litter
「litter」とは、ごみ・乱雑・がらくたのことを意味する英語表現である。
「litter」とは・「litter」の意味
「litter」とは、主にごみ・乱雑・がらくたという意味で用いられるが、幅広い意味で用いられているため文脈で意味を判断する必要がある。名詞・動詞として用いられている単語で、名詞としては散らかしたごみ、混乱、家畜の寝床を作る寝わら、一緒に生まれた動物の子ども、ペットのトイレ砂などの意味がある。動詞としては、部屋や物を散らかす、動物が子供を産む、動物に寝わらを敷く、などの意味で用いられる。「litter」の過去形・過去分詞は「littered」、現在分詞は「littering」である。また、「Littering」にはポイ捨てという意味がある。「litter」の覚え方は、「The litter is in a 30 liter garbage bag.(ごみが30リットル入りのごみ袋に入っている)」のように、「litter(ごみ)」がごみ袋に入っていることをイメージすると覚えやすい。
「litter」の発音・読み方
「litter」の発音は、カタカナ語では「リッター」や「リター」と表記される。しかし、発音記号では「lítər」と表記されるため、カタカナにすると「リィタァ」という発音になる。「リィ」は舌先を前歯の裏につけながら「ウ」と「ル」の間の音を出した後、すぐに「エ」と「イ」の中間の「ィ」を発音し、「タァ」は舌先で前歯を弾くようにして「トゥ」という音を出した後、弱めに「ァ」と発音すると、ネイティブに近い発音になる。「litter」の語源・由来
「litter」の語源は、横たわるという意味の印欧語根の「legh-」である。印欧語根の「legh-」が、カウチという意味のラテン語の「lectus」に変化し、動物のねぐらという意味のフランス語「litiere」に変化した後、「litter」になった。「litter」を含む英熟語・英語表現
「a litter of」とは
「a litter of」とは、同腹子のという意味の英熟語である。犬や豚など、多くの動物は、同じ母親から3~8匹の子どもが生まれる。「a litter of」は、一緒に生まれた子どもをまとめて指す表現である。「a litter of puppies」は同腹の子犬という意味になる。
「do not litter」とは
「do not litter」とは、ごみを捨るな、ポイ捨てするなという意味の英語表現である。公園や道路などの公共の場に立て看板の文言として記載されていることが多い。
「litter」に関連する用語の解説
「littering」とは
「littering」とは、ポイ捨てという意味の英語表現である。公共の場所でゴミを地面に落とす行為を指す。煙草の吸殻や飲料ボトル、ファーストフードの袋、草刈り後の植物の廃棄物などが、公共の場における代表的な「littering」としてあげられる。
「cat litter」とは
「cat litter」とは、猫のトイレ用の砂を意味する英語表現である。多くの場合粒状の吸収材で、飼い猫が屋内で排尿および排便できる容器の中に入れて使用される。1週間から2週間に1回の頻度で「cat litter」を入れ替えることで、猫用トイレを衛生的に保つことができる。
「litter」の使い方・例文
・The park was littered with alcohol bottles and cans, fast food packages after the concert.(コンサートの後、公園にはアルコールのボトルや缶、ファーストフードのパッケージが散らばっていた)・She was so busy and tired, her dirty clothes littered the floor of her bedroom for weeks.(彼女は忙しくて疲れていたので、汚れた服が寝室の床に何週間も散らばっていた)
・We decided to pick up the litter in the park on this Sunday.(私たちは今週の日曜日に公園でゴミ拾いをすることにした)
・Our office was covered with a litter of old documents.(私たちのオフィスは古い書類の山で覆われていた)
・Drinks and popcorn littered the floor after the movie.(映画の後、飲み物とポップコーンが床に散らばっていた)
・I wear rubber gloves when I handle cat litter.(猫砂を扱うときはゴム手袋をしている)
・People who litter often have no respect for the community.(ポイ捨てをする人は、コミュニティに敬意を払っていないことがよくある)
・Please put your litter in the bin provided in the park.(ごみは園内に設置してあるごみ箱へお入れください)
・How often is the trash bin and litter cleaned up?(ごみ箱やがらくたはどのくらいの頻度で掃除されますか?)
・Please note that any person found leaving litter will be prosecuted.(ごみを放置していることが判明した人は、起訴されることになるのでご注意ください)
ポイ捨て
ポイ捨て(ポイすて)とは、ごみの不適切な処理方法のひとつで、対象物が小さい場合の俗称である。適当な処置で、不適当な場所に大型で大量のごみを出す場合は、不法投棄とも呼ばれる。日本国内外でもポイ捨ての半数以上を喫煙者によるたばこの吸い殻が占める[1][2]。
たばこのポイ捨てを行う者らの大多数は喫煙所が付近にあってもすること、対策の中で罰金が最も効果のあることが実証されているため[1]、シンガポール[注 1]やタイ王国では罰金刑を課している。日本においても道徳的、各種法令に抵触する違法行為(廃棄物の処理及び清掃に関する法律、軽犯罪法、道路交通法など)であるが[3]、ポイ捨てそのものを取り締まることを主目的とした法律がないため、ポイ捨てを行う者らに厳しい刑事罰・前科を与える立法が求められている[2]。また、ごみなどの路上投棄が多い地域生活では、ポイ捨てを禁止する条例を定めた自治体がある[1]。
概要
ポイ捨てされるものとしては、チューインガム、たばこの吸殻、空き缶、ペットボトルやレジ袋などの使い捨て容器類、包装紙や新聞・雑誌・集合住宅の郵便受けにポスティングされるチラシなどの紙類・食べ残した食品などがある。
「ポイ捨て」と軽い言葉で表現される傾向があるが、火災や漂流・漂着ごみ、野生動物の殺傷など他の社会問題の要因ともなっている。集合住宅にポスティングされるチラシの散乱においては、ポスティングそのものを諸悪の根源とするポイ捨てを弁護するような声[要出典][誰?]がある。
対象物がたばこの吸殻のように小さいものでも、海のごみのうち約4分の1がたばこの吸殻で最多であったように海洋汚染の原因ともなる[4]。
日本における刑罰・罰則
条例違反
たばこ問題に関連し、歩きたばこ禁止条例とともにポイ捨て禁止条例が制定される自治体もあり、ポイ捨て行為に罰則を課している。
条例違反の摘発事例
- 2002年11月1日、東京都千代田区にて歩きたばこ禁止条例により違反者に対して過料を徴収開始。最初の1か月は749人が対象となった。
- 2008年1月21日より適用された神奈川県横浜市の改正「ポイ捨て・喫煙禁止条例」により、1か月間で734人に過料が適用された[5]。
道路交通法違反
交通の障害を来たす行為については道路交通法により取り締まりが行われる[6]。
- 道路交通法第76条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
- 第4項 何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
- 第4号 石、ガラスびん、金属片その他道路上の人若しくは車両等を損傷するおそれのある物件を投げ、又は発射すること。
- 第5号 前号に掲げるもののほか、道路において進行中の車両等から物件を投げること。
道路交通法違反の摘発事例
軽犯罪法違反
ポイ捨ては軽犯罪法違反により罰せられる[6]。たばこの吸殻などを側溝や路上へ投棄することは、軽犯罪法違反になる。
- 軽犯罪法第1条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
- 第25号 川、みぞその他の水路の流通を妨げるような行為をした者
- 第27号 公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者
廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反
廃棄物の処理及び清掃に関する法律はポイ捨て行為を罰する法律である[6]。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条 何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第25条
- 第1項 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 第14号 第十六条の規定に違反して、廃棄物を捨てた者
- 第2項 前項第十二号、第十四号及び第十五号の罪の未遂は、罰する。
シンガポールの事例
- ポイ捨て初犯1,000シンガポールドル(約8万円)、再犯2,000シンガポールドル+清掃活動[7][8]。
- 2019年8月、シンガポール警察は、マンションの高層階からワインボトルを落とし、下層階の男性に当て死亡させた男性を過失致死の疑いで逮捕した。最大で禁錮5年や罰金が科されるという[9]。
中国の事例
高層ビルからのポイ捨て
中国では、高層ビルなどの高所から物を投げ捨てる行為は犯罪と見なされる。公の安全を脅かすと見なされれば、容疑者は懲役3年から10年の判決を受ける。通行人などが深刻な怪我や死亡した場合などは、終身刑か死刑もあり得る。2010年代に急速に発展し、高層ビルが乱立するようになった現状に住民のマナー改善は追いついておらず、しばしば高層階から故意に投げ捨てられたごみが地上の人間や車両に被害を与えて問題となる。2016年から2018年の間に発生した、高所からの落下物に関する刑事事件は31件で半数は死亡事件となった。さらに1200件の賠償請求を求める民事事件が起きている[10]。
関連項目
- 公害
- 喫煙 - ポイ捨ての半分以上を喫煙者によるたばこの吸い殻が占める[2]。
- ごみ問題 - 不法投棄
- 廃棄物 - 一般廃棄物 - 産業廃棄物
- 遺失物
- 漂流・漂着ごみ
- 山火事
- ACジャパン - 前身の関西公共広告機構時代に制作した最初のテレビCMは、淀川長治がたばこのポイ捨てを批判する内容だった。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c “タバコ吸い殻「ポイ捨て」する理由〜「喫煙所」を増やして効果あんの?(石田雅彦) - Yahoo!ニュース”. Yahoo!ニュース 個人. 2021年4月21日閲覧。 “意図的にポイ捨てされるゴミ、わざと捨てられるゴミの半分以上はタバコの吸い殻だ。ゴミには多種多様なものがあるが、単一のゴミとしてはタバコの吸い殻がダントツに多い”
- ^ a b c 「日本の廃棄物」p116 , 2000年 · 全国都市清掃会議
- ^ “ごみのポイ捨ては法律違反です! | 中島村公式ホームページ”. www.vill-nakajima.jp. 2021年4月21日閲覧。
- ^ 東京新聞「米国の環境保護団体オーシャン・コンサーバンシー調査」2007年8月4日夕刊
- ^ 横浜市の路上喫煙禁止条例、1カ月で罰則適用734件(日本経済新聞、2008年2月22日)
- ^ a b c ポイ捨て行為は法律で罰せられます - 千葉県浦安市
- ^ https://www.pref.gunma.jp/07/co01_00027.html
- ^ “タバコ・ゴミ・ポイ捨てなどの罰金一覧”. シンガポール旅行観光.com. 2021年11月20日閲覧。
- ^ “高層階から瓶落下、男性死亡=豪州人を逮捕-シンガポール”. 2019年9月1日閲覧。
- ^ “高層マンションから降るゴミ、中国で問題に 豆腐、犬糞、自転車も”. Newsphere (2020年8月5日). 2020年8月6日閲覧。
- litterのページへのリンク