E.本田とは? わかりやすく解説

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エドモンド本田

(E.本田 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/28 02:58 UTC 版)

エドモンド本田
ストリートファイターのキャラクター
ゲームでの初登場 ストリートファイターII
演者 #キャストを参照
#キャストを参照
詳細情報
職業 力士(V)
格闘スタイル
  • ジャパニーズスモウレスラー(IV、V[1]
  • 相撲(CVS)
出身 日本
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エドモンド本田(エドモンドほんだ、Edmond Honda)は、カプコン対戦型格闘ゲームストリートファイター』シリーズに登場する架空の人物。ゲーム内ではE.本田(E.HONDA)やE・ホンダと表記される。

キャラクターの設定

ストリートファイターII』(以下『ストII』)のプレイヤーキャラクターとして初登場した日本代表の力士。番付は大関張出)。相撲の素晴らしさを世界に広めようとストリートファイトの旅に出る。

赤いまわしの上に青い縦縞の浴衣を身に着け、闘うときは上半身をはだけた姿になる。顔に施された隈取りや、勝利時に見せる歌舞伎の演技を取り込んだ決めポーズ(飛び六方など)は日本文化を知ってもらおうという本田のアイディアによるもの。『ストリートファイターZERO2』のソドムのエンディングに登場する本田は土俵の上でも隈取りをしていた。『ストリートファイターIV』(以下『ストIV』と表記)の家庭用版アニメーションでは素顔で取組を行う本田を見ることができる。浴衣と隈取りは『ストII』で本田をデザインしたERICHANによると、アートディレクターのあきまんの「普通の相撲取りだとさびしいので何か考えて」という指示で作ったものであり、海外でストリートファイトをするときに身分を隠して戦うのに日本をアピールする歌舞伎の隈取りがいいということで、正義のヒーロー「」のメイクを参考にしている[2]

頭の大銀杏(髷)は硬くセットされており、頭突きなどをしても乱れることはない。『ストII』シリーズや『ストリートファイターZERO3』(以下『ZERO3』)でブランカの電撃を受けた時に髷の中に骨が描写されており、この骨は『ストIV』でキャラクターがポリゴンモデル化された際にも再現されている[3]。ゲーム雑誌『ゲーメスト』では「髷の中には頭突きの威力を上げるためにフライドチキンの骨を仕込んでいる[4]」と説明されたが、ERICHANによると「相撲取りの心意気」であり、頭突きを多用したために拳ダコのように骨が生えたというイメージだという[5]

ホームステージは土俵。『ストII』シリーズでは銭湯の中に作った土俵[注 1]で、『ZERO3』では銭湯前に土俵がある。

『スーパーストリートファイターIIX』(以下『スパIIX』)での登場を最後に『ZERO3』で再登場するまで約4年間のブランクがあったが、その間もカプコン格闘ゲームの名物キャラクターとして背景や他キャラクターのエンディングなどに登場していた(本人が登場するもののほか、「カプコン湯」「本田湯」という名の銭湯など、間接的に本田を連想させるものもある)。

ストリートファイターV』(以下『ストV』)ではアレックスのストーリーモードに火引弾ハカンと共にコピーファイターで登場する。ハカンと共にアレックスに襲い掛かるがアッパー一発で吹き飛ばされる。『ストV』では「登場キャラクターの国籍の偏りを軽減したい」という理由があり、『ストII』初出のキャラクターの中で唯一プレイアブルキャラクターになっていなかった[6]。だが『ストリートファイターV アーケードエディション』(以下『ストV AE』)のシーズン4にてルシアポイズンと同時にプレイアブルキャラクターとして2019年8月5日に配信された。

あきまんによると、映画『ティファニーで朝食を』に登場する日系人のユニオシや、テクモアーケードゲーム忍者龍剣伝』に登場する相撲取りのような、勘違いした日本文化をイメージしているという[7]

『ストII』開発中の名前は「E・鈴木」[8](エドモンズ.鈴木[9])。『ストII』では各国人のステレオタイプを強調したキャラクターデザインがなされており、日本人の典型的な名前ということで鈴木や田中が考えられていたが、欧米で知られているということで「本田」となった[10]

人物

豪放でさっぱりした性格で、一人称は「わし」、口調は「〜でごわす」。本田の型破りなスタイルは角界からはあまり良い目では見られていなかった(実力的には横綱になれる器だが、番付が張出大関のままなのはこれが原因)。だが、本田自身は相撲のことをこよなく愛しており、人々にもっと相撲のことを好きになってもらいたいと考えている。『ストII』ではある日突然「ワールドに相撲の素晴らしさを認めてもらおう」と思い立ち、世界巡業と称してストリートファイトの旅に出る。

『ストIV』でもその想いが爆発し、仲間力士たちの制止を振り切って、相撲を「わあるどわいど」にするべく再び世界格闘大会への参加を表明する。同作のエンディングでは、日本に帰国した際に報道陣から格闘大会の出場期間中に行われていた取組を放棄していたことについての責任を追及されるが、当の本田は休んだ取組を一度にこなすとともに「次は相撲をオリンピック競技にする」と新たな野望に燃えていた。

『ストV AE』では銭湯の文化を広めるために一役買っており、『ストII』の本田ステージが「本田湯」として登場している。自身のストーリーモードでは髪をまとめないまま湯船に入ろうとするララに「湯船に入る前は長い髪をまとめるのがマナー」、竜巻を起こして体を乾かそうとしたラシードに「風呂から出たらきちんと体を拭く」、シャワーを滝行替わりに使うリュウに「シャワーで修行はやめて、りらっーくす!」と笑顔で注意している。他にもストーリーモードにはメナト、ジュリいぶきレインボー・ミカが銭湯の客として登場している。

朝稽古が毎日の恒例となっており、その際の騒音が近所迷惑になっていた。『ストII』で本田が日本国外へ旅立った際、住人はこれで安眠できると思っていたが、毎日弟子たちに大音量で国際電話をかけていたため、以前とそれほど変わらなかった。

ウルトラストリートファイターII』(以下『ウルII』)では、最終的な目標は「相撲の技と通して心と体の融和を図ること」そして「毎日ちゃんこを食べること」だと語っている。

東駒形にある銭湯「加富根湯(かぷこんゆ)」の主人には昔から世話になっていた。同銭湯が経営難に陥った際、再建に協力できないだろうかと考えた結果、銭湯の前に作った土俵でストリートファイトを行い集客を行うなど心優しい一面も持っている。

日本国内での知名度は高く、さくらなどは本田が本場所の取組を放り出して格闘大会に出場したことをニュースで知っており、帰国の際にも多数の報道陣が待ち構えていたことから、良くも悪くも世間を騒がせていることが窺える。

好物にちゃんこ鍋、特技に鍋奉行とあるようにちゃんこ鍋に対する思い入れが強く、料理人で究極の料理を求めているエル・フォルテにもちゃんこ鍋を強く薦めている。

『ZERO3』のザンギエフのエンディングでは、麻薬や兵器を売りさばく悪い奴を退治するという目的でシャドルーの基地に単独潜入しており、偶然出会ったザンギエフと協力してサイコドライブを破壊し、互いに意気投合した。また面倒見の良い性格で、『ZERO3』の本人のエンディングではベガの洗脳から解放されたものの記憶を無くして行き場を失っていたベガ親衛隊のメンバーたちを引き取り、稽古をつけさせながら面倒を見ている。

他のメディアでの本田

アニメ映画ストリートファイターII MOVIE』では、賭け試合でダルシムと対決し、その後にリュウと知り合う。日本の武道家同士として彼の旅に付き合い、リュウやガイルと共にシャドルーとの最終決戦に参加するなど出番が多い。ダルシム戦では彼の術に苦戦し敗北寸前だったが、リュウの登場で逆転勝利を収める(ダルシムがギブアップを宣言)。最終決戦ではマイク・バイソンと戦い、揉み合いながら共に崖から転落する。しかしほとんど傷を負わず、リュウとケンベガを倒した直後にバイソンとガイルを抱えて這い上がってきた。ゲームとは違い、少々荒っぽい口調で話す。

実写映画『ストリートファイター』では、本田自体のプロフィールが異なっている(詳細はリンク先を参照)。

歴史紹介アニメ『よみがえる藤原京』では、厳しい修行の末に会得した新必殺技を披露するためにリュウ、ケン、春麗の3人を奈良に招集するが、本田があることをしたのがきっかけで大変なことが起こる。

神崎将臣の漫画『ストリートファイターII-RYU』では春麗と対戦。一進一退の攻防の末、お互いに敬意を持つ。春麗を捕らえてさば折りを仕掛け、ギブアップか絞め落とす寸前まで追い込んだが、彼女の胸に顔を埋めて油断する。それに気付いて激怒した春麗が反撃を開始、脳天へのひじ撃ちで脱出を許す。さらに百烈脚と流星落を受けて逆転負けを喫した。

橋口隆志の漫画『ストII爆笑!!4コマギャグ外伝』では、UFOが彼を持ち上げることができないほど重く、鉄道のホームにて白線より下がっていても腹が電車の車体に当たるなど、太っていることがしばしばギャグのネタとなっている。美貌のバルログに惚れているオカマのような描写もなされた他、自ステージの銭湯を相手のファイターにしばしば破壊され、その都度修理代を請求していた。

伊藤真美の漫画『SUPER STREET FIGHTER II X 外伝』の「第八話:闘いの先に見えざる者」では、本田の古い友人で柔道48kg以下級の優勝歴を持つ体育大生・梁瀬恵子[注 2]が異種格闘技戦に参戦するのを止めるため、ケンにエキジビションマッチを挑んでいる。

雑誌『ゲーメスト』(新声社)や同社書籍『ストII 波動拳の謎』の記事などでは、本田の設定として、相撲界に麻薬が蔓延してるとして、対策のため捜査に派遣された男が麻薬の出所を探っているうちにシャドルーの存在をつきとめ、潜入調査のためにシャドルーの主催する格闘大会に、偽名のエドモンド・本田を使って参加しているとされる。

その他

  • 『ストII』シリーズでは、『スパIIX』に至るまで一度もエンディングのグラフィックに変更が加えられなかった唯一のキャラクター(『スパIIX』以降のノーコンティニュークリアでの追加一枚絵は除く)。また、初期の『ストII』シリーズでは勝利した時のメッセージが最も多い。
  • ストリートファイターEX』シリーズでは、初代『ストII』からの使用キャラクターの中で唯一登場しておらず、同じく未登場のバイソン(クラッカー・ジャックが性能を継承)とは違い本田の性能を引き継いだキャラクターも存在しない。さらにGB版『ストII』でもダルシムと共に出番が無かった(GB版では削られた2人の代わりにバイソン、サガット、ベガが使用可能になっている)。
  • 大相撲の力士を茶化しているとも取れるキャラクターであったため、大相撲の本場所が行われる両国国技館で開催されたSFC版『ストリートファイターIIターボ』の全国大会では会場を飾るキャラクターのバルーンのうち、本田のバルーンだけが除外されていた。また、ステージ出演者による本田のコスプレを見合わせる配慮もなされた。しかし、2015年にJRA日本相撲協会・カプコンの3団体が共同企画したブラウザゲーム『ジャパンスモウカップ』では本田が登場しており、白鵬日馬富士鶴竜といった当時の横綱3人との競演が実現している[11]。ゲーム中で鶴竜が使用する「ぶちかましブースト」は本田の「スーパー頭突き」が元ネタであると説明されている。
  • 本田をデザインしたのはカプコンの女性社員「ERICHAN」であり、彼女はゲーム中に登場する春麗の声も担当していた。モデルとなった人物は千代の富士であると後に別の開発担当者が語っている。
  • 『ゲーメスト』編集による『ストII』のその後を描いた『FAREWELL FIGHTERS』では横綱レスラースポーツ冒険家となっている。また、ちゃんこ料理店「どすこい亭」を経営しているようで、世界的に進出している[12]
  • エドモンド本田の「エドモンド」は「江戸主水」と漢字表記されることがある[13]
  • モンスターストライク』では通常と進化時の属性は「火」設定である[14]

主な登場作品

キャスト

ゲーム作品での担当声優
  • 菅原正志(『ZERO3』、『CAPCOM VS. SNK』シリーズ)
  • 永野善一(『ストIV』シリーズ以降の関連作品全般)
関連作品での担当声優
  • 郷里大輔(劇場アニメ『ストリートファイターII MOVIE』、『ストリートファイターII〜よみがえる藤原京〜 ロマントピア藤原京'95』)
  • 福田信昭(実写映画『ストリートファイター』日本語吹き替えテレビ版)
  • 安西正弘(実写映画『ストリートファイター』日本語吹き替えソフト版)
俳優
  • ピーター・ネイビー・トゥイアソソポ(実写映画『ストリートファイター』)

脚注

注釈

  1. ^ 勝負が決まれば壁面の電飾が灯る。
  2. ^ この漫画のあとがきにおいて、このキャラクターの名前は『II』の「朝の稽古より楽勝でごわす!!」の勝ちメッセージが由来かと友人から質問されているが、この質問に対して伊藤は笑ってしまったとしか記載されていないため、不明。

出典

  1. ^ イーカプコン限定特典「ストリートファイターV チャンピオンエディション スタイルガイド」164頁。
  2. ^ 『ストリートファイター キャラクターメイキング』カプコン、2018年11月25日、220-221頁。ISBN 978-4-86246-432-3 
  3. ^ スパIV・公式ブログ『第二回』
  4. ^ 月刊ゲーメスト10月号増刊『ストリートファイターII』15頁。
  5. ^ 『ストリートファイター キャラクターメイキング』カプコン、2018年11月25日、224頁。 ISBN 978-4-86246-432-3 
  6. ^ 『ストリートファイター キャラクターメイキング』カプコン、2018年11月25日、14頁。 ISBN 978-4-86246-432-3 
  7. ^ 『ストリートファイター メモリアル・アーカイブ Beyond the World』2018年3月24日、アスキー・メディアワークス、105頁。
  8. ^ 『月刊ゲーメスト10月号増刊 ストリートファイターII』新声社、1991年10月1日、83頁。 
  9. ^ 『ストリートファイター 俺より強いやつらの世界展』西日本新聞イベントサービス、2020年3月14日、66頁。 
  10. ^ 『月刊ゲーメスト10月号増刊 ストリートファイターII』新声社、1991年10月1日、88頁。 
  11. ^ ファン待望の日本スモウダービー第二弾は、「ストリートファイター」とコラボ! 白鵬ら現役横綱とリュウやエドモンド本田が奇跡の共演! 最強の競馬レースゲーム「ジャパンスモウカップ」開催、PRTIMES(日本中央競馬会)、2015年11月22日 11時00分。
  12. ^ 月刊ゲーメスト増刊『ストリートファイターIIダッシュ』27頁。
  13. ^ 『ストリートファイター アートワークス 覇』などより。
  14. ^ a b 宝島社『モンスターストライク最強攻略BOOK5』75頁。
  15. ^ Vジャンプ、2015年9月号『モンスターストライク×ウルトラストリートファイターIV 開催期間2015年7月17日〜2015年7月31日』210-211頁。

参考文献




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