細胞内の核に含まれるプリン体が分解される際に生じる老廃物の尿酸が、尿中に排泄されずに、血中濃度が異常に高まった状態のことで、尿酸値が7mg/dl以上になると高尿酸血症と診断され、9mg/dl以上、もしくは8mg/dl以上で合併症(腎障害、高血圧、糖尿病、肥満など)を伴うものは薬物療法を含む早期の治療がすすめられます。
高尿酸血症には、尿酸の排泄がうまくいかないタイプ、体内で尿酸をつくりすぎるタイプ、両者の混合型の3つがあり、日本人には排泄がうまくいかないタイプが多いとされています。女性ホルモンには腎臓からの尿酸の排泄を促す作用があるため、明らかな性差があり、患者さんの大半が男性です。
高尿酸血症を放置すると、尿酸塩の結晶が体内にたまり、激痛を伴う痛風発作や尿路結石症を引き起こしますし、動脈硬化を進めるリスクとなる疑いも強いとされます。尿酸値は6mg/dl以下にコントロールすることが望ましく、そのためには、レバーや魚卵などプリン体の多い食品ばかりに偏った食事や多量飲酒などを控えることが大切です。
こうにょうさん‐けっしょう〔カウネウサンケツシヤウ〕【高尿酸血症】
高尿酸血症
高尿酸血症【こうにょうさんけっしょう】
高尿酸血症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/01 02:53 UTC 版)
高尿酸血症 | |
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尿酸の構造式 | |
概要 | |
診療科 | 内分泌学 |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | E79.0 |
ICD-9-CM | 790.6 |
DiseasesDB | 5375 |
eMedicine | med/1112 |
MeSH | D033461 |
高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう、英語: hyperuricemia)とは、ヒトの血中に存在する尿酸の濃度が異常に高い状態のことである。具体的数値としては、血中尿酸濃度が7mg/dLを超えると高尿酸血症とする。DNAの合成に不可欠な物質であるプリン体の産生過剰あるいは排泄低下がその原因である。
解説
生活習慣病として誰にでも起こりうる。体が合成する尿酸は食物由来の尿酸より数倍多いとされ、肥満が決定的な危険因子となる。プリン体の多い煮干しやレバー、白子などは長期にわたって大量に摂取すれば危険因子である[1]。
グルコースがリン酸化されてグルコース-6-リン酸となって細胞内に一時的に留まりゆっくりと解糖されるのに対して、アルコールや果糖の代謝にあたっては急速に解糖が進み乳酸の大量に生成されてアシドーシスが進む場合があり[2]、尿酸の排泄や析出に影響を与え、痛風を起こすきっかけとなることがある。果糖は果物を常識的な量で摂っている分には問題ないが、工業的に作られた果糖を清涼飲料水から大量に飲むと問題が発生する懸念が否定できない。
特殊例には、先天性の原因としては、HGPRT欠損症(レッシュ・ナイハン症候群)やAPRT(アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ)欠損症が知られている。後天性の原因としては、薬物(利尿薬、アスピリン)、悪性腫瘍などがある
詳細に検討すると、高尿酸血症をおこす患者は、尿酸の排泄が低下している患者と産生が亢進している患者にわけられる。日本では尿酸排泄低下型が60%、産生亢進型が20%、混合型が20%をしめる。
ヒトを含めたヒト上科は尿酸をアラントインに分解する酵素である尿酸オキシダーゼ(ウリカーゼ)が失活している[3] ことから高尿酸血症をひきおこす[注 1]。霊長類ヒト上科を除く多くのほ乳類はウリカーゼを有しており、尿酸を5-ヒドロキシイソ尿酸に酸化し、さらにアラントインに酸化・代謝することができるため先天性の原因がないかぎり高尿酸血症がおこることはない。
(尿酸オキシダーゼによる代謝反応) 尿酸
高尿酸血症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 07:54 UTC 版)
国立病院機構九州医療センターの研究によると、閾値を男性で尿酸値7.0mg/dL以上、女性で6.2mg/dL以上としたとき高血圧症患者が高尿酸血症を合併症とする率は男性 34.1%、女性 16.0%で認められ、約9割は排泄低下型の高尿酸血症であった。
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