火引弾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/28 08:16 UTC 版)
火引 弾 | |
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ストリートファイターのキャラクター | |
ゲームでの初登場 | ストリートファイターZERO |
声 | #担当声優を参照 |
詳細情報 | |
愛称 | ダン |
肩書き | サイキョー流師範(『V』) |
格闘スタイル |
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家族 | 火引強(父) 火引百合子(妹) |
出身 | ![]() |
火引 弾(ひびき だん)は、カプコンの対戦型格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズに登場する架空の人物。ゲーム内ではダン (Dan) と表記される。
概要
『ストリートファイターZERO』(以下『ZERO』)にて、隠しキャラクターとして初登場。隠しキャラクターは一般的に強く設定されることが多いが、ダンは弱く設定されていることが最大の特徴である。
シリーズの主人公であるリュウ、ケンと同じく剛拳(ゴウケン)に師事していたことがあり、立場的には彼らの兄弟子にあたる。そのため使用する技も彼らに似ているが、ダンは修行の途中で剛拳に破門されており、自身が考案した我流格闘術「サイキョー流」を用いているため、実力は中途半端。
中平正彦の漫画作品である『ストリートファイターZERO』および『さくらがんばる!』での設定がゲーム本編に取り入れられ、春日野さくらやブランカとは関係の深いキャラクターとなっている。
キャラクター設定
香港在住の日系人。父親の火引強も格闘家だったが、ムエタイの帝王サガットとの試合に敗北して命を落とす(その際、強はサガットの片目を奪っている)。それ以来ダンはサガットを父の敵として追い続けている。それと同時に、独自に編み出した格闘術「サイキョー流」を世に広めるべく、弟子集めと道場開設のため世界を駆け回っている。
シリアスなバックストーリーを持つ一方で、『ストリートファイターZERO2』(以下『ZERO2』)以降の作品では、実力の割には自信ばかりが高いコミカルなキャラクターとして位置づけられている。
父の死後、リュウ、ケンの師である剛拳のもとで修行をしていたが、サガットへの憎しみを看破されて破門された。本来なら拳を封じるところを剛拳は踏み止まり、「拳は捨てよ」とだけ告げている。リュウたちの入門はその後になるため面識はなく『ZERO2』ではケンに「俺と似たような技を使うとは何様のつもりだ?」と啖呵を切っているが、『ストリートファイターIV』(以下『ストIV』)の時代ではダンは互いの関係を知っていた[注 1]。竜巻旋風脚は使えず、我道拳や晃龍拳が技として不完全なのも修行途中で破門されたことが理由[1]。『STREET FIGHTER 暗殺拳』では、暗殺拳を習った者たちの名札に弾の名前が残されている。
濃い茶色の髪を後ろで束ね垂らしている。ピンク色など変わった色の道着を着る理由はファッションセンスがないためとされている[2]。なお、リュウやケンと異なり上着の下に黒いアンダーシャツも着ており、『ZERO3』にてこの衣装は亡き父の格好を真似たものと設定されている。『ストリートファイターV』(以下『ストV』)公式サイト「シャドルー格闘家研究所」内の「キャラ図鑑」のイラストでは、道着の上半身を脱ぎ黒いアンダーシャツ姿になっている。
『ZERO』のキャラクターセレクト時の顔はスティーヴン・セガールをイメージして描かれている[2]。
人物像
勘違いに近いほどの自信家であり、自惚れが強い性格(ただし、ベクトルは間違っていても努力は怠っていない)。実力に伴わない大きな態度から、他の登場人物からは呆れられることも多く、初登場作品となる『ZERO』のエンディングにおいてもベガから「バカさ加減も最強」と皮肉られている。一方、前向きで威勢の良い性格と捉えられることもあり、『CAPCOM VS. SNK』シリーズではロレントからその点を評価された。
『ZERO3』以降は春日野さくらの師匠を自称しているが、実際には技のコツをレクチャーした程度の間柄である。ブランカとは親友であり、彼のことを本名の「ジミー」と呼ぶ。他人には咆哮としかとれないブランカの言葉(『さくらがんばる!』と『ZERO3』でのブランカは普通に喋れない)を理解できる。多言語話者であり、日本語、英語、タイ語、広東語に堪能な上、フランス語、ロシア語もいくらか理解できることから、さくらからは通訳としても頼られている。『ZERO3』ではブランカのピンチにさくらを連れて助太刀に現れるシーンがある。
『さくらがんばる!』ではあっさり倒されるなど三枚目な扱いも多かったが、ストリートファイターとしての心得を訓示したり、手がかりのほとんどない海外の旅での案内人になったりと、頼れる先輩ファイターとして描かれており、ゲーム本編とは違った硬派な面を見せている。肉体的な耐久力が相当に高いようで、一方的にやられながらもケンを辟易させ「神龍拳」を受けて敗れたが、直後のケンの闘いに文句をつけながら観戦していた。ケンとの対戦を見た神月家の執事・柴崎も「何というタフネスぶり、評価を改めなければ」と驚いていた。
『ZERO』と『ZERO2』では父を死に追いやったサガットへの復讐に燃えているが、『ZERO3』における自身のストーリーはサガットを倒した後となっており、彼と会った際にはこれまでとは一転してサイキョー流入門を勧めるという器量を見せている。一方でサガットのストーリーではいまだに父の敵討ちに燃えており彼に挑戦している。
『ストリートファイターII』で行われた世界格闘大会には参加していないが、これについては「電話代を払っていなかったため大会の開催を知らなかった」とされている。『ストIV』シリーズではサイキョー流を世界に広めるため、さくらとブランカを引き連れて格闘大会に参加する。また同作では「ママのために偉くなりたい」と相談に訪れたブランカに世界格闘大会への出場を提案している。
『ストIV』では生え際が後退していたり(勝利メッセージ時に髪を気にするセリフあり)、恰幅が良くなっていたりと外見に変化が見られるものの、格闘家としては現役である。『ZERO』シリーズでは相手を罵倒するようなコメントが目立っていたが、『ストIV』シリーズでは生活が苦しいまことに対して親身に接したり、ファンの多いザンギエフを羨ましがったりとより人間味溢れる描写がなされている。また、自身の道場をテレビコマーシャルで宣伝(ただし、道場の住所を載せなかったため効果はゼロであった)したり、自身のブランドで格闘技用品や洗剤を販売するなど、生活のためのサイドビジネスにおいて商才の片鱗を見せている。
『ストV』ではアレックスのストーリーモードでシャドルーのコピーファイターの一体として登場するが、アレックスがフラッシュチョップ一発で倒すと四天王のファンに「さすがにこの程度では話にならないか」と言われてしまう。また、ラシードのストーリーモードでは「IamSaikyo」という名前でSNSに「電話代を払った」と投稿している。
『ポケットファイター』では道場を開くため、自分より弱くて最初の弟子に相応しいとしてさくらに目をつける。エンディングでは彼女を弟子にし、技を全部マスターされるが「ダサいしカッコ悪いし使えない」という理由で逃げられる。アメコミ版でもさくらの師匠となるが、すぐ追い越される三流格闘家として悪い扱いを受けている。端役であり、リュウたちとの関連性は描かれていない。
落ち物パズル『スーパーパズルファイターIIX』においては「サイキョー流パズル道場」でゲームの案内役を務めている。同作品の隠しキャラクターとしても登場しているが、攻撃パターンがゲーム中で最弱の赤一色、攻撃アクションが全て相手に攻撃を行わない挑発になっている、最終ステージで豪鬼に叩きのめされる、勝利画面のグラフィックが一人だけ非常に小さく描かれている、ニュートラルの構えが常に笑顔など、『ZERO』シリーズ以上にコミカルなギャグキャラクターとしての側面が強調されている。この路線は『ポケットファイター』にも引き継がれている。
OVA『ストリートファイターZERO - THE ANIMATION - 』ではバルログに切り裂かれたり、バトルロイヤルでは張り切って飛び出てバーディーに挑発して「我道拳」を放つが目の前で消え、少しの静寂の後、鎖で絞め上げられたりと、扱いが悪い。
サイキョー流
ダンが使用する我流の格闘技。漢字表記は「最強流」だが、基本的にカタカナで表記。
剛拳の教えを基にダンなりの改良を加えたものだが、「挑発を重視した格闘スタイル」など技の錬度や実用性に関しては胡散臭い部分が多い。『CAPCOM VS. SNK』シリーズではガイルから「素質を無駄にするスタイル」、鑑恭介からは「そんな格闘技は聞いたことがない」と言われている。
『ZERO』の時点ではサイキョー流の名は存在せず、『ZERO2』のエンディングでサガットを倒し自分が最強と確信したダンが開いた流派となっている。故郷である香港に道場が置かれ、弟子もそれなりに集まっている[3]。『ZERO3』以降では交流の深いさくらやブランカもサイキョー流一派だと強引にダンは考えているが、当人たちは否定している。
『ストIV』シリーズでは知名度が低いため、入門志願者や門下生はほとんどいない。その結果、師範であるダン自身が広告塔となり、自らサイキョー流の強さを証明することで弟子集めに奔走することになる。また、「サイキョー流道場」を開くも資金繰りに苦労している様子が自身やブランカのエピソードで語られている。本編では語られていないが、かつて世界を回り、様々な人物と交流したダンの経験から製造業にも着手するようになったという裏設定が存在し[4]、スポーツウェアやスパーリング用のボディアーマーなどの格闘技用品のほかに、果ては洗濯用洗剤にまで「サイキョー流ブランド」の商品を開発している。『スーパーストリートファイターIV』(以下『スパIV』)のアーケードモードでは深夜帯とはいえ、テレビCMを放映することにも成功しており、入門者に「サイキョー流Tシャツ」と高枝切りバサミを配っている。『ストIV』公式サイト内でも初心者向け講座としてダンを師範に据えたサイキョー流道場が開設されている。
カプコンの3D格闘ゲーム『ジャスティス学園』シリーズでは通信教育業界にも進出しており、『私立ジャスティス学園 熱血青春日記2』において登場人物の一人が「ケン・マスターズ格闘術」とともに「サイキョ〜流格闘術」の名前を挙げている。
開発者の声
「中途半端なヤツ」
ダンは意図的に弱いキャラクターとして作られている。カプコンの船水は「どのキャラクターも尖った部分が必要で、ダンの場合は『弱い』ことで尖らせている。マニアックな人が使って苦労して勝つ、そんな遊びもあっていいのではないか」としている[5]。『ZERO』のダンの開発者は、「ダンのコンセプトは“中途半端なヤツ”です。しゃがみガード崩しはないし、我道拳は少ししか飛びません。ダンで連勝を続けるのは大変ですが、断空脚をメインに、ガンバって勝ち抜いてください」と述べている[6]。
一服の清涼剤として
開発者の一人である船水紀孝によると、ダンはバランス調整が楽であり、どんなに弱くともダンでプレーしてくれる人がいるし、強くしたらダメだから強くしないように注意すればいいだけであったという。船水は「負け抜けの入れ替わりで対戦しているときに、1人が勝ち続ける場合ってあるじゃないですか。ずーっと連勝していると、20連勝ぐらいから、ワイワイとやっていたのが、急にシーンとしはじめて、だんだんまわりの雰囲気が堅くなってくる、『あいつあんな単調な攻めばかりしやがって』とか言って急に座らなくなったりする、そういうときにダンが入ると、急になごむんです(笑)。毛がクーっと逆立っていたのが、笑った顔になって。入るほうは、ダンだったら負けてもかまわないって挑むじゃないですか。で、ヘタに入られた側が負けたりなんかすると、これが妙に盛り上がったり(笑)。その「すごく場がなごむ」っていう効果を考えると、ダンを入れてよかったなぁってつくづく思いますね。ボクら開発陣の息抜きって考えていただければ(笑)」と語っている[7]。
挑発
ダンの特徴のひとつに「挑発」がある。『ZERO』シリーズでは原則として1ラウンドに1回だけ相手を挑発できるが、ダンのみは無制限に挑発が使用可能。また直立状態・しゃがみ状態・ジャンプ中でそれぞれ違った挑発行動となる上、必殺技やスーパーコンボにも挑発が用意されている。
ゲーメストムックでのインタビューにおいて、「『ZERO2』のダンは挑発の時に『ウォンチュー』と言っているように聞こえますが、なんと言っているのでしょうか?」の問いに対して、企画担当の村田治生は「『ラクショー』です」と答えている[8]。
ダンの挑発が無制限に出せることについて、開発者は「このほうがダンらしいと思ったからです」と述べている[9]。
道着の色
ダンの道着の色については、開発者の一人である伊津野英昭によると「一番弱そうな色は」とデザイナーに聞かれた際、「ピンクと抹茶では」と返答したため、その色が1Pカラー、2Pカラーとして採用されている[10]。ピンク色の道着については、ダンが登場する他のゲームや、漫画・アニメなどの派生作品でも道着の色として採用されている。
SNK作品との関連
ダンのキャラクター設定はSNKの格闘ゲーム『龍虎の拳』(以下『龍虎』)のパロディになっていて、外見や各種の必殺技なども『龍虎』の主人公リョウ・サカザキとロバート・ガルシアを足して割ったような姿に作られている。このようなパロディを行った理由として、開発者のインタビュー[5]では「他社のゲームに、苦労して作った(キャラクターのアニメーション)パターン(=リュウとケン)をそっくり真似られた」ことを挙げている。これに立腹した開発者の一人が、「『真似をするな』との意味を込めて、おちょくりキャラとして」作らせてください、と船水に進言したとしている。「二流格闘家」というコンセプト自体は現在の形になる以前から決まっていた[11]。
『Street Fighter Alpha』シリーズ(日本国外版『ZERO』シリーズ)では、ゲーム内でのダンの台詞やダンに向けられた台詞に「Art of Fighting」(『龍虎』の英題)や「King of Fighters」といった言葉がいくつか含まれており、SNK作品との関連をさらに濃く示している。
CAPCOMとSNKとのクロスオーバーシリーズにおいて、リョウ・サカザキ本人からは「ニセモノ野郎」と呼ばれ、リョウ以外のSNKのキャラクターからはロバート・ガルシアと間違われている。
ダンの父親の強が当初は天狗のような顔をしていると設定されていたのも、初代『龍虎』に登場する天狗の面を被ったキャラクター・Mr.カラテのパロディである。Mr.カラテの正体はリョウの父親であるタクマ・サカザキが変装した姿。ゴウの初出は『ストリートファイターZERO』の設定画で、後の『ポケットファイター』でもこの姿で登場している。『ZERO』設定画で公表された際に「鼻が極端に大きい」「耳紐がついている」などMr.カラテ同様に仮面をつけているように描かれたが、『ZERO2』設定画で再び公表され「素顔である」と明記された(鼻は自前であり、耳紐のような物は白髪およびホクロであるという)。ただし、『ストV』以降は素顔の設定が変更されている。
『マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター』では、ダンのエンディングは初代『龍虎』のエンディングをパロディにしており、最終ボスである「メカ豪鬼」を倒そうとした瞬間、ダンに似た髪型でセーラー服を着ているダンの妹が現れ「お兄ちゃん、やめて!! その人は、その人は私たちの…!!」ときて「END」と締めくくられる。『頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM』(以下『頂上決戦 最強ファイターズ』と表記)ではこの設定を基にして、リョウとタッグ組むと「やめて! おにいちゃんズ」とタッグ名がつき、エンディングではリョウとの会話後に妹について言及している。この妹は後に名前が「百合子」と設定された(家族の節を参照)。
『CAPCOM VS. SNK』シリーズでは『PRO』と『CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001』(以下『CAPCOM VS. SNK 2』)において、『餓狼伝説』のキャラクターであるジョー・ヒガシと同時に登場しており、対とされている描写がある。同シリーズ第1作『カプコン バーサス エス・エヌ・ケイ ミレニアムファイト 2000』のエンディングではミレニアムファイト第一回大会の優勝者として、この2人が登場している。『CAPCOM VS. SNK 2』では藤堂竜白からは「根性がある」と評価され、藤堂がメインの掛け合いではダンは「苦労が報われて良かった」と褒めている。
『頂上決戦 最強ファイターズ』では、ライバルキャラクターとしてリョウが設定されており、またユリ・サカザキともラウンド開始前に掛け合いが発生する。
SNKプレイモアの『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』(以下『SVC CHAOS』)ではさらに露骨な技のコピーが見られるほか、対戦前会話デモでMr.カラテを自分の父のニセモノ呼ばわりしている。また、ダンがデミトリ・マキシモフから「ミッドナイトブリス」を食らって女体化すると、私服の百合子に似た姿に変身する。エンディングでは、最終ボスがレッドアリーマーの場合は地獄で魔物たち相手に稽古をつけ、アテナの場合は天国でアテナと神様相手に稽古をつける。
初心者のサポート役
落ち物パズル『スーパーパズルファイターIIX』において「サイキョー流パズル道場」でゲームの案内役を務めて以来、ダンが指南役として登場する作品が複数存在する。スマートフォンアプリ『ストリートファイターIV』と『ストリートファイターIV道場』、『ストリートファイター X 鉄拳』と『ストV』ではチュートリアルやトライアルに登場する。プレイヤーに作品の動作の基本や用語の説明を行い、トライアルがクリアできなかった場合にはコツを教える。『ストV』ではショップで販売されるキャラクター、コスチューム、ステージの説明を機械的な文章ではなく親しみやすい人間味の溢れたダンなりの文章で紹介している。
家族
火引強
火引強 | |
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ゲームでの初登場 | ポケットファイター(サブキャラクター) |
詳細情報 | |
格闘スタイル | 喧嘩殺法・無頼拳 |
子供 | 火引弾(息子) 火引百合子(娘) |
出身 | ![]() |
火引 強(ひびき ごう)は、ダンの父親。かつてサガットとの戦いで命を落とし、『ZERO』の時点で既に故人となっている。ダンが初登場した『ZERO』の時点で設定画が存在し、『ZERO2』の時点では天狗のような顔が素顔とされていた(SNK作品との関連の節を参照)。『ポケットファイター』でゲーム内に初登場した際にもこの設定を反映し、緑色の道着に天狗のような顔で、頭に天使の輪を乗せた姿で登場している。『ストIV』の家庭用移植版ではオープニングアニメで遺影としてわずかに姿を見られるが、容姿は『ポケットファイター』のものとは異なりダンと同じピンクの道着を着ている。
UDONのアメリカンコミック版では容姿のデザインが大きく変更され、『ストV』公式サイト「シャドルー格闘家研究所」の「キャラ図鑑」でもそれに準ずる形で強の全身がデザインし直されており、素顔の設定も変更されている。「キャラ図鑑」における新デザインでは、オレンジ色の道着に草履、ダンと同じ髪型だが白髪で鼻の下に口ひげが生えており、鼻の高さも少し高いだけである。空手をベースとした「喧嘩殺法・無頼拳」が格闘スタイルであり、サガットに食らわせた必殺技は相手の顔面に連続の膝蹴りを浴びせる「昇天無頼脚」であると、新たに名称が設定されている。かなりの実力者だが冗談が好きで気が良い。
火引百合子
火引百合子 | |
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ゲームでの初登場 | マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター(サブキャラクター) |
声 | 伊藤静 |
詳細情報 | |
家族 | 火引強(父) 火引弾(兄) |
出身 | ![]() |
火引 百合子(ひびき ゆりこ)は、ダンの妹。初登場は『マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター』のエンディングだが、この時点では名前が設定されておらず、メカ豪鬼を倒し殴りかかろうとする兄を止めるため唐突に現れる。この際の台詞は『龍虎の拳』のエンディングでリョウ・サカザキを止めるユリ・サカザキの台詞に酷似したものとなっている。その後、前述のように『頂上決戦 最強ファイターズ』でも妹の存在についてダンの口から言及されている他、『SVC CHAOS』ではダンがデミトリから「ミッドナイトブリス」を食らうと私服の妹の姿になる(SNK作品との関連の節を参照)。
後に「シャドルー格闘家研究所」の「キャラ図鑑」にて、あくまでもパラレル設定であることを強調しながらも初めて名前と詳しいプロフィールが設定された。こちらでは額を出した三つ編みでセーラー服姿が描かれている。出身国はダンとは異なり日本になっている。学生生活を送りながらも自由な兄を気遣い、世界を旅している兄の後をこっそり尾行している。本人は格闘技に興味はなく、兄の商才を見抜いていつかは一緒に通販サイトなどをやりたいと考えている[12]。
当初はパラレル設定とされていたものの、『ストV』で2018年9月26日よりショップの店員としてシリーズ本編にボイス付きで登場を果たした。こちらではセーラー服の上に「最強流」の文字がデザインされたエプロンを羽織っている。担当声優は伊藤静。
その他
- 家庭用『ZERO』の解説書ではベガと豪鬼の紹介があるが、ダンの存在は伏せられている。
- キャラクターとしての由来は『COMPLETE FILE STREET FIGHTER II』(朝日ソノラマ)に掲載されたあきまんのイラストが基になっていて、そのイメージを活かして『ZERO』『ZERO2』『ZERO3』でサガットがオレンジ色の道着に下駄を履いたダンをわしづかみにして投げ捨てるという演出[注 2]がある。また、『ZERO』開発当初はその演出のみの登場予定だった[2]。
- 『ZERO』ではパーフェクト勝利の上で、さらに256分の1の確率で「よゆうッス」のポーズを取る[13]。ここまで確率が低いのは「『よゆうッス!』のポーズ見たよってあまりにもレアすぎてみんなから信じてもらえない」というコンセプトにしたことが理由である[10]。
- 『ZERO』登場当時は、顔つきや髪型が『ヴァンパイア ハンター』のドノヴァン・バインに似ていることから、正体はドノヴァンの子孫「ダン・バイン」ではないのかという説が囁かれていた[14]。
主な登場作品
- ストリートファイターZEROシリーズ
- マーヴルVS.シリーズ
- スーパーパズルファイターIIX
- ポケットファイター
- 頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM
- SNK VS. CAPCOM 激突カードファイターズ全シリーズ(トレーディングカードゲーム版も含む)
- プレイヤーキャラクターカードとして登場している。
- CAPCOM VS. SNKシリーズ (『PRO』以降)
- CAPCOM VS. SNK PRO
- CAPCOM VS. SNK 2
- SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS
- 乱入キャラクターかつ隠しキャラクターとして登場。
- ストリートファイターIVシリーズ
- ストリートファイターIV(家庭用)
- スーパーストリートファイターIV
- ウルトラストリートファイターIV
- ストリートファイターV
- ストリートファイター X 鉄拳
- チュートリアルモードのナビゲーターとしてのみ登場。
- Street Fighter X Mega Man
- 特殊武器取得デモに登場。
担当声優
脚注
注釈
- ^ 家庭用『ストリートファイターIV』におけるさくらのオープニングアニメーションで「あいつ(リュウ)は俺の弟弟子」と発言している。
- ^ 『ZERO』『ZERO2』『ZERO3』ではリュウのCPU戦に登場するサガットの登場ポーズで投げ捨てられている。『ZERO3』のみCPUサガットのISM選択によってダンの扱いが変化し、X-ISMではタイガーアッパーカット(下駄は履いていない)、Z-ISMでは登場なし、V-ISMでは従来通り投げ捨てられる。
出典
- ^ 『ALL ABOUT ストリートファイターZERO』275ページ
- ^ a b c ゲーメストムック『ストリートファイターZERO』の開発者インタビューより。
- ^ 『ALL ABOUT カプコン対戦格闘ゲーム 1987-2000』電波新聞社より。
- ^ 『ストリートファイターIV/スーパーストリートファイターIV オフィシャルコンプリートワークス』インタビューより。
- ^ a b 「頂上対談 船水紀孝 vs 安田朗」『ストリートファイター15周年 最強読本』宝島社、2003年9月26日、p35、ISBN 4-7966-3545-9 より。
- ^ 『ALL ABOUT ストリートファイターZERO』「from開発スタッフコメント」・116ページ
- ^ 『ALL ABOUT ストリートファイターZERO2』開発者インタビュー 362ページ
- ^ 『ストリートファイターZERO2 ゲーメストムック』 Vol.35、新声社、1996年7月10日、269頁。
- ^ 『ALL ABOUT ストリートファイターZERO』265ページ
- ^ a b http://game.capcom.com/cfn/sfv/column-112414.html
- ^ 『ALL ABOUT ストリートファイターZERO』開発スタッフインタビュー260ページ
- ^ キャラ図鑑番外編:火引 百合子|シャドルー格闘家研究所
- ^ 『ALL ABOUT ストリートファイターZERO』12ページ
- ^ 『ALL ABOUT ストリートファイターZERO』116ページ
参考文献
火引弾
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 23:08 UTC 版)
「リュウ (ストリートファイター)」の記事における「火引弾」の解説
※この「火引弾」の解説は、「リュウ (ストリートファイター)」の解説の一部です。
「火引弾」を含む「リュウ (ストリートファイター)」の記事については、「リュウ (ストリートファイター)」の概要を参照ください。
固有名詞の分類
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