C型肝炎に関して
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1964年に承認された血液製剤のフィブリノゲンの使用により、1980年代に健康被害が多発した薬害肝炎問題に関し、2002年3月-8月に行われた「フィブリノゲン製剤によるC型肝炎ウイルス感染に関する調査」時の厚労省医薬局長で、その調査過程において、2002年7月に製薬企業が医療機関から収集した肝炎患者の症例報告として提出された薬害被害者の疑いがある418例の肝炎患者リスト(2002年8月公表)について、患者本人へ告知をしなかったことにより治療の機会を逸した患者が出た可能性があるという問題の責任を問うかたちで2008年1月に医薬品医療機器総合機構理事長を辞職。事実上の更迭とされている。 この問題については、2007年11月の「フィブリノゲン資料問題及びその背景に関する調査プロジェクトチーム」調査報告書において、患者への告知を行わなかったことにつき、責任があるとまでは言い切れなかったが、患者の視点に立って、告知に関する配慮があってしかるべきであるとされた。 さらに、2008年10月の「フィブリノゲン製剤投与後の418例の肝炎等発症患者の症状等に関する調査検討会」報告書において、症例報告のあった418例について2002年当時に患者への告知がなかったことによる治療への影響については、回答のあった111人のうち1人については、治療の開始時期の遅れに影響があった可能性も否定できなかったとされた。 (参考1)「症例報告」=医療機関から症例報告されている患者に対しては、一般的に、その診療に当たっている医師から病名・症状の告知があるものと考えられる。 (参考2)「肝炎対策に関する有識者会議報告書」(2001年3月30日)=感染者(フィブリノゲン製剤によるものも含む)のうち、未だ医療機関にアクセスしていないなど感染に気づいていない者が相当数いることにも鑑み、当面の最重要課題として、感染率の高い集団を中心とした呼びかけや普及啓発について、最優先で取り組むべきとされた。同会議の結論を踏まえ、2002年度から「C型肝炎等緊急総合対策」として、肝炎ウイルス検査等の実施、検査体制の強化、治療水準の向上、感染防止の徹底、普及啓発・相談指導の充実を実施した。 2002年10月に提訴された薬害C型肝炎訴訟は、2008年1月に和解が成立し、同月に「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法」が成立し、医薬品医療機器総合機構において200億円の基金により給付金の支給事務が行われている。
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