ロンドンの放蕩者
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/17 03:20 UTC 版)
『ロンドンの放蕩者』(ロンドンのほうとうもの、The London Prodigal)は、イギリス・ルネサンス演劇の戯曲で、ロンドンを舞台に放蕩息子が自分の生き方が誤っていたことを思い知る「都市喜劇」。
創作年代
『ロンドンの放蕩者』が書かれたのは早くて1591年頃、遅くて1603年から1604年頃と見られている。聖書から綿々と続く「放蕩息子」テーマの1本である。エリザベス朝では家庭劇(Domestic drama)に分類され、「英語で最初の自然主義演劇の1つ」とも言われている[1]。
作者
『ロンドンの放蕩者』は1605年に書籍商ナサニエル・バター(Nathaniel Butter)によって「四折版」が出版された。印刷はトマス・コーテス(Thomas Cotes)。この時バターは表紙にウィリアム・シェイクスピア作と記し、国王一座の芝居であると記した。そのため、Philip Chetwindeはシェイクスピアの「サード・フォリオ」第2刷(1664年)に他の6つの劇と一緒にこの劇を追加した。
しかし、多くの研究者はシェイクスピアが『ロンドンの放蕩者』の作者であることを否定している。
研究者たちは個別に、ベン・ジョンソン、トマス・デッカー(Thomas Dekker)、ジョン・マーストン(John Marston)、マイケル・ドレイトン(Michael Drayton)を『ロンドンの放蕩者』の作者とした[2]。他にもトマス・ヘイウッド(Thomas Heywood)、ジョージ・ウィルキンス(George Wilkins)の名が挙がっている[3]。しかし、いまだ評論家たちの間でコンセンサスを得ていない。
あらすじ
商人フラワーデイルの放蕩息子マシューは自堕落でギャンブル好き、口汚く、暴れん坊で酒飲みで盗人だった。叔父がマシューの行動を警告するが、父親は「若いうちは誰でも辿る道」と平気で、いつか息子も目を覚ますだろうと信じていた。父親は死んだふりをして、召使いに変装し、息子をスパイする。しかし、息子の悪徳の数々に愕然としてしまう。マシューは裕福な男を装って、全財産をサー・ランスロット・スパーコックに寄贈するという遺言状を捏造する。スパーコックはその遺言状を見て、自分の娘ルースをマシューと結婚させることにする。ただちに結婚式が執り行われることになるが、その婚礼の場でマシューは負債で逮捕されてしまう。マシューはどんどん貧乏になり、ルースの妹の1人から物を盗む。ルースは夫マシューからひどい扱いを受け、売春までさせられそうになるが、最後はルースの忠節さでマシューは心を入れ替える。マシューの父親が正体を明かし、改心した息子を祝福する。
脚注
- ^ Willard Thorp, quoted in Logan and Smith, The Popular School, p. 222.
- ^ Logan and Smith, The New Intellectuals, p. 92.
- ^ Logan and Smith, The Popular School, p. 221.
参考文献
- C. F. Tucker Brooke, The Shakespeare Apocrypha, Oxford, Clarendon Press, 1908.
- Terence P. Logan and Denzell S. Smith, The Popular School: A Survey and Bibliography of Recent Studies in English Renaissance Drama, Lincoln, Nebraska, University of Nebraska Press, 1975.
- Terence P. Logan and Denzell S. Smith, The New Intellectuals: A Survey and Bibliography of Recent Studies in English Renaissance Drama, Lincoln, Nebraska, University of Nebraska Press, 1977.
「The London Prodigal」の例文・使い方・用例・文例
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- ‘They are flying kites.' はあいまいな文である.
- 話し中です (《主に英国で用いられる》 The number's engaged.).
- 名詞相当語句 《たとえば The rich are not always happier than the poor. における the rich, the poor など》.
- 総称単数 《たとえば The dog is a faithful animal. の dog》.
- =《口語》 These kind of stamps are rare. この種の[こういう]切手は珍しい.
- 王立オペラ劇場 《the Covent Garden Theatre のこと》.
- 英国学士院 (The Royal Society)の会報.
- 初めて読んだ英文小説は“The Vicar of Wakefield”
- 『Scotish』は、『The Scottish Symphony』や『Scottish authors』、あるいは、『Scottish mountains』のような、より正式な言葉遣いの傾向がある
- STD(神学博士)はラテン語のSanctae Theologiae Doctorに由来する
- 『The boy threw the ball(少年がボールを投げた)』は、能動態を使う
- 『The ball was thrown(ボールは投げられた)』は簡略化された受動態である
- 1992年,「The Animals(どうぶつたち)」という本のために,まどさんの動物の詩のいくつかが皇后美(み)智(ち)子(こ)さまによって英訳された。
- 式典は,3Dコンピューターアニメ映画「I Love スヌーピー The Peanuts Movie」の米国公開の数日前に行われた。
- クレオパトラの針 《古代エジプトのオベリスクで, 現在 London と New York にある》.
- ポートランド街 《London の街路名》.
- 新大学, 1960 年以降に創設された大学, 板ガラス大学 《Oxford, Cambridge のような石造りの ancient universities, 19 世紀に創設された London 大学のような赤れんが造りの redbrick universities に対して言う; 建築様式がふんだんに plate glass を使ってモダンなことから》.
- サンデーポスト(紙) 《London の日曜朝刊新聞》.
- サビル通り 《London の町名; 一流の紳士服の仕立屋が軒を連ねる》.
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