hard pointとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 工学 > 大車林 > hard pointの意味・解説 

ハードポイント

※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。

ハードポイント

(hard point から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/03 22:04 UTC 版)

F-35の搭載兵装類
機外兵装ステーションは1-3, 6, 9-11である

ハードポイント(hard-point、重量強化点、機外兵装ステーション)は、軍用機の胴体や主翼の下面にあらかじめ設けられた、兵装類を懸吊けんちょう(懸下ともいう。)して機外搭載するための取付部である。

概要

搭載物の多くが航空機搭載爆弾ミサイルロケット弾ポッドやガンポッドといった兵器類であるが、照準ポッド[1]電子戦ポッド[2]などの支援装備、トラベルポッド[3]やスモークポッド[4]など非戦闘用の装備もある。またドロップタンクも対応したハードポイントに搭載される。

投下物や銃砲ならば投下制御や発射制御を、誘導兵器センサー類であればプログラムやデータなどの通信路を、それぞれケーブル接続するための端子をハードポイント側に備えておく必要があり、同様にドロップタンクならば燃料配管の接続口も必要である。搭載するためには荷重制限や空力干渉、接続部の機構的な適合性だけでなく、火器管制システム類を含む電気系統の対応も求められるため、搭載可能な兵装類はそれほど多種類には対応していない。大型機の場合は兵器用と電子戦ポッド用を分けることも可能である[5]

一般的に機体下面のハードポイントには搭載物を直接吊さず「パイロン」と呼ばれる支持部品を介して搭載する。パイロンにはミサイル用のレールランチャーや複数弾を搭載するためのマルチ・イジェクターと呼ばれる個別、またはパイロンと一体の支持具が加わることがあり、この部分を総称して兵装支持架や兵器支持架と呼ばれることが多い[6]。試験飛行やフェリーなど搭載する物がない場合はパイロンを外すことがある。

ハードポイントが多ければ必要に応じて多数の兵器類を機外搭載できるが、取付けられる物のほとんどが重量物であり、空力的な抵抗ともなるため、航続距離や飛行速度、運動性能といった軍用機として重要な性能を低下させる。また、機外搭載する部分には機体構造の強化も必要となり、それに伴う重量増加は、機外搭載物を外しても除去できない。用の固定翼機では、左右対称に、翼下に4-10箇所、主翼端に0/2箇所、胴体下面に1-6箇所程度備えるものが一般的である。攻撃ヘリコプターでは、機体固有の小翼がハードポイントや兵器支持架となるものもある。輸送/汎用ヘリコプターなどの機外懸下用フックホイスト類は兵装支持架には含まれない。

ステルス性を有する戦闘機では、本来の性能を発揮するために機外搭載物を避ける必要があるが、そのような機体の多くが空中での格闘戦だけでなく、攻撃機のような異なる役割も果たすマルチロール機として位置づけられているため、狭い爆弾倉だけでは収容しきれない誘導爆弾類を多数機外搭載するためのハードポイントを多数備えている。飛行状態に応じて主翼の後退角を変化させる可変翼機の場合、トーネード Su-24の様に主翼の後退角に合わせて基部を回転させパイロンが常に進行方向を向くハードポイントを持つ機種も少なくない。しかし構造的に弱い可変翼部分には基本的に大重量の兵装を搭載出来るほどの強固なハードポイントは設けられず、もっぱら軽量な短射程ミサイルやドロップタンクの搭載箇所として使用されている。[7]既存の機体に対してコンフォーマル・フューエル・タンクを加えることによってハードポイントを増やす手法もある[8]

脚注

  1. ^ レーザー目標指示装置を搭載したポッド
  2. ^ ジャミング装置など電子攻撃用の装備を搭載したポッド
  3. ^ 内部に少量の貨物を積載できる中身が空のポッド
  4. ^ 曲技飛行などで使用するスモーク発生装置を内蔵したポッド。
  5. ^ P-3は翼端にある兵器用のハードポイントとは別に、胴体下部にセンサー用配線を確保したハードポイントを設置することで拡張性を確保している。
  6. ^ 翼端には短距離の空対空ミサイルだけ搭載可能とする機体では、パイロンは用いず翼端部に直接レールランチャーが備わっている
  7. ^ 例外としてF-111が挙げられる。詳細はF-111 (航空機)#可変翼を参照のこと。
  8. ^ 石川潤一 「ロシア空軍の戦闘爆撃機 フェンサーからフルバックへ」『軍事研究』2012年1月号、ジャパン・ミリタリー・レビュー、雑誌 03241-01、ISSN 0533-6716、72-75頁

関連項目


Hardpoint

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 08:03 UTC 版)

コール オブ デューティ ヴァンガード」の記事における「Hardpoint」の解説

一定間隔移動するひとつのエリア長く確保したチーム勝利

※この「Hardpoint」の解説は、「コール オブ デューティ ヴァンガード」の解説の一部です。
「Hardpoint」を含む「コール オブ デューティ ヴァンガード」の記事については、「コール オブ デューティ ヴァンガード」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「hard point」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「hard point」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「hard point」の関連用語

hard pointのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



hard pointのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
三栄書房三栄書房
Copyright c San-eishobo Publishing Co.,Ltd.All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのハードポイント (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのコール オブ デューティ ヴァンガード (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS