1953年ベルギーグランプリとは? わかりやすく解説

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1953年ベルギーグランプリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 07:48 UTC 版)

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 1953年ベルギーグランプリ
レース詳細
1953年F1世界選手権全9戦の第4戦
日程 1953年6月21日
正式名称 XV Grand Prix de Belgique
開催地 スパ・フランコルシャン, フランコルシャン, ベルギー
コース 恒久的レース施設
コース長 14.120 km (8.774 mi)
レース距離 36周 508.320 km (315.855 mi)
決勝日天候 晴(ドライ)
ポールポジション
ドライバー マセラティ
タイム 4:30.0
ファステストラップ
ドライバー ホセ・フロイラン・ゴンザレス マセラティ
タイム 4:34.0 (2周目)
決勝順位
優勝 フェラーリ
2位
  • ルイジ・ヴィッロレージ
フェラーリ
3位 マセラティ

1953年ベルギーグランプリ (1953 Belgian Grand Prix) は、1953年のF1世界選手権第4戦として、1953年6月21日スパ・フランコルシャンで開催された。

1952年と1953年は通常適用されるフォーミュラ1のレギュレーションではなく、フォーミュラ2のレギュレーションが適用された。

レース概要

前戦オランダGPから2週間後、ベルギースパ・フランコルシャンで開催された。フェラーリワークスは前戦と変わらずアルベルト・アスカリジュゼッペ・ファリーナ、ルイジ・ヴィッロレージ、マイク・ホーソーンの4台体制で、ノンワークスはルイ・ロジェがプライベーターとして参戦、エキュリー・フランコルシャンからジャック・スウォーターズとシャルル・ド・トルナコが参戦。マセラティのワークスはファン・マヌエル・ファンジオホセ・フロイラン・ゴンザレスに加え、同じアルゼンチン人オノフレ・マリモンと地元ベルギー出身のジョニー・クレエの4台体制で、ノンワークスではエマヌエル・ド・グラッフェンリードがこのレースからプライベーターとして参戦。ゴルディーニは負傷で前戦を欠場したジャン・ベーラが復帰し、モーリス・トランティニアン、ハリー・シェル、フレッド・ワッカーの4台体制。HWMは地元ベルギー出身のポール・フレール前年に続きベルギーGPにスポット参戦し、ピーター・コリンズとランス・マックリンとの3台体制。その他、ジョルジュ・ベルガーがシムカ・ゴルディーニで、アルスール・レガーがヴェリタスでそれぞれプライベート参戦し、エキュリー・ベルゲからアンドレ・ピレットがコンノートで参戦した。

アルデンヌの森にあるサーキットに、10万人を超える観客が詰めかけた。予選はマセラティのファンジオが平均117mphを出しポールポジションを獲得し、アスカリの連続ポールポジションは5でストップした(インディ500を除く)。そのアスカリは2位で、3位のゴンザレスまでがフロントロー、2列目にはフェラーリのファリーナとヴィッロレージが占める。3列目はマセラティのマリモンと、フェラーリのホーソーン、ゴルディーニのトランティニアンの3人となった。ド・グラッフェンリードとクレエが4列目、トランティニアン以外のゴルディーニのワークスドライバーは5列目から6列目となった。

レースは、マセラティのゴンザレスとファンジオが飛び出し、両者に挟まれたフェラーリのアスカリはやや出遅れる。ゴンザレスは2周目に平均速度110mphの速さでファステストラップを記録し首位を独走するが、11周目にエンジントラブルでリタイアした。その2周後にはファンジオもエンジントラブルでリタイアし、アスカリがトップに立つ。ファンジオはクレエと交代して、8位から追撃にかかる。フェラーリ勢も16周目にはファリーナがエンジントラブルでリタイア、ホーソーンも28周目に燃料パイプの問題でペースを落としていく。これにより、アスカリとヴィッロレージによるフェラーリのワンツー体制となる。ファンジオは猛烈な追い上げを見せ、最終周にはヴィッロレージを抜き2位まで浮上するが、スピンを喫しクラッシュしてリタイア[1]となった。結果、アスカリとヴィッロレージによるフェラーリのワンツー・フィニッシュとなり、マセラティのマリモンが3位で初の表彰台に立った。プライベーターのド・グラッフェンリードとゴルディーニのトランティニアンがポイントを獲得し、ホーソーンは6位でポイント獲得に及ばなかった[2][3]

アスカリは9連勝(インディ500を除く)で、2位のヴィッロレージに12ポイント差をつけ、選手権を大きくリードした。インディ500で優勝したビル・ブコビッチが3位で、ゴンザレスはリタイアしたがファステストラップの1点を加算し4位で、首位アスカリとは18ポイント差となった。残りのフェラーリのドライバーであるファリーナとホーソーンが6ポイントで並んでいる。

エントリーリスト

No. ドライバー エントラント コンストラクター シャシー エンジン タイヤ
2 ホセ・フロイラン・ゴンザレス オフィシーネ・アルフィエリ・マセラティ マセラティ A6GCM-53 マセラティ A6G 2.0L L6 P
4 ファン・マヌエル・ファンジオ マセラティ A6GCM-53 マセラティ A6G 2.0L L6 P
6 ジョニー・クレエ1 マセラティ A6GCM-53 マセラティ A6G 2.0L L6 P
8 ルイジ・ヴィッロレージ スクーデリア・フェラーリ フェラーリ 500 フェラーリ Tipo 500 2.0L L4 P
10 アルベルト・アスカリ フェラーリ 500 フェラーリ Tipo 500 2.0L L4 P
12 ジュゼッペ・ファリーナ フェラーリ 500 フェラーリ Tipo 500 2.0L L4 P
14 マイク・ホーソーン フェラーリ 500 フェラーリ Tipo 500 2.0L L4 P
16 ジャン・ベーラ エキップ・ゴルディーニ ゴルディーニ T16 ゴルディーニ 20 2.0L L6 E
18 モーリス・トランティニアン ゴルディーニ T16 ゴルディーニ 20 2.0L L6 E
20 ハリー・シェル ゴルディーニ T16 ゴルディーニ 20 2.0L L6 E
22 ランス・マックリン HWモータース HWM-アルタ 53 アルタ F2 2.0L L4 D
24 ポール・フレール HWM-アルタ 53 アルタ F2 2.0L L4 D
26 ピーター・コリンズ HWM-アルタ 53 アルタ F2 2.0L L4 D
28 オノフレ・マリモン オフィシーネ・アルフィエリ・マセラティ マセラティ A6GCM-53 マセラティ A6G 2.0L L6 P
30 エマヌエル・ド・グラッフェンリード エマヌエル・ド・グラッフェンリード マセラティ A6GCM-53 マセラティ A6G 2.0L L6 P
32 ルイ・ロジェ エキュリー・ロジェ フェラーリ 500 フェラーリ Tipo 500 2.0L L4 D
34 ジョルジュ・ベルガー ジョルジュ・ベルガー シムカ・ゴルディーニ T15 ゴルディーニ 1500 1.5L L4 E
36 アルスール・レガー アルスール・レガー ヴェリタス メテオール ヴェリタス 2.0L L6 E
38 フレッド・ワッカー エキップ・ゴルディーニ ゴルディーニ T16 ゴルディーニ 20 2.0L L6 E
40 アンドレ・ピレット エキュリー・ベルゲ コンノート-リー・フランシス タイプA リー・フランシス 2.0L L4 E
42 ジャック・スウォーターズ エキュリー・フランコルシャン フェラーリ 500 フェラーリ Tipo 500 2.0L L4 E
44 シャルル・ド・トルナコ フェラーリ 500 フェラーリ Tipo 500 2.0L L4 E
ソース: [4][5]
^1 —マセラティの6号車はクレエが13周走り、残りの周回は既にリタイアとなったファンジオが走った[6]

結果

予選

順位 No. ドライバー コンストラクター タイム
1 4 ファン・マヌエル・ファンジオ マセラティ 4:30
2 10 アルベルト・アスカリ フェラーリ 4:32 +2
3 2 ホセ・フロイラン・ゴンザレス マセラティ 4:32 +2
4 12 ジュゼッペ・ファリーナ フェラーリ 4:36 +6
5 8 ルイジ・ヴィッロレージ
フェラーリ 4:39 +9
6 28 オノフレ・マリモン マセラティ 4:40 +10
7 14 マイク・ホーソーン フェラーリ 4:42 +12
8 18 モーリス・トランティニアン ゴルディーニ 4:45 +15
9 30 エマヌエル・ド・グラッフェンリード マセラティ 4:49 +19
10 6 ジョニー・クレエ マセラティ 4:50 +20
11 24 ポール・フレール HWM-アルタ 4:52 +22
12 20 ハリー・シェル ゴルディーニ 4:53 +23
13 32 ルイ・ロジェ フェラーリ 4:56 +26
14 16 ジャン・ベーラ ゴルディーニ 4:57 +27
15 38 フレッド・ワッカー ゴルディーニ 5:03 +33
16 26 ピーター・コリンズ HWM-アルタ 5:03 +33
17 22 ランス・マックリン HWM-アルタ 5:14 +44
18 40 アンドレ・ピレット コンノート-リー・フランシス 5:23 +53
19 36 アルスール・レガー ヴェリタス 5:41 +1:11
20 34 ジョルジュ・ベルガー シムカ・ゴルディーニ 5:58 +1:28
21 42 ジャック・スウォーターズ フェラーリ No time
22 44 シャルル・ド・トルナコ フェラーリ No time
ソース:[7][8]

決勝

順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 グリッド ポイント
1 10 アルベルト・アスカリ フェラーリ 36 2:48:30.3 2 8
2 8 ルイジ・ヴィッロレージ フェラーリ 36 + 2:48.2 5 6
3 28 オノフレ・マリモン マセラティ 35 + 1 Lap 6 4
4 30 エマヌエル・ド・グラッフェンリード マセラティ 35 + 1 Lap 9 3
5 18 モーリス・トランティニアン ゴルディーニ 35 + 1 Lap 8 2
6 14 マイク・ホーソーン フェラーリ 35 + 1 Lap 7
7 20 ハリー・シェル ゴルディーニ 33 + 3 Laps 12
8 32 ルイ・ロジェ フェラーリ 33 + 3 Laps 13
9 38 フレッド・ワッカー ゴルディーニ 32 + 4 Laps 15
10 24 ポール・フレール HWM-アルタ 30 + 6 Laps 11
11 40 アンドレ・ピレット コンノート-リー・フランシス 29 + 7 Laps 18
Ret 6 ジョニー・クレエ†
ファン・マヌエル・ファンジオ
マセラティ 35 アクシデント 10
Ret 22 ランス・マックリン HWM-アルタ 19 エンジン 17
Ret 12 ジュゼッペ・ファリーナ フェラーリ 16 エンジン 4
Ret 4 ファン・マヌエル・ファンジオ マセラティ 13 エンジン 1
Ret 2 ホセ・フロイラン・ゴンザレス マセラティ 11 スロットル 3 1
Ret 16 ジャン・ベーラ ゴルディーニ 9 エンジン 14
Ret 26 ピーター・コリンズ HWM-アルタ 4 クラッチ 16
Ret 34 ジョルジュ・ベルガー シムカ・ゴルディーニ 3 エンジン 20
Ret 36 アルスール・レガー ヴェリタス 0 トランスミッション 19
DNS 42 ジャック・スウォーターズ フェラーリ - 予選に出走せず
DNS 44 シャルル・ド・トルナコ フェラーリ - 予選に出走せず
ソース:[9]

注記

第4戦終了時点でのランキング

ドライバーズ・チャンピオンシップ
順位 ドライバー ポイント
1 アルベルト・アスカリ 25
1 2 ルイジ・ヴィッロレージ
13
1 3 ビル・ブコビッチ 9
2 4 ホセ・フロイラン・ゴンザレス 7
1 5 ジュゼッペ・ファリーナ 6
  • :トップ5のみ表示。ベスト4戦のみがカウントされる。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 当時はチェッカーフラッグを受けなければ完走扱いとされず、順位が付かなかった
  2. ^ Belgian GP, 1953 Race Report”. Grandprix.com. 2014年6月24日閲覧。
  3. ^ 『F1全史 1950-1955』林信次、ニューズ出版、2000年、p.77。ISBN 4-89107-019-6
  4. ^ 1953 Belgian Grand Prix - Race Entries”. manipef1.com. 2012年5月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月6日閲覧。
  5. ^ 1953 Belgian GP - Entry List”. chicanef1.com. 2014年6月24日閲覧。
  6. ^ Belgian Grand Prix 1953 - Results”. ESPN F1. 2014年6月24日閲覧。
  7. ^ Belgium 1953 - Qualifications”. statsf1.com. 2014年6月24日閲覧。
  8. ^ 1953 Belgian Grand Prix - Qualifying and Race Results”. f1pulse.com. 2014年6月24日閲覧。
  9. ^ 1953 Belgian Grand Prix”. formula1.com. 2015年1月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月4日閲覧。

参考文献

外部リンク


前戦
1953年オランダグランプリ
FIA F1世界選手権
1953年シーズン
次戦
1953年フランスグランプリ
前回開催
1952年ベルギーグランプリ
ベルギーグランプリ 次回開催
1954年ベルギーグランプリ


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