アドン_(ストリートファイター)とは? わかりやすく解説

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アドン (ストリートファイター)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/28 02:34 UTC 版)

アドン
ゲームでの初登場 ストリートファイター
#担当声優を参照
詳細情報
肩書き 格闘家
格闘スタイル ムエタイ
出身 タイ
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アドン (英語: Adon; タイ語: อาดอน) は、カプコン対戦型格闘ゲームストリートファイター』シリーズに登場する架空の人物。

キャラクター設定

タイ出身の格闘家でムエタイ選手。ムエタイの帝王として名を轟かせたサガットの一番弟子(『ストリートファイター』)であり、サガットに対する憧憬と畏怖を抱いていた。だが、サガットが無名の日本人(リュウ)に敗れたことを知って大きく失望し、彼のもとを去る。

逆立った赤い髪に顎がしゃくれた顔で、『ストリートファイターZERO』(以下『ZERO』と表記)以降の作品では歯がむき出しになっているのが特徴。モンコンを頭に巻き(本来は試合前に外すのが通例だが、アドンは付けたまま闘う)、「V」の文字が入ったトランクスを着用している。

サガットの技に「タイガー」(虎)とつくのに対して、アドンの技には「ジャガー」(豹)がつく。

『ストリートファイターZERO3』(以下『ZERO3』)では殺意の波動や、それを纏いリュウと同じ技を使う男・豪鬼について強い関心を抱いている。

人物

貧しい家に生まれ、ムエタイで頂点まで登りつめることを志す。その闘争心は他を圧倒しており、サガットの目に留まることになる。ムエタイこそが世界一であると信じており、自らの拳をもってそれを証明しようとしている。サガットと比べて体格は小さめだがスピードと手数で勝り、その積極的な攻撃姿勢はタイのルンピニー・スタジアムでも高く評価されている[1]

自らを「ムエタイの神」と称するなど、傲慢なまでの自信家であり、虚栄心が強い。発言は常に強気かつ相手を見下した態度を取り、サガットとの一方的な決別以降は、より悪化させている。その傲慢さは他の格闘家たちから嫌悪されることが多く、リュウやケン春麗などからはサガットよりも弱いことを厳しく指摘されている。自身の師であるサガットを完全に越えていない上で見下している点も、師を敬う姿勢を持つガイまことから批判されている。またバルログからも「サガットにはこのような醜悪さはなかった」と酷評されている。さらにブランカは『ストリートファイター6』のワールドツアーのアバターとの会話で名前は出さないがアドンについて言及しており、「大声をあげてキックをするだけでジャガーらしくない」と技に対して批判している。ほとんどの格闘家がアドンを低評価するなか、エレナは「良い戦士になれると思う」と高く評価している。

ムエタイの踊り・ワイクーが得意。登場時と勝利ポーズでそれを行う。

『ストリートファイターZERO2』(以下『ZERO2』)のエンディングではサガットを倒した後、彼のステージにあるワット・ポー涅槃仏を破壊するという暴挙に出る。しかしアドンのステージにも仏像があるので、信仰心がないとは断言できない。

『ZERO3』におけるサガットのバックストーリーでは、サガット失踪後にムエタイの帝王の座につき、新しいカリスマとして国民たちの熱狂を取り戻している[2]

他のキャラクターとの関係

サガット
かつての師匠。若き日のアドンにとってサガットは憧れの存在であり、「サガットに挑み、勝利し、そしていつか超えること」を目標としていた。サガットに師事していた頃のアドンは彼を「あなた」と呼び、大きな敬意を表していた。『ZERO』における対CPU戦でも、最終戦の相手サガットに対して「あなたはすばらしい師であった」と発言している。
しかしリュウの一件以来、サガットの敗北によって「ムエタイが汚された」と勝手に思い込み、彼に対する心情は憎悪と軽蔑に変わった。『ZERO3』において、ケンやディージェイから未だにサガットの弟子として見られていた時には不快感を露わにしている。
一方、サガットの方もアドンと初めて戦った時、勝負自体はサガットが圧勝したものの「久しぶりにこれほどの歯ごたえのある相手と出会った」「お前なら俺を超えることもあながち夢ではない」と高く評価していた。しかしその後、憎悪や殺意をむき出しにして戦うようになった彼のことは、失望に近い形で見限っている。また、リュウという好敵手のいるサガットにとって、アドンは相手にするに値しない存在と化した。
『ZERO2』のバックストーリーでは、かつてアドンはサガットとの模擬試合で膝を地につかせるほどにサガットを追い詰めたが、これに満足して闘気を収めてしまったのでサガットの逆鱗に触れて猛反撃に遭い、全治4ヶ月の重傷を負ったことがある(この出来事はサガットが「タイガージェノサイド」を編み出すヒントとなった)。
家庭用『ストリートファイターIV』ではサガットのオープニングアニメに登場し、ムエタイ大会に現れたサガットに「ジャガートゥース」を見舞うが通じず、逆にサガットの新技「タイガーディストラクション」で一撃のもとに倒される引き立て役になっている。
スーパーストリートファイターIV』(以下『スパIV』)のライバルバトルの相手はサガット。元弟子の在り方を否定するサガットの言葉を「世迷い言」と一蹴し、ムエタイの神となるために帝王に戦いを挑む。エンディングではサガットの実力を認める一方で、村民と仲良く暮らしている様を「牙を失った」と評し完全に決別。改めて「ムエタイの神」になる決意をする。
リュウ
かつて尊敬していたサガットを倒した格闘家だが、アドンは特に憎しみの感情は持っていない。その一方で、サガットを一人の誇り高き格闘家として認めているリュウからは、サガットを完全に超えていないにも拘らず侮蔑している姿勢を軽蔑されており、『スパIV』ではサガットよりも弱いことを断言されている。
ベガ
『ZERO』のエンディングではサガットを倒したことでベガに気に入られ、シャドルーに勧誘されるが、「麻薬屋に行く気はない」と一蹴している。『ZERO2』におけるアドンのCPU乱入キャラクターもベガであり、再びシャドルーへの勧誘を受けるが、「格闘界の頂点は自分」と入団を拒否している。
朝日ソノラマの『コンプリートファイル ストリートファイターII』では、相関図においてベガがアドンから「蹴りを盗んだ」とある。ベガの必殺技「ダブルニープレス」が『ストリートファイター』時代の「ジャガーキック」(踵落とし)に酷似していることを指すものとされる。
豪鬼
『ZERO2』のエンディングで、豪鬼らしき人物の乱入を聞いたアドンは「そいつを倒し自分とムエタイが最強と証明する」と興味を示す。
『ZERO3』ではサガットを倒してムエタイの神の座についている[3]が、殺意の波動に興味を持つようになり、「瞬獄殺」をムエタイに取り入れるために豪鬼を探す旅に出る。もっとも同作におけるアドンのストーリーでは豪鬼と直接戦うことはなく、ベガに勝利した後、エンディングで突如出現した豪鬼がベガを「瞬獄殺」で倒す場面に遭遇する。アドンは豪鬼の強さを見て「必ず自分のものにする」との決意を示す。

他のメディアでのアドン

漫画

中平正彦の漫画『STREET FIGHTER ZERO』の中盤に登場。ゲーム版との違いとして、シャドルーと協力関係にあり、目的のためには人を殺めることも辞さない男として描かれている(シャドルー自体は嫌っている)。ゲーム版の設定では後にシャドルーに所属するサガットは入団をあっさり断り、同じくバーディーもシャドルーとは絡まず、公式の設定と違いが顕著である。地に堕ちたムエタイの誇りを取り戻すためにシャドルーの力を借りてまでリュウに復讐しようとするが、最終的に自分の行いをガイに諌められる。

同じく中平の漫画『ストリートファイターIII』のコミカライズ作品『RYU FINAL』では、リュウに敗北したことにうろたえるサガットを遠巻きに見て「あれが帝王の姿か」と見限る場面がある。

ウドン・エンターテインメントによるアメリカンコミック『Street Fighter』ではタイを訪れたリュウと、ムエタイ最強を思い知らせるべく対決する。

『ZERO』でプレイヤーキャラクターとなった当時の4コマ漫画などでは、歯に関連したネタが多く使われた。

その他

  • 初代『ストリートファイター』ではサガット戦前の対戦相手としてプレイヤーを苦しめた。当時のゲーム雑誌『ゲーメスト』では、「最終ボスのサガットよりも、中ボスのアドンの方が強い」と書かれることが多かった[4][5]
  • 勝利ポーズのひとつである背中を向け両手を広げるポーズの元ネタは漫画『グラップラー刃牙』と見られ、『グラップラー刃牙』の単行本のおまけ漫画『いたがきぐみ劇場』にてアドンらしきキャラクターが上記のポーズを取っている最中に範馬勇次郎に踵落としを食らう描写がある。

担当声優

登場作品

関連人物

脚注

  1. ^ ALL ABOUTシリーズVol.21 『ストリートファイターZERO3』p52より。
  2. ^ ALL ABOUTシリーズVol.21 『ストリートファイターZERO3』p45より。
  3. ^ ALL ABOUT『カプコン対戦格闘ゲーム 1987-2000』p297より。
  4. ^ 『月刊ゲーメスト』No.14、新声社、11頁。
  5. ^ 『月刊ゲーメスト』No.16、新声社、12頁。



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