千日デパート火災 刑事訴訟

千日デパート火災

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 14:35 UTC 版)

刑事訴訟

大阪高等・地方・簡易裁判所合同庁舎 第一審、控訴審の各公判が開かれた

本件火災に関して、防火管理者らの刑事責任を追及し立件を視野に捜査をおこなっていた大阪府警捜査一課・南署「千日デパート出火事件」特別捜査本部は、1973年(昭和48年)5月30日に以下の管理権原者および防火管理者らを業務上過失致死傷容疑で大阪地方検察庁に書類送検した[309]。送検されたのは日本ドリーム観光・千日デパート管理部次長、同管理課長、同保安係長の計3名、7階チャイナサロン「プレイタウン」を経営する千土地観光・代表取締役業務部長およびプレイタウン支配人の計2名、ニチイ千日前店店長の合計6名である[309]

大阪地方検察庁刑事部は1973年8月10日、書類送検された6名のうち、日本ドリーム観光・千日デパート管理部次長、同管理課長の計2名、「プレイタウン」を経営する千土地観光・代表取締役業務部長およびプレイタウン支配人計2名の合計4名を業務上過失致死傷罪起訴した[310]。デパート管理部保安係長およびニチイ千日前店店長の計2名は、証拠不十分により不起訴処分となった[677]。右2名の不起訴理由は、保安係長についてはデパート保安室の火災報知機によって火災を覚知しておきながら7階プレイタウンに連絡せずに同階滞在者の避難を遅らせた容疑によって送検されたところ、保安室で火災を検知したころには7階でも煙の流入を覚知していたことは明らかで、通報しなかったことに落ち度はないと判断された[678]。またニチイ千日前店店長については、店内工事に際して監視責任を果たさなかった容疑で送検されたところ、工事立会人を置かなかったことは確かに落ち度であるが、火災発生と電気工事を関連させる証拠がないと判断され、いずれも不起訴処分が確定した[677]

刑事訴訟第一審は、大阪地方裁判所で1984年(昭和59年)5月16日に判決が出され、デパート管理部次長を除くその他の3被告全員に無罪が言い渡された[315]。なおデパート管理部次長については、第一審係属中に死亡したため、1977年(昭和52年)6月30日に公訴棄却となった[679]。検察は原審判決には事実誤認があるとして控訴した[680]

控訴審は、大阪高等裁判所で1987年(昭和62年)9月28日に判決が出され、原判決破棄で一転して被告人全員が有罪とされ[316]、千日デパート管理部管理課長に禁錮2年6月・執行猶予3年、千土地観光の2被告には禁錮1年6月・執行猶予2年の有罪判決が言い渡された[316]。3被告は判決を不服とし、最高裁判所の判断を仰ぐため上告した[681]

上告審は、1990年(平成2年)11月29日に最高裁判所第一小法廷で決定が言い渡され、裁判官全員一致の意見で原審判決を支持し上告は棄却となり、3被告の有罪が確定した[19]。本件訴訟は、火災事件発生から裁判終結まで、実に18年6か月の歳月を費やした[681]

なお本件火災発生の翌日に「O電機商会」の電気工事監督が現住建造物重失火および重過失致死傷の容疑で逮捕、送検されていたが、被疑者本人の供述以外に証拠は存在せず、供述の内容も二転三転して一貫性がなく、のちに否認に転じるなど、犯人と断定する証拠がないとして1973年8月10日、大阪地方検察庁刑事部は工事監督の不起訴処分を決定した[注釈 71][309]#出火原因

→冒頭インフォボックス「最高裁判所判例」も参照。








固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

千日デパート火災のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



千日デパート火災のページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの千日デパート火災 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2022 GRAS Group, Inc.RSS