ユリアン (ストリートファイター)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/28 09:52 UTC 版)
| ユリアン | |
|---|---|
| ストリートファイターシリーズのキャラクター | |
| ゲームでの初登場 | ストリートファイターIII 2nd IMPACT |
| 声 | #担当声優を参照 |
| 詳細情報 | |
| 肩書き | 秘密結社の副総裁[1][2] |
| 格闘スタイル | |
| 家族 | ギル(兄) |
| 出身 | 不明[3][1] |
ユリアン(Urien)は、カプコンの対戦型格闘ゲーム『ストリートファイターIII』シリーズなどに登場する架空の人物。
キャラクター設定
『ストリートファイターIII』(以下『ストIII』と表記)シリーズのボスキャラクターであるギルの実弟。紀元前より世界を裏から支配しているという謎の秘密結社の副総統を務める。
組織は2200年の地球上に理想世界をつくりあげるべく活動しており、組織は24年に一度、血統や遺伝学的に調査された1024組の夫婦から生まれた子供を総統の候補として選ぶ。さらに、四柱推命、風水、占星術を含むその他様々なオカルトまでを総統の選考基準とした者たち数名を英才教育する。
ユリアンはギルとともに幼少の頃から総統候補として英才教育を受けてきたが、情緒不安定であり弟という理由から、兄であるギルが総統に選抜される。このことからユリアンは副総統の座に甘んじることになり、その屈辱からギルに激しい憎悪と殺意を抱くようになる。
短髪で碧眼、長身で筋骨隆々の偉丈夫であり、古代ギリシアの彫像の如き外見。平時は茶色の背広を着用した金髪の男だが、戦闘時は服を内側から筋肉で破り、さらに銀髪で色黒の肌へと変化する。また、ギルと同じくふんどしのような着衣のみを身に纏って戦いに臨む。『ストリートファイターV』(以下『ストV』と表記)ではデフォルトの衣装がブレザーとスラックスに変更されている。
人類の救済を目的とするギルとは対照的に、ユリアンは暴力をも辞さない人類全体の直接的な支配、あるいは地球全体の管理を目的とする。一人称は「余」であり、自らを「神」、「真の王」、「全知全能」、「絶対者」などと称し、ほかの人間は全て自分によって支配されるべき存在と位置付けている。その性格はきわめて傲慢で、己の利益のためならば躊躇せず人を手にかける。
『ストV』ではシーズン1の追加キャラクターとして登場する。本作では、シャドルー壊滅のために配下のヘレン(正体はギルの秘書・コーリン)に「ベガを倒す者」(ナッシュ)の蘇生をさせ、自身はS.I.N研究所廃墟で可能な限りの情報を収集、さらにはシャドルー幹部のマイク・バイソンから「チェインズ計画」のデータを買い取るためにと、自ら行動することが多い。計画のために、ナッシュの蘇生に必要な技術や素体、バイソンに支払う金は「いくらでもくれてやる」と支出に関しては問題がない振る舞いを見せる。
『ストV』はシーズンごとのテーマに沿ったキャラクターが追加されているが、ユリアンはそれとは別にディレクターの中山貴之が選ぶ「中山枠」として選出されている[5]。日本国外において裸はウケが良くない[6]ということでデフォルトでは服を着ているが、キャラクター選択後に隠しコマンドを入力することで対戦開始デモで『ストIII』シリーズのふんどしのような着衣になる。ディレクターの中山は、「色々圧力があってスーツを着せることになり、スーツの上からも筋肉が感じられてまるで裸のように見えるのを狙ったが、我慢できずに隠しコマンドで裸になるようにした」と語っている[7]。
シャドルー壊滅に関しては、その先の計画(『3rd STRIKE』のストーリー)までの茶番程度にしか思っていない。
普段は英語を喋っているが、『2nd IMPACT』のみ、対戦前のポーズ、勝利ポーズ、勝利メッセージで日本語を口にしている。『3rd STRIKE』と『CAPCOM FIGHTING Jam』(以下『CFJ』)では対戦中は英語のみ話す。
他キャラクターとの関係
- ギル
- 『2nd IMPACT』のエンディングで倒し、念願の総統の座を手に入れる。だが、総統の上にはさらに「天帝」なるものが存在することを知り、しかもその天帝もまたギルであるという事実が明らかになる。つまり、ユリアンはまたしても二番手という立場に立たされることになった。
- 『3rd STRIKE』では天帝の座からギルを蹴落とし真の支配者となるために再び立ち上がり、最終ステージのギル戦では双方ともに殺意を明確にして戦い、再びギルを倒す。ユリアンに組織を継承する意志はなく、『3rd STRIKE』のエンディングでは2000年にわたり蓄積され続けた「組織の頭脳」と呼ばれる施設を爆破、実兄にして宿敵であったギルを地球上から完全に抹殺し、その年をもって「AU(アフターユリアン)元年」と定めることを宣言する。
- 『ストV』のギルのストーリーでは、ギルが現世に現れたことを知り、殺害するため彼に戦いを挑むが敗北する。ギルはユリアンの抱える苦しみをも理解しており「私ひとりが予言を成就させれば、お前を縛る文書も、教義も、天帝もなくなる」、さらには「自由に生きるがいい」と言われるが、ユリアンはギルが自分の力に対して何の興味も持っていないことを知り「俺を見てくれ!」[注 1]と慟哭する。
- 春麗
- 『3rd STRIKE』では彼女と戦うためだけに、その教え子(後の『ストV』にてリーフェンという名前だと判明する)を誘拐する。その際、本人は「かの組織を壊滅させた脚を試してみたくなった」とベガが率いていたシャドルーの存在を口にする。
- トゥエルヴ
- 『3rd STRIKE』より登場した人造生命体で、開発の際に用いられた人体再構成理論はユリアンによるもの。『CFJ』のエンディングでも量産化して組織を編制している。
- イレヴン[8]
- 身長は170cm(可変)[8]。体重は60kg(可変)[8]。それ以外はすべて不明[8]。
- 『ストV』にてドクター呉により造られたトゥエルヴの試作品となる人造生命体。全身が白い肉体を持ち、後頭部は2つに尖っている。相手の姿に変身する能力を持つが、性能(特に耐久性)が不完全なため、強化改良される。また、ヘレンからユリアンにナッシュの蘇生に急がすために、彼の新たな肉体の一部として素体の提供を志願していた。
- ヘレン[9] / コーリン[10]
- 身長は168cm[9][10]。体重は65kg[9][10]。生日は2月14日[9][10]。血液型はAB型[9][10]。好きな物は読書と蝶[9][10] 。嫌いな物は軍人とギル様以外全て[10]。
- 『ストV』にてギルの秘書・コーリンは「ヘレン」としてユリアンの元に送り込まれる。
- 『ストV』では部下である彼女を使ってナッシュのケア担当と、シャドルーを壊滅させるべく「手駒」を集めさせる(ロシアの古い闘技場を拠点としてナッシュを始め、ラシード、ジュリ、後に加わるキャミィとで、かりんや春麗らとは別ルートでシャドルーのチェインズ計画を妨害する作戦を進めている)。
- 笑顔で友好的に接するが、少しでも自分の思い通りに行かなくなると舌打ちをしたり無表情になったり怒鳴りつけたりするなど情緒不安定気味。ナッシュに協力を拒否され異論を唱えられた際は本性をさらけ出し、激昂しつつ相手を罵倒している。最終的にはナッシュに(後にラシードも)離反されたことで計画が水の泡となり、ユリアンに「飼い犬に手をかまれた無能」と酷評されてしまう。あまり信頼されていないが、内心ではユリアンをも嫌っており背後から睨み付けている。
- ドクター呉(ドクター・ウー)[11]
- 身長は152cm[11]。体重は67kg[11]。生日は2月26日[11]。血液型はB型[11]。好きな物は実験と研究[11]。嫌いな物は暴力[11]。
- 『3rd STRIKE』にて初登場したユリアンの側近的存在。トゥエルヴを作り、ネクロの改造手術を行った中国出身の科学者。『ストV』の公式サイト「シャドルー格闘家研究所」の「キャラ図鑑」にて素性が判明した。
- 元は高名な科学者だったが、ギルの秘密結社に誘拐されて様々な生物兵器を作らされている。誘拐された身だが自分の知恵を存分に振って多くの実験をすることができ、より強い生命体を作れることを楽しんでいる。IQは1300を超えると自称している。『CFJ』のユリアンのエンディングにも登場して、トゥエルヴを量産化している。
- 『ストV』では最強の兵士を作り出すためにトゥエルヴの原型となるイレヴンを開発する。ユリアンの命令により戦闘実験を行い、相手をコピーする能力は完璧だが耐久力が未だ不完全なためイレヴンの改良と強化を急ぐことになる。
- マイク・バイソン
- 『ストV』でユリアンの交渉人となったシャドルー四天王。ユリアンは彼からシャドルー四天王のF.A.N.Gが提案した「チェインズ計画」のデータを買い取っている。
担当声優
- うえだゆうじ(『2nd IMPACT』)
- ローレンス・ベイン(Lawrence Bayne)(『3rd STRIKE』、『CAPCOM FIGHTING Jam』)
- 加藤将之(『ストリートファイターV』)
- ビル・ロジャース(『ストリートファイターV』英語ボイス)
登場作品
- ストリートファイターIIIシリーズ
- ストリートファイターIII 2nd IMPACT
- ストリートファイターIII 3rd STRIKE
- ストリートファイターV[12]
- CAPCOM FIGHTING Jam
- SNK VS. CAPCOM 激突カードファイターズシリーズ
- 2作目以降のプレイヤーキャラクターカードとして登場している。
- Street Fighter X Mega Man
脚注
注釈
- ^ この時はユリアンの一人称が「余」ではない。
出典
- ^ a b c キャラ図鑑163:ユリアン | キャラ図鑑 | 活動報告書 | CAPCOM:シャドルー格闘家研究所 2016年9月15日閲覧
- ^ CAPCOM:STREET FIGHTER V 公式サイト ユリアン 2016年9月10日閲覧
- ^ a b 『ぴあMOOK ストリートファイターぴあ』ぴあ、2016年3月20日、56頁。
- ^ 『ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル』のキャラクターデータベースより。
- ^ 『ストリートファイター キャラクターメイキング』ボーンデジタル、2018年11月25日、171頁。
- ^ takaNakayamaのツイート(779347591947399169)
- ^ 『STREET FIGHTER V CLIMAX ARTS + ZERO to 6』双葉社、2023年2月25日、61頁。
- ^ a b c d シャドルー格闘家研究所・活動報告書『キャラ図鑑119:イレヴン』 2016年7月29日閲覧
- ^ a b c d e f シャドルー格闘家研究所・活動報告書『キャラ図鑑131:ヘレン』 2016年8月14日閲覧
- ^ a b c d e f g シャドルー格闘家研究所・活動報告書『キャラ図鑑142:コーリン』 2016年8月25日閲覧
- ^ a b c d e f g シャドルー格闘家研究所・活動報告書『キャラ図鑑121:ドクター呉』 2016年7月31日閲覧
- ^ 「ストリートファイターV」,16人目は自称シャドルー四天王No.2の「F.A.N.G」。発売後にはアレックス,ガイル,いぶき,バイソン,ジュリ,ユリアンが配信 - 4Gamer.net2015年12月8日閲覧
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