じょう‐ふ〔ヂヤウ‐〕【丈夫】
じょう‐ぶ〔ヂヤウ‐〕【丈夫】
読み方:じょうぶ
1 健康に恵まれているさま。達者。「—で、病気ひとつしたことがない」「からだが—な子」
2 物が、しっかりしていて壊れにくいさま。「—なひも」「値段の割に—な靴」
3 確かなさま。確実。
「何十年でも此所(ここ)に留めませと—なる言ひ渡し」〈浮・歌三味線・一〉
[派生] じょうぶさ[名]
[名]⇒じょうふ(丈夫)
たけ‐お〔‐を〕【▽猛▽男/▽猛▽夫/丈▽夫】
ますら‐お〔‐を〕【▽益▽荒▽男/丈=夫】
丈夫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/01 06:14 UTC 版)
丈夫(じょうふ、じょうぶ、ますらお[1])は、一人前の男子のことであり、転じて健康なさまやしっかりしていて壊れないさまをさす。また大丈夫(だいじょうふ、だいじょうぶ)は、「丈夫」にさらに物事が優れていることを意味する接頭語の「大」をつけたもので「一人前の男子のなかでも、とりわけ優れている者」をさし、転じて、「危なげがなく非常にしっかりした様や間違いのない様」を意味している。
概要
本来は「身長1丈の男」の意で、周王朝がかつて1丈(約180センチメートル)を成人男性の身長を基準とした身体尺として設定したことから、転じて一人前の男、立派な男子を意味する様になったものである。
日本における意味の変化
日本において「丈夫」という言葉が用いられている最古の例は、奈良時代に成立した『藤氏家伝』上巻に見える『雄壮丈夫二人』という文言であり、この時点では原義同様「一人前の男」という意味で用いられていた。しかし中世末より転じて「非常にしっかりとしていて気強い様」を表現する用法が多用されるようになり、「大丈夫」もほぼ同じ意味合いで用いられるようになった。
ところが、近世に入ると丈夫と大丈夫の間にも意味の相違が起こり、明治に入ると、丈夫が「堅固な様子」、大丈夫は「危なげのない様子」を表すという現在の用法が確定した。
儒教における大丈夫
儒教において、大丈夫は孔子の説いた「君子」と同一視されており、特に孟子は、「常に浩然の気を養い、高い道徳的意欲を持つ理想の人間像」としてこれを定義している[2]。また彼は縦横家の春景に同じく縦横家である公孫衍や張儀は「一人の力で天下を動かす」大丈夫であると自慢された際、それを「単に自分の利益のために行動しているに過ぎない」とした上で、
居天下之廣居 立天下之正位 行天下之大道 得志與民由之 不得志獨行其道 富貴不能淫 貧賤不能移 威武不能屈 此之謂大丈夫。
として、孔子の説く「君子」同様、仁・義・礼の3つを併せ持った人間こそが真の「大丈夫」であると反論している[注 1]。
脚注
注釈
- ^ 「天下之廣居」とは仁、「天下之正位」は義、そして「天下之大道」とは礼の比喩表現である。
出典
- ^ デジタル大辞泉『益荒男』 - コトバンク
- ^ 『倫理用語集』(2014)p.92
参考文献
- 穂積重遠訳 『新訳孟子』講談社、1980年11月。ASIN B000J839TC。
- 内野熊一郎訳 『新釈漢文体系『孟子』』明治学院、1962年6月。ISBN 978-4625570049。
- 松井栄一 編 『日本国語大辞典(第二版)』小学館、2000年11月。ISBN 978-4095210018。
- 濱井修監修 著、小寺聡 編 『倫理用語集』山川出版社、2014年10月。ISBN 978-4-634-05219-2。
丈夫
「丈夫」の例文・使い方・用例・文例
- この氷は君が乗っても大丈夫だろう
- 丈夫な
- 丈夫な体
- 彼はやせているが丈夫だ
- 鎖の丈夫さはその中の一番弱い輪の丈夫さと同じにすぎない
- この生地は丈夫で長もちします
- 彼は年の割にはとても丈夫です
- 彼は体質的に丈夫だ
- 胃が丈夫だ
- 大丈夫だよ,終電には十分間に合うだけ時間があるから
- 大丈夫.彼はもうじき現れるよ
- 大丈夫.時間はある
- 彼は体が丈夫でないので働けないでいる
- 大丈夫だよ.ちょっと疲れただけさ
- 「気分が悪いのかい」「いや,大丈夫だ」
- 「お手伝いしましょうか」「いいえ,今のところ1人で大丈夫です」
- 硬くて丈夫な柱
- 丈夫なロープ
- この井戸水は飲んでも大丈夫です
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