「洗礼」によって神の血を飲むことで神の器となり、強大な戦闘力とスティグマという異能を得ている。 ゲオルグ・ザルバード 声 - 小山力也 「竜を狙う黒き狼」。クラス:アークパラディン(大司教騎士)。武器:覇剣 アスカロン→竜命剣 ギャラルホーン。身長:180cm ロンバルディア帝国・刻印教会特務騎士団「ベイオウルフ」の団長。教会の「犬」として内外で恐れられる最精鋭部隊を率いる。ひと癖もふた癖もある団員を束ねるその実力は帝国軍の中でも一目置かれており、皇女に従い前線指揮をとる。遺された神の叡智についての知識が深く、教会の暗部の象徴ともいえる男。目的のために手段を選ばない残酷な性格。実は「神の使徒たち(「神」の復活を目論む者たち)」を名乗る血筋の人間であり、その現当主でもある。ゲオルグは「神」との適合性の高い者を生み出すべく研究と交配を繰り返した結果生まれた「作品」である。「超回復」のスティグマを得ており、斬りつけられようが爆発で吹っ飛ぼうが瞬時に完全回復してしまう。後に竜命剣ギャラルホーンを得たことでゼストも超える力を手にした。 「神」に対する執着は非常に強く、「神」を継ぐのは自分こそ相応しいと考えており、「自分こそが神」とさえ思っている節があった。この辺りは煌竜と同一視されても否定したユーマとは対照的。 本来なら「神」との適合率はゼストの方が高く、ゲオルグは二番手となるはずだったが「ゲオルグが神になったらゼストと戦う」という取引によって神の座の地位を譲り受けている。 当初はエクセラに主従を示していたが内心では「小娘」と見下しており、煌竜捕獲のために利用するが失敗。終盤では利用価値がなくなったどころか邪魔者となったため、皇帝暗殺の濡れ衣を着せ帝国から排斥してしまう。以後は本性を現し「神」の復活のためユーマたちと本格的に対峙する。しかし、より強大な力を求めていたゼストからギャラルホーンの譲渡を迫られ、神の座を奪われてしまう。更にはヨアヒムまでがゼストを支援し始める。ゼストが神の座につくのを納得できずヨアヒムと口論となり、自分こそが神に相応しいとばかりの言動を取ったことで問題発言とみなされ告発すると言われてしまう。そうなれば適合率の順位からして破門されることをヨアヒムに告げられ激昂。用済みとなり、そして障害となったヨアヒムを殺してしまう。 その後、ゼストはユーマたちに敗れ、その間隙を突いたゲオルグは疲弊していたユーマたちを打ち倒し、ギャラルホーンを取り戻すと煌竜の力を奪い取り、「神」を復活させるべく立ち去っていった。だがロストガーデンにて時間稼ぎのために現れたジーナスと交戦。「超回復」の能力で持久戦に持ち込みこれを退け、追ってきたユーマたちと最後の戦いを繰り広げる。強大な力を手にしてもユーマたちには及ばず劣勢を強いられ、なぜ勝てないのかもわからないまま「神」との合一により巨大な黒竜となり、最後の戦いを繰り広げる。 後日談を描いたDLC「歪んだ世界の章」では、歪みの意思によって再現された木偶としてユーマたちの前に立ちはだかる。魔装神竜ザルバード 本作の最終ボス。「神」との合一を果たしたゲオルグ・ザルバードの新たな姿。見上げるほどの巨体を持ち、尻尾はそれ以上に長い。頭部からは竜命剣ギャラルホーンのような巨大な角が生えている。「超回復」のスティグマも健在。 「神」の正体とはハイエルフたちが創り上げた「竜エネルギー精製システム」であり、竜エネルギーを効率的に利用するための魔法具だった。その力を以って巨大な黒紫の竜となり、絶対的な力を振るうがユーマたちとの戦いでダメージを受け、そこへ完全復活した煌竜の一撃により跡形もなく消滅した。 ゼスト・グレアム 声 - 保志総一朗 「帝国最狂の破戒騎士」。クラス:魔銃剣士。武器:双魔銃剣 アンフィスバエナ→双魔銃剣 アンフィスバエナ(右手)&竜命剣 ギャラルホーン(左手)。主要技:我流暗黒闘技。身長:176cm 帝国軍ですら力をもてあます、帝国最強の狂戦士。自分より強い相手と戦うことを至上の喜びとする戦闘狂で、弱い敵が相手の戦いには興味を示さない。帝国の意思とは異なる価値観で動いているため、その気まぐれな行動には帝国も手を焼いている。また、刻印教会特務騎士団「ベイオウルフ」に所属しているが、団長のゲオルグですら扱いきれない。皇女エクセラに対しても、初対面から馴れ馴れしく話す。普段は強すぎる力を制御した状態だが、自身の心臓に刻印を撃ち込むことで力を解放する。戦闘では更に刻印を打ち込むことで切り札である「絶大なる力(ダメージ発生フィールドの展開)」を解放する。 ビジュアル設定資料集によれば、ユーマにとって「負のライバル」という立ち位置。ただし、ユーマよりもジーナス寄りのライバルとしてデザインされたという。 実は刻印教会によって滅ぼされたとある国の王子であり、家族も故郷もすべて失った過去を持つ。自分の力で守れたのは自分自身だけだった。そのことから「強くなければどうにもならない」と考えるようになり、以後は力を得るために教会に入信し、洗礼を受け「神の血」を飲み、その奇跡的な適合率の高さから渇望していた「最強」の力をあっさりと手に入れた。力を手に入れる前はゲオルグのことも「恐ろしく強い」と見ていたが、今ではそのゲオルグすらも凌駕してしまい、戦う相手に飢えていた。自分の中にある虚しさを埋めてくれるのは強敵との戦いだけだと考えている。ユーマたちとの最初の戦いでは圧倒的な力で彼らをねじ伏せたため、煌竜に然したる興味は持たず、自分と互角と思しきジーナスに執心だった。だが彼は、ゼストのことを敵とすら考えておらず戦意を見せようとしなかった。本気で戦う条件として煌竜の討伐を言い渡される。以後はゲオルグに協力を示す一方で、ジーナスとの約束を果たそうと行動する。ユーマに力を引き出させる手段としてソニアを「オレの女にする」と告げ拉致。しかし成長したユーマたちに敗北したことから今度はユーマに固執するようになる。「強い者は弱い者を好きにする特権がある」と考えており、自分がユーマたちに負けた時も平然と首を差し出そうとしていた。しかし、ユーマから自身の持論を否定され、ソニアから「ユーマが持つ本当の強さに気づかない限り、絶対にユーマには勝てない」と告げられてしまう。これにより「誰よりも強くなった」と自負していたゼストは自信を喪失したばかりか、ソニアに見逃される形になってしまった。 「本当の強さの意味」がわからず、またユーマたちを超える力がないことから「戦いを挑んでもまた負けるだけだ」と考えるようになり、やや無気力状態になっていた。しかし、ゲオルグから「私がお前なら強さを得るためには手段を選ばない」と告げられたことで考えを改め、更なる力を求めてゲオルグが持つ竜命剣ギャラルホーンを強奪同然に譲渡させた(この際、帝国軍の指揮官という地位を得た模様)。信徒になる際にゲオルグとは取引を行っており、「神の座をゲオルグに譲る代わりに、神になったら自分と戦う(適合率はゼストの方が高かったため、神の座は本来ならゼストになるはずだった)」というもの。しかし、今はユーマたちを倒すことが目的のため取引を反故にした。しかも、純粋に神の復活を考えていたヨアヒムがゼストの支援を始めたことでゲオルグとヨアヒムの仲は最悪なものとなり、二人が仲間割れする原因を作ってしまった。 その後、帝国軍を撤退させる条件をエサにユーマたちに決闘を申し込む。陸竜、空竜、海竜、冥竜のソウルを取り込んだギャラルホーンの力を使い、巨大な人型の竜「魔装竜王グレアム」となりユーマたちと最後の戦いを繰り広げ、敗北。死の際には、本当はユーマが持つ「強さ」の正体が、自らの故郷を失った際に捨てた「仲間のために振るう力」だったことに気づいていたことを告げる。今度は本当に「強く」なったらジーナスとも戦いたいと言い残し、最期まで「強い者と戦いたい」という信念を貫いたまま消え去った。その最期を見たソニアからは、「その想いこそが本当の強さにつながるはずだった」と語られた。 本編クリア後の: 後日談を描いたDLC「歪んだ世界の章」では、歪みの意思によって再現された木偶としてユーマたちの前に立ちはだかる。 『リフレイン』付属のドラマCDでは、夜宴の際にエクセラと出会っていたことが判明する。元王族だったことからかゼストなりにエクセラの立場や胸中を気遣っており、その末に互いに遠回しなやり方で相手を思いやる人間だったことが明かされた。また別の話では、ユーマの中にいる煌竜と戦うためにマルガへ来訪する。それを阻止せんと現れたジーナスと斬り結んでいたところ、ユーマの天然が炸裂。ゼストとジーナスがコンビを組み、レスティとキリカの兄妹と「(ユーマを満足させるための)料理対決」に参加することになってしまった。キャラ崩壊する周囲にツッコミを入れつつ、シチューしか作れない(正しい作り方は知らない)ゼストは作業を進める。しかし、できたシチューがあまりにも不味かったためジーナスとケンカになり、互いに子供のような言い争いをしながら調理器具で殴り合いを展開した。だがキリカが転んだ拍子にジーナスの調味料がシチューに混ざったことで物凄く美味しくなり、よくわからないままゼストは「オレの才能」「オレは料理を作る天才」と称してしまい、男性陣から「違う」とツッコミされた。料理勝負は引き分けとなり、満腹になったゼストは「楽しかった」と言い残し、ユーマに手を出すことなく退散していった。その後、実は料理当番を面倒くさがったユーマに強引に巻き込まれただけだったと判明するが、この事実はユーマ以外知らずに終わった。 『BLADE ARCUS Rebellion from Shining』にも登場。本作の敵キャラクターの中では(後に味方になったエクセラを除き)唯一の出演となる。ストーリーはエンディング後を描いたものとなっており、「魔女」の声によりシジルを手にして復活を果たす。そしてソニアの言葉が自分にとっての真実足り得るのか確かめるべく、スリーピーホロウから異世界エンディアスへと旅立った。また『レゾナンス』ではスティグマの詳細は不明だったが「超人化(刻印を打ち込む)」という能力が判明する。魔装竜王グレアム 竜命剣ギャラルホーンと陸竜、空竜、海竜、冥竜のソウルを取り込んだことで変異したゼストの竜人形態であり「最強」の姿。だがそれだけの力を以ってしてもユーマたちの「強さ」を越えることはできず敗れ去った。特定のシジルを購入して使用することで再戦が可能となっている。 ヨアヒム・ルーベンス 声 - 中井和哉 「断罪の錬金術師」。クラス:暗黒神官。武器:断末魔刃 サイコ・ロプス。主要魔法:暗黒魔法。身長:181cm 刻印教会特務騎士団「ベイオウルフ」に所属する科学者で、古代魔導研究の第一人者。生体科学や医術に天才的な能力を持つが、研究実験以外のことにはまったく興味がない変人。マリオンをはじめとする、「竜体力学」を活用した数多くの生体兵器を生み出してきた。研究のためならどんな犠牲もいとわないマッドサイエンティスト。彼の研究成果の中でも、マリオンは自慢の作品の一つとして、強い執着を持つ。また、ユーマを研究施設に捕らえ、さまざまな実験をしていた張本人。研究対象として、ユーマの体に異常な興味を示す。「実験を嫌がっているほうがそそる」というサディストで、実験体の悲鳴や絶叫を聞くことに快感を見出し、最終的に「壊す」ことを愉しんでいる。温厚なユーマからも「あいつは最低だった」「こんな奴に構っても頭にくるだけ」と言われたほど。ヨアヒムもまたスティグマの持ち主であり「洗脳」と「解析」の能力を持つ。これを応用してマリオンを「エト」として操っていた。後に冥竜のドラゴンソウルを用いて「竜命剣ギャラルホーン」を生成しゲオルグに渡す。 自らを「天才魔導科学者」と述べ、実際に教会側でも遅々として進まなかった「神の業」をこの10年の間に一気に進めたほどの頭脳の持ち主。彼が言うには「神の業を究めた者たち」の末裔とのこと。しかしゲオルグのいないところでは呼び捨てにするなど、ゲオルグに対する忠誠心はない様子。逆に「神」に対する執着は強く、「早く見てみたい」と興奮した様子で告げている。 中盤に一度だけ戦うが決着はつかず以後も終盤まで登場を続け、メルギウス大聖堂に乗り込んできたユーマたちに改造を施したダーンスレイブをけしかけるも敗北。その後、神の座の順位が1位だったゼストがやる気を見せ始めたことで彼を支援するようになり、それを認めなかったゲオルグと仲違いを起こしてしまう。ゲオルグの言い分はまるで自分こそが神であるかのようなものだったため、ヨアヒムは告発すると警告。神の座を降りるか破門されるかをゲオルグに迫った結果、逆襲に遭い剣で胸を貫かれてしまう。自分を殺せば神を継ぐのは不可能になると語り命乞いするが、「もう必要ない」ことを告げられ命を奪われた。結果的にギャラルホーンを生成したことで自らの首を絞めることとなった。なお、ヨアヒムの死は教会内でどのような扱いになっているのかは不明。 ビジュアル設定資料集によれば、髪で隠れている方の瞳は普通の瞳だという。またフライトユニットの桑田は「ヨアヒムそっくり」の人と出会っており、その記憶がヨアヒムに反映されて面影が残っているかもしれないと述べている。 小説版では、本作に登場する敵勢力の中では唯一出演している。 ベアトリス・イルマ 声 - 桑島法子 「月影に忍ぶ妖精」。クラス:ニンジャマスター。武器:忍遁 震羽綸具。主要技:暗黒忍術。身長:165cm 帝国皇女の側に影のようにつき従い、妖艶な微笑みの裏に冷たい刃を隠し持つ、ダークエルフの女忍者。刻印教会特務騎士団「ベイオウルフ」に所属し、諜報及び暗殺活動を担当。軽薄な態度で相手を翻弄し、幾多の敵を葬ってきた手練れの忍である。キリカやリンナとは同郷の幼馴染ではあるが、ダークエルフ族として迫害されてきた過去を持ち、現在は因縁浅からぬ間柄。皇女配下のドラゴンたちとともに、ユーマたちの前に立ちはだかる。彼女が抱える心の闇は、常人には計り知れない。 当初はゲオルグから監視の命を受けエクセラの側についていたが、彼女にはその目的とベアトリスが抱える闇の一端を見抜かれており、彼女の本質を見抜いたうえで素直な言葉をぶつけられたことで信頼が芽生え始める。終盤ではエクセラの味方となってゲオルグの動向を探り始め、「不老不死」が目的でアルフヘイムへやってきたわけではないことを掴む(ここへ着てから不老不死の話など一度もしていないと以前から怪しんでいた様子)。エクセラが皇帝暗殺の罪で追われた時も最後まで見捨てることなく側に付き添い、帝国兵に追われていたところをキリカたちに助けられる。そこでベアトリスは過去に起きた真実を語る。竜刃器を盗もうとした賊を見つけたため阻止しようとしたが、倉庫に火を放たれ取り逃してしまう。そこへ現れたエルフたちから「ベアトリスが裏切った」と決めつけられ、弾劾を受けたことから自暴自棄になり逃げたというのが真相だった。キリカ、リンナと和解した直後、エクセラを狙ったゲオルグから庇ったことで致命傷を負ってしまう。最期は皇女の三本槍と共にゲオルグと戦い、互いの力がぶつかった爆発によって消え去った。彼女の死体はヨアヒムによって回収され「いずれはエトの後釜として人体実験を行うつもりだった」ことが語られた。 刻印教会のメンバーの中では唯一ゼストとだけ絡みがない。 彼女だけスティグマについて言及がないため神の血を飲んだかは不明。スティグマの能力かは不明だが、「瘴気」を周囲に霧散させることで自分以外の者たちの肉体を害し衰弱させる力を持つ。リンナによればこれは「妙な技」とのことで、エルラントにはないものであることが窺える。また戦闘では分身しての攻撃も行う。 『リフレイン』で追加されたサブイベントでは、ユーマに対しエクセラが「ベアトリスは今でもキリカやリンナたちのことを想っていた」ことを告げている。 ビジュアル設定資料集によれば、「忍遁 震羽綸具」はタンバリオンをモデルにしているという。設定的には刻印教会の竜刃器研究の産物とのこと。 刻印教会のパラディンたち 小説版に登場。仮面状の兜をつけているため素顔は不明で、振る舞いにも感情らしいものが感じられない。単身、雪山の地理を調べに来ていたアグナムと遭遇し、隊を組んで彼を追い詰めた。しかしソニアとキリカが率いる部隊が救援に現れ、アグナムを追い疲弊した状態で戦うのは得策ではないとして引き下がった。同著では、パラディンたちは人体改造によって超人的な戦闘能力を得ていると語られている。実際のゲームには彼らのような無名のパラディンは登場していない。
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