造血幹細胞とは? わかりやすく解説

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ぞうけつ‐かんさいぼう〔ザウケツカンサイバウ〕【造血幹細胞】

読み方:ぞうけつかんさいぼう

血液中の赤血球白血球血小板などの血液細胞産生する細胞のこと。この細胞には自己複製能があり、自らが分化して血液細胞になる。成人では主に骨髄存在し胎児では肝臓脾臓(ひぞう)、また臍帯血臍帯胎盤の中の血液)にも存在する血球芽細胞


造血幹細胞

白血球赤血球血小板リンパ球等の血液細胞は、共通の祖先である多能性造血幹細胞由来している。多能性幹細胞はさらにそれぞれ好中球赤血球血小板リンパ球の生産担当する幹細胞分化し、さらに何回かの分裂経て成熟した血球となる。幹細胞自己再生能(自分と全く同じ細胞作る能力)をもつことが必須である。 造血幹細胞は放射線に非常に感受性が高い。成熟した血球寿命は短いもので数日長いもので120日程度であるので、全身放射線受けた場合造血器官からの血球供給無くなり血球減少する

造血幹細胞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/30 05:38 UTC 版)

「造血幹細胞」とその細胞系統

造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう; hematopoietic stem cell - HSC)とは血球細胞分化可能な幹細胞である。ヒト成体では主に骨髄に存在し、白血球好中球好酸球好塩基球リンパ球単球マクロファージ)、赤血球巨核球血小板肥満細胞樹状細胞を生み出す。血球芽細胞、骨髄幹細胞ともいう。幹細胞の定義として、一個の細胞が分裂の結果2種類以上の細胞系統に分化 (differentiation) 可能であると同時に幹細胞自体にも分裂可能であり(self renewal: 自己複製)結果として幹細胞が絶える事なく生体内の状況に応じて分化、自己複製を調整し必要な細胞を供給している事になる。この過程を造血という。

血球系の細胞には寿命があり、造血組織より供給されなくなると徐々に減って行く。この寿命は血球の種類によって異なり、ヒトでは赤血球(約120日)、リンパ球(数日から数十年)、好中球(約1日)、血小板(3~4日)などである。ヒトの造血組織は骨髄内に存在するが、全ての骨の骨髄で造血が行われる訳ではなく、胸骨肋骨脊椎骨盤など体幹の中心部分にある、扁平骨や短骨で主に行われる。その他の長管骨の骨髄では出生後しばらくは造血機能を持つが、青年期以降は造血機能を失い、加齢とともに徐々に辺縁部位が脂肪組織に置き換わって行く。最長の大腿骨でも25歳前後で造血機能を失う。なお、発生直後から骨髄で造血されているわけではなく、骨髄造血が始まるのは胎生4ヶ月頃からである。それ以前は初期は卵黄嚢で、中期は肝臓脾臓で造血される。なお、肝臓と脾臓は造血機能を完全に失うわけではなく、血液疾患時には造血が見られることもある。骨髄には造血細胞だけでなく、脂肪細胞、マクロファージ、間葉幹細胞などが存在し、造血細胞の中にも、分化した上記血球系細胞およびそれらの前駆細胞が存在している。多分化能を保った造血幹細胞はこれらの中のごく一部であり、最新の学説においては、骨組織と骨髄の境界領域に高頻度に存在し、骨組織内の骨芽細胞(osteoblast)との接触がその維持に重要と考えられている。(造血幹細胞ニッチ

マウス実験において、大量の放射線を個体に照射すると造血障害が発生するが、MHCの一致した他のマウスより採取した骨髄細胞を移植するとその造血機能が回復する事により、骨髄細胞内に造血幹細胞が存在する事が証明されている。さらに、血球細胞の表面抗原に対するモノクローナル抗体を組み合わせてフローサイトメトリーにて細胞を純化する技術が開発され、骨髄細胞より高濃度で造血幹細胞を純化する事が可能となっており、1個の細胞を移植する事で放射線照射したマウスの造血機能を回復する事が可能になっている。 以上の知見をもとに臨床応用されているのが造血幹細胞移植であり、白血病悪性リンパ腫多発性骨髄腫などの血液の治療などに役立っている。

余談

千島学説は、造血は消化器官の特に小腸で行われると主張する。 しかしこの説は科学的医学的に認められていない。

外部リンク



造血幹細胞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/25 01:55 UTC 版)

成体幹細胞」の記事における「造血幹細胞」の解説

詳細は「造血幹細胞」を参照 造血幹細胞は骨髄由来しすべての血液細胞分化する

※この「造血幹細胞」の解説は、「成体幹細胞」の解説の一部です。
「造血幹細胞」を含む「成体幹細胞」の記事については、「成体幹細胞」の概要を参照ください。

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