高分子の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/26 09:00 UTC 版)
高分子はその由来によって、自然界の産物である天然高分子(英: natural macromolecule)と、人工的に合成された合成高分子(synthetic macromolecule)、天然高分子から化学的に誘導された半合成高分子(semisynthetic macromolecule)に分類される。さらに、高分子を構成する分子によって有機高分子(organic macromolecule)と無機高分子(inorganic macromolecule)にそれぞれ分けられる。天然の有機高分子は生物によって合成されるため、生体高分子とも呼ばれる。これらの分類方法とは別に、特に生体高分子において繰り返し構造の規則性での分類もある。ただ1種の構成単位が単一の連結法で繰返された構造を持つ化合物を規則性高分子(regular macromolecule)という。2種以上の構成単位の繰返しからなる構造をもつ、あるいは構成単位の連結法が単一でない構造をもつ高分子を不規則性高分子(irregular macromolecule)という。 天然高分子 有機かつ規則性高分子 ポリアミン、一部の脂質、セルロース、アミロース、デンプン、キチン、天然ゴム 有機かつ不規則性高分子 ポリペプチド、タンパク質、DNA、RNA、一部の脂質、リグニン、アスファルテン 無機高分子かつ規則性高分子 二酸化ケイ素(水晶、石英)、雲母、長石、石綿、天然由来の炭素同素体(ダイヤモンド、黒鉛)、閃亜鉛鉱、ウルツ鉱 合成高分子 有機かつ規則性高分子 合成樹脂(プラスチック)(ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、フェノール樹脂など)、シリコン樹脂(シリコンゴム、シリコンオイル)、合成繊維(ナイロン、ビニロン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタラートなど)、合成ゴム 無機かつ規則性高分子 ポリシロキサン、ポリホスファゼン、ポリシラン、窒化硫黄ポリマー、ガラス、合成ルビー、合成された炭素同素体(人工ダイヤモンド、人工グラファイトなど) 半合成高分子 有機かつ規則性高分子 三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、硝酸セルロース、セルロイド、再生高分子(再生繊維レーヨン) また、共重合体の単位構造配列による分類方法もある。 ランダム共重合体 交互共重合体 ブロック共重合体 グラフト共重合体 高分子の分岐の程度で以下のように分ける。 線状高分子 (liner macromolecule) 実質的または概念的に、相対分子質量の小さい分子(単量体など)に由来する単位が線状に数多く繰返された構造をもつ高分子 星型高分子 (star macromolecule) 1個の分岐点から線状分子鎖(腕)が出ている高分子。星型高分子の腕が構成(化学構造)および重合度に関して同じである場合、その高分子のことを規則性星型高分子 (regular star macromolecule)という。異なる場合は混合鎖星型高分子 (variegated star macromolecule) という。ただし、規則性星型高分子の規則性とは骨格構造の規則性であり、規則性高分子の規則性とは若干意味が異なる。 櫛型高分子 (comb macromolecule) 線状側鎖が出ている三叉分岐点(定義 1.54 参照)を主鎖(定義 1.34 参照)に数多くもつ高分子。主鎖中の分岐点間の副分子鎖および主鎖の末端の副分子鎖が構成(化学構造)および重合度に関して同じであり、側鎖も構成(化学構造)および重合度に関して同じである場合は、その高分子を規則性櫛型高分子 (regular comb macromolecule) という。 ブラシ状高分子 (brush macromolecule) 少なくとも数個の分岐点が3よりも多く枝分かれしている高分子
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