魔王の後継者
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カゼハヤ・カミト 詳細は「#カゼハヤ・カミト」を参照 スライマン・イェルシオン 本編の千年前にゾルディア王国辺境の小さな村に生まれた精霊使いの少年で、カミトと同じく〈闇の精霊王〉の転生者。当初は善良な性格で、人間に仇をなす魔獣や精霊と戦って多くの武功を立てて、やがて英雄と称賛されゾルディア王の一人娘を妻に迎えるまでになる。しかしスライマンを妬む者たちが、王女と結婚した数年後にスライマンがゾルディア王国と敵対していたエルフの少女イリスと愛し合い、子供までなした事実をつきとめてゾルディア王に密告したことで、イリスの住むエルフの村は焼き払われ、イリスとその子供は殺されてしまう。激怒したスライマンはゾルディア王国に反旗を翻し、数ヶ月にわたる戦いの末に捕らえられて、拷問を受ける。そして、民たちの前に引き出されて、かつて自分を讃えていた民たちが一転して自分を罵る姿を見て絶望の淵に立った時、〈聖王〉アレクサンドロスが呼び掛けてきて、自分と契約してこの世ならざる〈奇跡〉の力を得られればイリスを蘇らせることが出来る上に自分に更なる力を与えるだろうと告げられて、その代償として自分がこの世に破滅と混沌をもたらす〈魔王〉となれという条件を受け入れた。そして、〈聖王〉と契約したスライマンは〈奇跡〉の力を得て、ゾルディア王国の王と妻であった王女と家臣たちと民たちを皆殺しにして、イリスを精霊として蘇生させた。 そして、憎悪に飲み込まれたスライマンは〈聖王〉との契約通りに大陸全土を巻き込む〈魔王戦争〉を始め、いつしか〈魔王〉スライマンと呼ばれるようになった。その後、〈魔王戦争〉の終盤で〈聖女〉アレイシア・イドリースと〈アルカザルド〉の宮殿の〈天魔の大伽藍〉で死闘を繰り広げた末に敗れて、死亡した。しかし、スライマン・イェルシオンとしての末期の悔恨はサフィアーンという残留思念として次元の狭間に残った。 しかし、〈元素精霊界〉での最終決戦でミレニアが召喚した〈星の天使〉によって〈魔王〉スライマンとして具現化され、カミトやクレアと交戦した末にカミトに重傷を負わせるが、それによって〈闇の精霊王〉の力に飲み込まれたカミトの闇の魔剣で心臓を貫かれて消滅した。 ネペンテス・ロア 全身を漆黒の甲冑で覆った黒騎士。〈精霊剣舞祭〉に〈煉獄の使徒〉の一員として参加させるために、レン・アッシュベル(ルビア)の反魂の儀式に因って蘇った先代の魔王の後継者。 甲冑の中から飛び出す魔術で編まれた黒い鎖によって、他の精霊使いから神威を奪うことで強力になる。 全身の鎧は力を押さえ込む封印具であり、鎧の中は不定形の闇の塊で、辛うじて人の姿を留めており顔は髑髏のようで赤い目をしている。 6巻後半でカミト達〈チーム・スカーレット〉を襲撃し追い詰めるが、ミラ・バセットの〈聖王の師団〉によって形勢が逆転。カミトの絶剣技〈烈華螺旋剣舞・十六連〉によって肉体を切り刻まれ、〈魔王殺しの聖剣〉の一撃を受けて消滅した。 16巻後半で、〈魔王経団〉が保管していた魔王候補者たちの亡骸を、シェーラ(教主)が〈魔王の心臓〉の力を使って数体のネペンテス・ロアとして蘇らせてカミトたちに差し向けるが、カミトとドラクニアでの修行で実力を向上させたクレアとスカーレット(オルトリンデ)の敵ではなく、全て消滅した。アーヴリル・シェルマイス 16巻後半で、ゾハールに侵入したカミトたちの前に現れた数体のネペンテス・ロアの中でも最強の魔王候補者。本編の700年前に神聖ルギア王国で生まれた剣聖で、剣の極みに達したとされる伝説的人物。〈絶剣技〉の開祖でもあり、グレイワース・シェルマイスの先祖だと思われるが、真相は不明。カミトたちが〈精霊剣舞祭〉で戦ったネペンテス・ロアとは別次元の強さを誇り、〈魔王〉スライマンを除けば最も〈魔王〉に近づいた男とレスティアは評している。 ゾハールの〈魔蠍宮〉の庭園でカミトと交戦し、最初の激突でカミトの実力を確かめると周囲に瘴気の壁を張り巡らせてカミトとの一騎打ちを望むなど、他のネペンテス・ロアとは違って剣士としての意思を持った様子を見せた。カミトが知る〈絶剣技〉とは微妙に異なる剣技でカミトと死闘を繰り広げるが、アーヴリルが知らなかった〈絶剣技〉の後継者が編み出し継承した〈天絶閃衝〉によって両断され、片言ながら見事だと呟いて消滅した。
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