ハウスマヌカン
ハウスマヌカンとは
ハウスマヌカンとは、ブティックなどで自店の服を着用しながら接客を行う販売員を指す言葉である。 「house(店)」とフランス語の「mannequin(マネキン)」を組み合わせた和製英語であり、店のコンセプトやブランドの世界観を体現する存在として使われていた。 ただし現在では、この呼び方はほとんど使われておらず、過去のファッション文化を象徴する言葉となっている。ハウスマヌカンの仕事内容
ハウスマヌカンは、店の商品を実際に着用しながら接客し、顧客にコーディネートを提案する役割を担っていた。 自らが「動くマネキン」として機能し、着用したときのシルエットや雰囲気をその場で見せることで、商品の魅力を直接伝える販売スタイルである。また、接客だけでなく、店のイメージそのものを体現する存在でもあった。ハウスマヌカンとマネキンの違い
ハウスマヌカンは実在の人間であるのに対し、マネキンは服を展示するための人形である。 ハウスマヌカンは動きや会話を通じてリアルな着用イメージを伝えることができる一方、マネキンは静的なディスプレイとして視覚的に見せる役割を持つ。この点が大きな違いである。ハウスマヌカンはいつ流行したか
ハウスマヌカンという言葉と職業は、1970年代から1980年代のファッションブームの中で広く知られるようになった。 当時はブティック文化が隆盛し、店舗ごとの個性や世界観を強く打ち出す必要があったため、その象徴としてハウスマヌカンが活躍していた。ハウスマヌカンが使われなくなった理由
現在では「ハウスマヌカン」という呼び方はほぼ使われておらず、「ショップスタッフ」や「販売員」といった一般的な呼称に置き換えられている。 これは販売スタイルの変化やブランド戦略の多様化により、特定の呼称に依存しない接客が主流になったためである。また、言葉自体が時代性の強い表現であったこともあり、結果として死語に近い扱いとなっている。ハウスマヌカン
「ハウスマヌカン」は、英語houseとフランス語mannequinを組み合わせた和製洋語で、1983年に雑誌「アンアン」がこの名称を用いて特集を組んだことから定着した。フランス語でmannequinはファッションモデルを意味するが、日本語で「マヌカン」は古くから衣類や化粧品を身につけてそれらを宣伝する女性を指して用いられていた。
客に着こなしをアドバイスしたり、着用のモデルとなって商品を宣伝したりすることも求められたため、ハウスマヌカンはバブル時代のいわゆる「カタカナ職業」のひとつとして憧れの職種でもあった。1986年には、ハウスマヌカンの悲哀を歌ったややの楽曲「夜霧のハウスマヌカン」がヒットしている。
「ハウスマヌカン」は現在は死語になっており、衣料品店の店員のことは今では普通「アパレル店員」「ショップ店員」「ショップスタッフ」などという。
(執筆:稲川智樹)
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