モサラベ語とは? わかりやすく解説

モサラベ語

(Andalusi Romance から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/18 10:15 UTC 版)

モサラベ語(モサラベご、スペイン語: mozárabeポルトガル語: moçárabe)、あるいはアンダルス・ロマンス語(romance andalusí)、またはロマンダルシ語(romandalusí)[注釈 1]は8世紀から15世紀にかけて、イベリア半島の主に南部の住民によって話されたロマンス語の総称[1][2][3]。モサラベ語はイスラム教徒支配地域のアル=アンダルスで発達した言語で、そこに暮らすキリスト教徒住民であるモサラベによって話された。その後、キリスト教徒諸王国によるレコンキスタによって、その上位言語となった諸言語(ガリシア・ポルトガル語レオン語カスティーリャ語、ナバーラ・アラゴン語、カタルーニャ語)によって徐々に置き換えられ、15世紀にはほぼ消滅した。しかしながら、現在でも日常の言語使用の中にその残滓を見ることができる。表記にはアラビア文字が使用された。


注釈

  1. ^ スペイン語ではmozárabeという語はイスラム教徒支配下にとどまったキリスト教徒住民と、彼らの話す言語を表すという両義性があるため、非常に紛らわしいことと、実際にはモサラベ(キリスト教徒)以外のイスラム教徒やユダヤ教徒なども話していたため、アル=アンダルスで話されていたロマンス語を意味するアンダルス・ロマンス語やロマンダルシ語という名称が近年提唱されている。
  2. ^ 例えば、母音が表記されないことによって、正確な発音がよくわからないため。

出典

  1. ^ Corriente, F. (2004): El elemento árabe en la historia lingüística peninsular. En Cano, R. (coord.) Historia de la lengua española, Barcelona, Ariel.
  2. ^ a b Menendez Pidal, R. (1926). Orígenes del castellano. ISBN 978-84-239-4752-2 
  3. ^ a b Simonet, Francisco Javier. (1897-1903). Historia de los mozárabes de España. Real Academia de la Historia 
  4. ^ Solà-Solé 1973, p. 35 
  5. ^ (Wright 1982, p. 156)
  6. ^ a b (Wright 1982, p. 158)
  7. ^ García Soriano, Justo (1932) Vocabulario del dialecto murciano. Editora Regional de Murcia. pp. 196. ISBN 84-500-4063-9 9788450040630.
  8. ^ Gaspar Remiro, Mariano (2010). Historia de Murcia musulmana. Kessinger Publishing, LLC. p. 350. ISBN 1-167-63461-6 
  9. ^ (Galmés de Fuentes 1983, p. 47)
    「モサラベ語の母音の転写の難しさは、書記において母音が書かれないということだけでなく、アラビア語が3母音体系であるということと、母音接続あるいは下降二重母音が(アラビア語に)存在しないということである。アラビア語はよく知られているように母音は/a/、/i/、/u/の3つである。最初の困難さはロマンス語の母音/e/、/o/がアラビア語で書記される際に3つに減らされるということである。」


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