1947年 - 1970年とは? わかりやすく解説

1947年 - 1970年

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/03 08:34 UTC 版)

ダイヤモンド類似石」の記事における「1947年 - 1970年」の解説

光学上の欠点改善され最初ダイヤモンド類似石合成ルチルTiO2二酸化チタン単結晶)である。1947-48年ごろから用いられはじめた合成ルチルは、まばゆいばかりの光に溢れたであった。いや、光り過ぎていた、と、言うべきかもしれない合成ルチル屈折率分散値(2.8と0.33)は、本物ダイヤモンドのそれをはるかに越えているため、結果として生じきらめきは目映いばかりの虹色呈しオパールではないかとすら思えてくる。合成ルチルはまた複屈折を示す。これはカットテーブルを光軸垂直にした場合、表には出ない特性だが、それがわずかでもずれると背面ファセット稜線二重に映ることであからさまになる。こうして合成ルチル一時はかなりもてはやされたものの、色が若干黄ばんで見えるのがどうやって改善できなかったので、次第用いられなくなってくる。しかしながら合成ルチル様々な金属酸化物不純物として混入させることにより、青や赤といった幅広い色石を得ることが可能である。こういった色石や無色に近い石は、それまでになかった石としてたいへんに人気博したのだが、この石はモース硬度も6以下と低くてつきやすく、おまけにかなり脆いので、次第身に付けられることもなくなりやがて消えていった。この素材第3酸素パイプ設けたトリコーンバーナという発明採用した改良ベルヌーイ法により合成された。チタン焼成にはさらに多量酸素を必要とするため、単結晶生成にはこういった工夫必要だったのである。この技術Charles H. Moore, Jr.によりニュージャージー州サウスアンボイ位置するナショナルリード(後のN.L.インダストリ)により発明された。合成ルチル製造はナショナルリードとユニオンカーバイドの2社でほぼ独占されピーク時年間生産量750,000カラット (150kg) に達した合成ルチルには多く流通名が付けられている。例を挙げれば「アストリル」 (Astryl) 「ダイヤモティスト」 (Diamothyst) 「ジャワゲム」 (Gava or Java Gem) 「メレディス」 (Meredith) 「ミリディス」 (Miridis) 「レインボーマジックダイヤモンド」 (Rainbow (Magic) Diamond) 「ルタニア」 (Rutania) 「チタンジェム」 (Titangem) 「チタニア」 (Titania) 「アルティメット」(Ultamite) などなど。 ナショナルリードはまた別のチタン化合物に目をつけ、その合成法研究した結果リリースされたのがチタン酸ストロンチウム(SrTiO3、タウソン石単結晶)である。この研究1940年代終わり頃から1950年初頭にかけ Leon Merker と Langtry E. Lynd の二人により、またもやトリコーンバーナを採用した改良ベルヌーイ法用いて行われた1955年チタン酸ストロンチウム市場導入されると、それまでイミテーションダイヤモンドの市場席巻していた合成ルチルにたちまちとって変わった。これはチタン酸ストロンチウム目新しかっただけではなく、その光学的特性ダイヤモンドきわめて近く屈折率は2.41、分散値は0.19)、合成ルチルけばけばしい極彩色外観をかなり改善できたためである。合成ルチルと同じ不純物混入させることにより、黄色オレンジ、赤、青、黒といった色石も得られた。本物ダイヤモンド同じく等軸晶系なので複屈折もなく、合成ルチルのようにファセット稜線二重見えることもないチタン酸ストロンチウム唯一にして最大の欠点は、焼成温度かなりの高温になる点を除けば耐久性乏しい点である。モース硬度は5.5と傷つき易く合成ルチルよりずっと脆い。それゆえチタン酸ストロンチウムと、安定した他の素材組み合わせたダブレット作成されたりもした。そういう欠点抱えてはいたが、この時点では最良ダイヤモンド類似石であったので、ピーク時年間生産量150カラット (300kg) に達した製法特許の関係からアメリカ合衆国内ではナショナルリードの一社独占製造され海外では日本の中住結晶ラボラトリー製造された。チタン酸ストロンチウムには「ブリリアンテ」(Brilliante)「ダイヤジェム」(Diagem)「ダイアモンティア」(Diamontina)「ファブライテ」(Fabulite)「マーベライト」(Marvelite) といった流通名が与えられた。

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