アベル_(ストリートファイター)とは? わかりやすく解説

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アベル (ストリートファイター)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/28 02:39 UTC 版)

アベル
ストリートファイターシリーズのキャラクター
ゲームでの初登場 ストリートファイターIV
高橋研二(日本語)
ジェイソン・リーブレヒト英語版(英語)
詳細情報
肩書き 傭兵
格闘スタイル 柔道を基本とした総合格闘
出身 フランス
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アベル (Abel) は、カプコン対戦型格闘ゲームストリートファイターIV』シリーズなどに登場する架空の人物。

担当声優は高橋研二(日本語)、ジェイソン・リーブレヒト英語版(英語)。

概要

『ストリートファイターIV』(以下『ストIV』と表記)で初登場。『ストIV』からの新キャラクターの中ではクリムゾン・ヴァイパーとともに最も早い段階で発表されたキャラクターの内の一人である。

『ストIV』のストーリーにおける重要人物の一人で[1]、ボスキャラクターであるセスとも深い関係を持つ。『ストIV』のキャラクターセレクト時における初期カーソルは、従来シリーズのリュウではなくアベルに固定されているが、『ストリートファイターIII』のアレックスと違って、正式に主人公と設定されているわけではない[2]。『ストIV』の準主役的な立ち位置のキャラクターとも紹介されている[3]

キャラクター設定

秘密結社シャドルーの残党を追跡している、記憶喪失の白人男性。フランス出身の元・傭兵で、傭兵時代に習得したとされる総合格闘技を使う。逆三角形体型のたくましい肉体を持つ偉丈夫で、顔や全身には無数の傷跡があるほか、特定の技を使用すると眼球の色が反転するという特異体質を持つ[1]

アベルの中で最も古い記憶は「何者かによってどこかの施設から助け出される」というもので、その後は傭兵部隊の隊員として日々を過ごしていたが、あるとき部隊の隊長にして父親代わりでもあった男が事故死したことで天涯孤独の身になる[4]。隊長からは度々「シャドルーには近づくな」と忠告を受けており、シャドルーが自分の過去になんらかの関係があると推測したアベルは、傭兵を辞め[5]、一人旅立つことを決意する。

『スーパーストリートファイターIV』(以下『スパIV』と表記)では旅の中でシャドルーの下部組織・S.I.N社を巡る戦いを通じ、様々な出会いや発見をしたアベルだったが、自身の抱える謎をすべて解き明かすには至らなかった。アベルは落ち着いたらまた自身の過去を探す旅に出ると心に決め帰路につく。

アベルの正体は、シャドルーによるベガの代替ボディを遺伝子操作によって生み出す「リビング・インキュベータ計画」によって誕生した「素体」の内の1体である[5]。アベルは「不良品」として他の素体とともに廃棄される予定だったが、その前にシャドルーの基地から助け出されたため事なきを得る。このときアベルを助けた人物は『ストリートファイターZERO』シリーズの登場人物・ナッシュであり、アベルを保護した傭兵部隊の隊長はその友人である。

ストリートファイターV』(以下『ストV』と表記)ではプレイヤーキャラクターではないものの、ガイルのストーリーに登場しているほか、ラシードのストーリーでも「旧シャドルー四天王のサガットを山奥で目撃した」とラシードのソーシャルメディアに送信している。また、『ストV』ではS.I.N社は壊滅したことになっている。

『ストV』のゼネラルストーリーではシャドルー基地への潜入任務にあたっており、基地内部からガイルたちをサポートするが、サイコパワーの影響を受け暴走してしまう。最終的には神月邸で出会った「継ぎはぎの男」にサイコパワーを吸収されたことで救われるが、その男こそがかつて自分を救ったナッシュであったことを知ることになる。

客演作品の『ストリートファイター X 鉄拳』(以下『ストクロ』と表記)では、あるとき南極に飛来した「箱」を巡り、シャドルーが暗躍しているという情報を得たアベルは、かつての旅で知り合ったガイルに協力を申し出て、潜入任務に同行。結局自身の記憶の手がかりは得られなかったが、かねてからの念願であったクマとの触れ合いや宇宙人との邂逅などの貴重な体験をすることとなる。

外見・人物

外見は金髪で碧眼。短く刈り上げたソフトモヒカンヘアに、彫りの深い顔つきと高い鼻が特徴。青い柔道着に白のスパッツ、およびグローブとキックレガースを身につけており、スパッツと胴着の肩から袖にかけたサイド部分には、赤・白・青のフランス国旗と同色のラインが入っている[注 1][6]

険のある顔つきや強面な外見とは裏腹に、丁寧で礼儀正しく生真面目。また、好奇心や他者への関心が強く、動物好きの一面もあるなど人間味溢れる性格をしている。また、家族を持つことに憧れており、今までは軍隊生活で飼うことができなかったが、後に白い子犬を家族として迎えている。

オリジナルアニメーション『ストリートファイターIV 〜新たなる絆〜』ではラストシーンにおいて、革ジャンにジーンズ姿で一瞬登場しており、その際にセスとの関連性を匂わせる演出がなされている。

『ストV』のゼネラルストーリーの潜入任務時はシャドルー下級兵の恰好をしていたが、負傷し治療を施された際は『ストIV』のデフォルトのコスチュームと同じ色合いの青いTシャツと白い短パン姿で過ごす。

『ストクロ』の通常アレンジコスチュームはアベルとセスが合成されたような奇怪なデザインの姿になっている。

2009年3月に発売された「ストリートファイター アート・コミック・アンソロジー」では、ゲリラ部隊の司令官としてミリタリールックに身を包んだ姿や、学園内の購買部にて縫い物に勤しむ姿を見ることができる。

他のキャラクターとの関係

アベル自身がシャドルーの追跡を目的としているため、シャドルーに関わる人物とは接点が多い。

ナッシュ
『ストIV』本編から5年前、アベルを助け出した人物。アメリカ空軍に所属しシャドルーの調査を行っていたが、その後行方不明になっている。
ゲーム内ではその存在を匂わせる程度に留まり、アベルを助け出した人物が誰であるかは明らかにされていなかったが、その後、アーケード版稼動から約1年後公式ブログの記事において正式にナッシュであることが明かされている[7]
『ストV』ではすでに死亡していたことが判明したが、継ぎはぎだらけの姿で復活し、結果的に再びアベルを救うことになる。アベルはナッシュの姿を見たことはなく、ガイルがナッシュを名前で呼んだため初めて姿が確認できた。
ガイル
シャドルーを追うアメリカの軍人。アベルを助けた男・ナッシュの親友。
アベルはガイルの使用する「ソニックブーム」に見覚えがあり、同じ技を使う男を知っていると語った。最初はガイルをスパイではないかと警戒していたアベルだったが後に和解し、共闘することとなる。
また『ストクロ』ではアベルのタッグパートナーを務め、ともに南極へ向かう(ソルジャータッグ)。
春麗
シャドルーの首領・ベガによって父親を奪われた過去を持つICPOの女性捜査官。
アベルの協力者の一人で、アベルとともにS.I.N社の調査を開始する。
ザンギエフ
アベルが気に入っているプロレスラー。
世界格闘大会に参加し、試合を通じてアベルと交流を持つ。また、彼も結果的にシャドルー関係者で『ストIV』の黒幕でもあるセスに関わることになる。
『ストV』ではサイコパワーに飲まれたアベルを取り押さえるのに一役買っている。
フェイロン
アベルが気に入っているアクション映画俳優。
映画製作を妨害する犯人を捜索しているうちに、アベルと遭遇して勝負することになる。後に映画製作を妨害しているのがセスであることを知る。
セス
『ストIV』の最終ボスにしてシャドルー関係者。
アベルと同じ顔[1]、同じ体格をした謎の人物[注 2]。セスはアベルの出生や過去を知る人物の一人で、アベルを「逃げた素体」「ナンバーも持たぬ不良品」と呼び敵視している。
2人の関係についてもナッシュと同様にゲーム内では具体的な設定は明かされなかったが、前述したブログの記事により、2人はベガの代替ボディとして人為的に生み出されたクローン人間の一人であり、同じ遺伝子を持つ兄弟であることが発表された[7]。対戦中、アベルの瞳の色やセスの体色が変化することがあるのも両者の関係を裏付ける共通点の一つである[6]

その他

  • 初期の構想では「フランス人の柔道家」と「柔よく、剛を制す」というコンセプトを基に製作される予定で、キャラクターデザインも「小柄で女の子に間違われそうな少年」という、現在とは異なるデザインだった[8][注 3]
  • 対戦相手に敗北したときにアベルが発する「体がーっ!」という独特の悲鳴が稼動初期にプレイヤー間で話題を呼び[9][1]、アベルの代表的な台詞の一つとして定着している[注 4]

登場作品

脚注

注釈

  1. ^ 腰帯の結び方は自己流だが、これは戦いを繰り返すうちに自身が最も緩みにくいと思った独自の締め方をしているためである。
  2. ^ 両者の身長や体重、スリーサイズなどのプロフィールデータは全て同じ数値であり、ゲーム内のポリゴンデータにおいてもベースとなる顔は同じものが使用されている。
  3. ^ 公式ブログにはアベルの初期デザインのイラストも掲載されている。
  4. ^ 『ストリートファイター X 鉄拳』敗北ボイスおよび『ストリートファイターV』の公式サイトの「キャラ図鑑」のシャドルー兵士による紹介文でもネタとして扱われている。

出典

  1. ^ a b c d 第12回:ストーリーと演出について”. スーパーストリートファイターIV オフィシャルブログ. 2021年1月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月9日閲覧。
  2. ^ 質問に答えちゃうシリーズ(1)”. ストリートファイターIV 公式ブログ. 2021年1月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月9日閲覧。
  3. ^ 『ストリートファイターIV/スーパーストリートファイターIV オフィシャルコンプリートワークス』カプコン、2010年6月25日、77頁。 
  4. ^ サイドストーリーズ アベル”. STREET FIGHTER IV (ストリートファイターIV):PlayStation3版/Xbox360版. 2015年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月9日閲覧。
  5. ^ a b ストリートファイター×鉄拳・キャラクター紹介より。
  6. ^ a b 質問に答えちゃうシリーズ(11)”. ストリートファイターIV 公式ブログ. 2021年1月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月9日閲覧。
  7. ^ a b 「本当の物語」”. ストリートファイターIV 公式ブログ. 2021年10月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月9日閲覧。
  8. ^ 第2回:キャラバランス”. スーパーストリートファイターIV オフィシャルブログ. 2021年3月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月9日閲覧。
  9. ^ 「ボイス収録編のコメントに答えちゃう!」”. ストリートファイターIV 公式ブログ. 2021年11月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年6月9日閲覧。

参考文献

関連項目


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