H-II
名称:H-II
打ち上げ国名・機関:日本/宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
開発機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
運用機関・会社:宇宙開発事業団(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げ基地:種子島宇宙センター(TNSC)
運用開始年:1994年
運用終了年:1999年
H-IIロケットは、2t級の静止衛星を打ち上げることができる2段式ロケットです。2本の大型固体ロケットブースター(SRB)を備えています。1982年から開発がスタートし、1994年に最初の打ち上げがおこなわれました。
このロケットの第1段には、液体酸素と液体水素を推進薬とした、液体ロケットLE-7エンジンをのせています。第2段にはH-IIロケットの第2段エンジンLE-5を性能向上させたLE-5Aエンジンをのせています。
また、H-IIロケットは柔軟な打上げ能力を持っていて、2tの探査機の衛星を静止軌道に打ち上げられるほか、1tなら同時に2帰低高度軌道なら10t、火星や金星などへの惑星探査機なら2tの探査機を打ち上げられます。
誘導方式はリング・レーザー・ジャイロ(レーザー光を使ったジャイロ)と、慣性誘導計算機を使ったストラップダウン慣性誘導システムを採用しており、ロケットの飛行位置や速度を常に計算しています。これにより地上からの遠隔操作ではなく、ロケット自体が自動的に誤差を修正しながら、目的の軌道を飛行することができます。
H-IIは運用終了までに、7回打ち上げられました。
1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
2段式。
全長50m〔第1段35m、第2段11m、衛星フェアリング12m〕。
外径4m。
全備重量260t(人工衛星の重さは含みません)。
推力は、第1段86t、固体ロケットブースター2本分316t、第2段12t。
約2tの静止衛星を打ち上げる能力があります。
フェアリングのタイプ
1.4S型フェアリング(H-II・2F使用型)
2.5/4D型フェアリング(H-II・3F使用型)
3.5S型フェアリング(H-II・4F使用型)
4.4/4D型フェアリング(H-II・6F使用型)
(1)のフェアリング部分はのせる衛星に合せて、右の図のようにいくつかのタイプが用意されていて、フレキシブルな運用が可能になっています。
2.打ち上げや飛行の順序は、どうなっているの?
まず第1段がリフトオフの6秒前に点火し、リフトオフと同時に固体ロケットブースター(SRB)を点火します。SRBは93秒間の燃焼ののち、99秒後に分離します。226秒後に衛星フェアリングを分離します。第1段ロケットは345秒後に燃焼が停止し、356秒後に分離します。362秒後に第2段ロケットの第1回点火、1484秒に第2段ロケットの第2回点火がおこなわれ、衛星を静止トランスファ軌道に投入します。
3.どんなものを打ち上げたの?
りゅうせい、みょうじょう、きく6号、宇宙実験・観測フリーフライヤ(SFU)、ひまわり5号、みどり、ふじ3号、おりひめ・ひこぼし、TRMM、かけはし、MTSAT。
4.どのくらい成功しているの?
1999年11月までに7回の打上げがおこなわれ、うち5回成功しています。H-IIロケット5号機の打ち上げでは、第2段エンジンの不具合により、通信放送技術衛星「かけはし」を所定の軌道に投入することができませんでした。また、H-IIロケット8号機の打ち上げでは、ロケットがフライトを成功する見込みがないとの判断から、指令破壊がおこなわれました。
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