IBM 350
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/23 14:00 UTC 版)
「IBMのディスク記憶装置」の記事における「IBM 350」の解説
IBM 350はIBM RAMAC 305の一部であり、そのコンピュータはディスク記憶技術を世界にもたらした。IBMは1956年9月13日にRAMAC 305およびRAM 650コンピュータシステムの一部としてIBM 350を公式に発表した。RAMACとはRandom Access Method of Accounting and Controlの略である。 その設計はビジネスにおけるリアルタイム計算の必要性を意図していた。IBM 350は500万字の7ビットでパリティビットを加えた6ビット(文字約4.4MB)を保存した。50枚の24インチ(直径610mm)の磁気ディスクを備え、ディスク表面にはそれぞれ100のトラックがあった。ディスクは1200 rpmで回転し、データ転送速度は8,800ワード/秒だった。2個の独立しているアクセスアームがディスクを選択するためにサーボ制御によって昇降する機構を持っていた。3番目のアクセスアームはオプションであった。 いくつかの改善されたモデルが1950年代に追加された。 IBM 350を搭載したIBM 305 RAMACシステムは月額3,200ドルでリースされた。IBM 350は1969年には公式に販売停止となった。 IBM 350のキャビネット(筐体)は長さ60インチ(152cm)、高さ68インチ(172cm)、奥行き29インチ(74cm)だった。 IBMはその製品がすべて標準29.5インチ(75cm)の戸口を通り抜けなければならないという厳しいルールを持っていた。IBM 350の磁気ディスク(プラッタ)は水平にマウントされたためで、このルールにより搭載されるディスクの最大直径が決定された。 カリー・マンス(IBMのディスク部門を買収した日立グローバルストレージテクノロジーズの副社長)はウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューにおいて、「RAMACユニットは1トン以上の重量があり、フォークリフトで動かされなければならなく、大きな貨物機によって運ばれた。ドライブの記憶容量は5MBを越えて増強されたかもしれないが、IBMの営業部はより大きなキャパシティーのドライブを搭載した製品に反対した。」と述べた。 2002年にサンタクララ大学と共同でIBM 350 RAMACの復元を開始し、2005年にはRAMAC復元プロジェクトがコンピューター歴史博物館に移転された。2006年現在、カリフォルニア州マウンテンビューのコンピュータ歴史博物館に、RAMACディスクドライブ装置が保管されている。但し、オリジナルの制御回路は含まれていない。
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