でん‐きゅう〔‐キウ〕【電球】
電球
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/09/23 05:47 UTC 版)
電球(でんきゅう、英語:light bulb)とは、殻内のフィラメントや他の発光素子に電流を流して発光させる、電気による光源(ランプ)である。
概要
照明用光源を発光原理により分類すると、白熱(白熱電球)のほか、放電やエレクトロルミネスセンス(EL)に分けられる[2]
商品分類では「電球」の下に幅広く一般照明用電球(電球形蛍光灯やLED電球を含む)、蛍光ランプ、その他の放電ランプ(水銀灯、紫外線灯、殺菌灯、ネオン灯、アーク灯、ナトリウムランプ、キセノンランプ、HIDランプ等)を分類している[3]。
学術的には発光体の白熱を発光原理とする一般白熱電球やハロゲン電球は電球に含ませる一方、アーク灯、蛍光ランプ、HIDランプ、ナトリウムランプ、LEDは「電球以外の光源」に挙げることがある(石﨑有義「白熱電球の技術の系統化調査」の「8.電球以外の光源」参照)[2]。
典型的な白熱電球は洋なし形(PS形)のガラス球(バルブ)内に発光体のフィラメントを収めている[2]。ガラス球はフィラメントを保護し、内部を真空にすることでフィラメントの酸化(燃焼)を防いでいる[4]。特に一般照明用の電球の内部にはフィラメントの寿命を保たせるため、不活性ガス(一般的にはアルゴンと窒素が9対1の比率のもの)が封入される[2][4]。また、白熱を利用するフィラメントは、初期にはカーボンが利用されたが、1913年(大正2年)には東京電気(東芝の前身)が融点の高いタングステンを利用した電球の量産に成功。3倍の光力があったため普及した[2][5]。
20世紀中ごろになると、白熱電球よりも高効率の蛍光ランプが登場し、光源の主流も蛍光ランプに移った[2]。電球の基本開発も1930年代中ごろにはほぼ完結し、それ以降は量産技術の開発やHIDなど新しい光源の開発に技術開発も移行した[2]。
さらに環境問題対策として、低効率の電球の生産中止が世界的に進み、白熱電球の生産中止などの計画が進んでいる[2]。
電球の種類
構造による分類
フィラメントを通電加熱して発光させるランプを白熱電球といい、一般電球とハロゲン電球に分けられる[2][6]。
- 一般電球 - 白熱電球のうちハロゲン電球は形状や特性が多少異なるため分けて扱われており、ハロゲン電球以外の一般的な白熱電球は一般電球に分類される[2]。
- ハロゲン電球 - 不活性ガスとともにハロゲンガスを微量封入した電球[6]。
なお、先述のように商品分類では蛍光ランプやその他の放電ランプも広く「電球」に含めている[3]。これらの構造の詳細については各記事を参照。
形状による分類
歴史
発明
白熱の発光原理は1802年にイギリスの王立科学研究所の化学者ハンフリー・デービー(Humphry Davy)が、ボルタ電池を電源に使用し、白金線に通電加熱すると光を得られることを示したことに始まった[2]。
記録に残る最初の白熱電球は1820年にイギリスのデ・ラ・ルーエ(De la Rue)が製作したもので、ガラス管に白金コイルを入れた構造のランプであった[2]。また、電球の最初の特許はイギリスのフレドリック・デ・モーリン(Frederick De Moleyns)が1841年に取得したもので、球形のガラスグローブに白金コイルを収めた構造のランプであった[2]。
実用的なカーボン電球は1878年にイギリスのジョゼフ・スワンにより発明されたが、技術的には1865年にハーマン・スプレンゲル(en:Hermann Sprengel)が発明していた水銀真空ポンプを使用した真空技術と、フィラメントを通電加熱しながら排気する仕組みの開発などの技術向上がみられる[2]。さらにスワンは1883年にはフィラメントとして木綿を混酸(硫酸と硝酸)でニトロセルロース化し、酢酸で半溶解状態にして均一な線状に押し出す製造方法を発明した[2]。
こうして初期には様々な電球開発が行われたが、電源、電力供給設備、器具材料が整っておらず、本格的な普及はトーマス・エジソンによる実用的な白熱電球が登場するまで普及しなかった[2]。
トーマス・エジソンは1877年頃から電球の研究に着手し、電力供給に有利な高電圧でも使用できる高抵抗のフィラメントが必要と考えており、最初は白金線を使用していたがより安価なカーボンフィラメントの開発に転換した[2]。エジソンは1879年10月19日に40時間の点灯に成功し、110V用と55V用の電球製造を開始したが、このフィラメントには日本の京都の竹(八幡竹)が使用された[2]。電球の量産は1880年に電球製造会社(en:Edison Illuminating Company)で開始されたが、先立って1878年に「エジソン電灯会社」(The Edison Electric Light Company)を設立し電灯システムを事業化した[2]。
改良
1880年代中頃以降、カーボンフィラメントに代わる新しい材料の開発が行われるようになった[2]。
1897年、ドイツのヴァルター・ネルンスト(Hermann Walther Nernst)が金属酸化物のジルコニアとイットリアで作られた発光体を利用したネルンスト電球を発明した[2]。
1898年にはオーストリアのカール・ヴェルスバッハ(Von Welsbach)がオスミウムを利用した最初の実用的な金属フィラメント電球であるオスミウム電球を発明した[2]。また、1903年にはドイツのボルトン(W.Von Bolton)がタンタルを利用した金属フィラメント電球のタンタル電球を発明した[2]。
アメリカでは1904年にGEのホイットニー(W.R. Whitney)がカーボンフィラメントの不純物を高温で除去したGEM(General Electric Metalized)フィラメントを開発し、ゼム(GEM)電球として主にアメリカで販売された[2]。
フィラメントに理想の金属とされたのが融点が金属中最も高いタングステンで、1887年頃から検討されていたが成功しなかった[2]。1904年にオーストリアのアレクサンダー・ユスト(Alexander Just) とフランツ・ハナマン(Franz Hanaman)が押線タングステンフィラメント(Pressed Tungsten Filament)を発明し、1906年以降商品化され、1907年にGEが特許権を購入した[2]。
出典
- ↑ “zangra.com” (英語). Zangra. 2026年9月14日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 石﨑有義. “白熱電球の技術の系統化調査”. 独立行政法人国立科学博物館産業技術史資料情報センター. 2012年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月17日閲覧。
- 1 2 “2941:電球”. 経済構造実態調査・経済産業省企業活動基本調査実施事務局. 2022年7月17日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 “電球の豆知識”. 一般社団法人日本電球工業会. 2022年7月17日閲覧。
- ↑ 下川耿史『環境史年表 明治・大正編(1868-1926)』p.390 河出書房新社 2003年11月30日刊 全国書誌番号:20522067
- 1 2 3 4 5 “自動車用電球ガイドブック第6版”. 一般社団法人日本電球工業会. 2022年7月17日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 2013年4月1日付けで日本電球工業会と日本照明器具工業会が合併し、「日本照明工業会」が発足した
- 白熱電球の技術の系統化調査 - ウェイバックマシン(2012年3月4日アーカイブ分)
- 『電球』 - コトバンク
- 『あかり』(1976年) - 科学技術庁(現・文部科学省ほか)の企画の下でヨネ・プロダクションが制作した短編映画《日本科学技術振興財団も企画協力にて関与》。当該映画作品の後半にて、エジソンが発明した電球に纏わる事項などに触れている。
電球
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/19 14:28 UTC 版)
「Mario's Time Machine」の記事における「電球」の解説
※この「電球」の解説は、「Mario's Time Machine」の解説の一部です。
「電球」を含む「Mario's Time Machine」の記事については、「Mario's Time Machine」の概要を参照ください。
電球
出典:『Wiktionary』 (2021/06/19 11:58 UTC 版)
名詞
発音(?)
- で↗んきゅー
翻訳
- ボスニア語: sijalica (bs) 女性
- ブルガリア語: ел. крушка 女性
- チェコ語: žárovka (cs) 女性
- デンマーク語: pære (da)
- ドイツ語: Glühbirne (de) 女性
- ギリシア語: ηλεκτρική λάμπα (el) (ilektrikí lámpa) 女性, ηλεκτρική λυχνία (el) (ilektrikí likhnía) 女性, λάμπα (el) (lámpa) 女性
- エストニア語: elektripirn, pirn, lamp
- 英語: light bulb (en)
- フィンランド語: hehkulamppu (fi), lamppu (fi)
- フランス語: ampoule (fr) 女性, lampe (fr) 女性
- スコットランド・ゲール語: bolgan (gd) 男性
- ヘブライ語: נורה (he) (nurá) 女性
- クロアチア語: žàrulja (hr) 女性, sȉjalica (hr) 女性
- ハンガリー語: égő (hu), villanykörte (hu), izzó (hu)
- アルメニア語: էլեկտրական լամպ (hy) (ēlektrakan lamp), (口語) լամպուշկա (hy) (lampuška)
- アイスランド語: ljósapera (is) 女性
- イタリア語: lampadina (it) 女性
- ラトヴィア語: kvēlspuldze 女性, spuldze 女性
- マレー語: mentol lampu (ms)
- マケドニア語: светилка (mk) (svétilka) 女性
- オランダ語: gloeilamp 女性, lichtpeertje 中性 ballon
- ノルウェー語: lyspære (no) 男性
- ポーランド語: żarówka (pl)
- ポルトガル語: lâmpada (pt) 女性
- ルーマニア語: bec (ro) 中性, bulb de lampă (ro)
- ロシア語: лампа накаливания (ru) (lámpa nakálivanija) 女性, лампочка (ru) (lámpočka) 女性 (口語)
- セルビア語:
- スロヴェニア語: žarnica 女性
- スペイン語: ampolleta 女性 (チリ), bombilla 女性 (スペイン), bombillo 男性 (カリブ諸島、コロンビア、コスタリカ、ニカラグア、パナマ、ベネズエラ), bujía 女性 (ニカラグア), foco 男性 (ボリビア、コロンビア大西洋側、エクアドル、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、メキシコ、ペルー), lamparita 女性 (アルゼンチン、ウルグアイ)
- スワヒリ語: balbu (sw)
- スウェーデン語: glödlampa (sv) 通性
「電球」の例文・使い方・用例・文例
- 60ワットの電球
- 電球が切れた
- エジソンは電球の発明で有名です
- 電球が切れてしまった
- 彼はぶら下がり電球に頭をぶつけた
- 裸電球
- 私はクリスマスツリーに豆電球をつけた
- このLED電球はストロボスコピック現象を発生させません。
- 何十もの閃光電球が彼らを出迎えた。
- あの電球を換えて下さい。
- 電球の修理
- 部屋の電球が壊れていました。
- 部屋の電球が切れました。
- 私は電球を付けようとしたら、火花が出てブレーカーが落ちた。
- 全ての電球が点灯しない。
- 私はその白熱電球を代えなければならない。
- その電球は切れた。
- その電球が光っている。
- 私は電球を取り付けます。
電球と同じ種類の言葉
- >> 「電球」を含む用語の索引
- 電球のページへのリンク
