Phantasiestüke Op.12とは? わかりやすく解説

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シューマン:幻想小曲集

英語表記/番号出版情報
シューマン幻想小曲集Phantasiestüke Op.12作曲年1837年  出版年1838年  初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 夕べに」  op.12-1 "Des Abends"3分30秒
2 飛翔」 op.12-2 "Aufschwung"3分30秒
3 「なぜ」 op.12-3 "Warum"3分00
4 気まぐれ」 op.12-4 "Grillen"3分30秒
5 夜に」  op.12-5 "In der Nacht"3分30秒
6 寓話」  op.12-6 "Fabel"2分30秒
7 「夢のもつれ」  op.12-7 "Traumes Wirren"2分30秒
8 「歌の終わり」  op.12-8 "Ende vom Lied"6分00

作品解説

執筆者: PTNA編集部

この曲集は8曲からなり1837年作曲されそれぞれに標題つけられている。

幻想小曲集  1.夕べに」 / Phantasiestuke op.12-1 "Des Abends"
 冒頭のこの曲はピアノ音楽にとって一番効果的な変二長調書かれている旋律構成いたってシンプル淡々と同じ音型が繰り返されるが、そこから時間忘れてたたずんでしまうような夕べ情景醸し出される。「Sehr innig zu spielen」とは「非常に心から弾くこと」という指示で、シューマン多くドイツ人のようにとても夕暮れ時を愛していたことの表れいえよう

幻想小曲集  2.「飛翔」 / Phantasiestuke op.12-2 "Aufschwung"
 力強い冒頭主題や、次の長調転じて現れる軽やかな主題が、 想像力幻想力の自由で力強い飛翔感じさせる単独でも頻繁に演奏されている。

幻想小曲集  3.「なぜ」 / Phantasiestuke op.12-3 "Warum"
 第3曲であるこの曲では冒頭から属7の和声はじまり、切ない疑問投げかけるようである。しかし呼応する内声は力なくその終わり待たず次の問いかけがはじまる。情熱的な心の叫びというよりはため息と共に自分内面切々と問い掛けるような1曲である。


幻想小曲集  4.「気まぐれ」 / Phantasiestuke op.12-4 "Grillen"
 第4曲のこの曲の指示は「Mit Humorユーモア持って)」だが、ドイツ人ユーモアとは独特である。他人意識したというよりは、あまりにも真面目すぎることから醸し出されるある種滑稽といえるだろうか三部形式冒頭部2つ主題からなり、はじめは大真面目重々しい和音進行次の部分では上声流れ旋律に対して不器用な和音を伴うリズムチャチャをいれるようである。中間部どことなくはっきりしない二度音程行き来で他の曲にも多いが内面問い掛けるように進み標題どおり気分ころころ移り変わる様がおもしろい1曲である。


幻想小曲集  5.「夜に」 / Phantasiestuke op.12-5 "In der Nacht"
 終始一貫して16分音符がうねるように流れ続けて強い緊張感生み出し静かな夜ではなく、嵐の夜、もしくは悪夢うなされているような印象である。三部形式冒頭部分では減7の和音多くあらわれ中間部では長調転じ一見落ち着いたかに思えるが、伴奏部分にはやはり緊張感醸し出す短二度音程非和声音として使われている。曲集中最も長く、おそらく全体としての5曲目という配置だと思われる


幻想小曲集  6.「寓話」 /Phantasiestuke op.12-6 "Fabel"
 寓話とは少々分かりにくい邦題だが、要する現実の話ではない「おとぎ話」のことである。これもまた三部形式である。何ともシンプルな小節メロディーはこれまたハ長調で、非常に無垢純真な印象与える。対す十六分音符モチーフでは要所弱拍アクセント与えてあり、無邪気にはずむ子供のように思える中間部短調になり和音連打からメロディー生まれ出る左右上向するパッセージはどこか掴みどころがなく、やはりこれは「寓話だったんだと思わせられる

幻想小曲集  7.「夢のもつれ」 / Phantasiestuke op.12-7 "Traumes Wirren"
 8曲からなる幻想小曲集」の第7曲収められているもので、1837年書かれている明るく軽やかで、練習曲風の性格の曲。中間部和音奏でられるが、それ以外部分16分音符の細かい音型で貫かれている。
 技術的には、右手の4と5の指を交互に動かす箇所が非常に多く弾きにくいことこの上ないこのため「夢のもつれ」というタイトルを「指のもつれ」などと皮肉って呼ばれることすらある。それでも、鮮やかに夢が交錯する魅力的な曲なので、単独で採り上げて演奏される機会のとても多い曲である。

幻想小曲集  8.「歌の終わり」 / Phantasiestuke op.12-8 "Ende vom Lied"
 技巧的要素強く感じられる前曲とは対照的に、この曲は終始旋律的であり、また、和音によるシンフォニック音響支えられている。半音進行印象的な中間部経て再現してのち、曲は終ったかに感じるが、その後にやや長いコーダが続く。弱音回想的にテーマ奏でられ眠りにつくように、静かに曲を閉じる。



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