高屈折率ナノコンポジット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/21 03:21 UTC 版)
「高屈折率高分子」の記事における「高屈折率ナノコンポジット」の解説
有機高分子マトリックスと高屈無機ナノ粒子を組み合わせるハイブリッド技術によって、高屈折率なナノコンポジットが作製できる。このナノコンポジットの屈折率は、高分子マトリックスやナノ粒子の特性、有機成分と無機成分のハイブリッド技術によって決まる。ナノコンポジットの屈折率は、 n c o m p = Φ p n p + Φ o r g n o r g {\displaystyle {n_{comp}}={\Phi _{p}}{n_{p}}+{\Phi _{org}}{n_{org}}} から推測できる(ここで、 n c o m p {\displaystyle {n_{comp}}} , n p {\displaystyle {n_{p}}} , n o r g {\displaystyle {n_{org}}} はそれぞれ、ナノコンポジット,ナノ粒子,高分子マトリックスの屈折率を表し、 Φ p {\displaystyle {\Phi _{p}}} , Φ o r g {\displaystyle {\Phi _{org}}} はそれぞれ、ナノ粒子,高分子マトリックスの体積分率を表す)。 高屈折率ナノコンポジットを設計する際は、ナノ粒子の導入量を制御することが重要である。なぜなら、過剰にナノ粒子を導入すると光損失が増える上に、ナノコンポジットの加工性が損なわれるからである。ナノ粒子を選択する時は、それらの粒子径と表面特性を考慮する必要がある。ナノコンポジットの透明性を確保し、レイリー散乱を低減するためには、ナノ粒子の粒径が25 nm以下であることが望ましい。また、ナノ粒子と高分子マトリックスを直接混合するとナノ粒子の凝集が起こりやすいため、ナノ粒子の表面を改質することが一般に行われる。 高屈折率ナノコンポジットに導入されるナノ粒子は、TiO2(アナターゼ型,n=2.45;ルチル型,n=2.70),ZrO2(n=2.10),アモルファスシリコン(n=4.23),PbS(n=4.20),ZnS(n=2.36)等である。また、高分子マトリックスは屈折率の高いポリイミドがよく利用される。このナノコンポジットは1.57—1.99の範囲で屈折率を調整することができる。
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