食堂車2両付の特急
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 10:57 UTC 版)
「国鉄キハ80系気動車」の記事における「食堂車2両付の特急」の解説
「白鳥」と「かもめ」は、貫通型を採用したキハ82形の分割併合機能を活かした2つの目的地を持つ2階建て列車で、以下の理由からそれぞれの編成に1両ずつ食堂車が連結された。 当初は食堂車のキシ80形のみ両渡り構造としており、制御回線を同車でクロスさせていたために片渡り構造の座席車のみでの編成組成が原則不可であったこと。 編成が分割されている区間で双方の編成とも単独走行距離が長大である。 食堂車スタッフの乗務面や食材の搭載・仕込みの手間などを考慮すると途中駅から区間営業をするのが困難。 この結果「白鳥」大阪 - 直江津、「かもめ」京都 - 小倉の併結区間では編成内食堂車が2両同時に営業するスタイルを採用した。 1編成内供食車2両連結同時営業は、全室食堂車+半室形ビュフェもしくは半室形ビュフェ2両のケースでは多数存在するが、全室形食堂車2両を営業列車で定期運行した事例は、日本の鉄道史上では本系列のみの実績である。 「かもめ」食堂車2両組込編成・調理接客担当業者 ← 長崎 京都 → ← 宮崎 京都 → 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 キハ82 キロ80 キシ80 キハ80 キハ80 キハ82 キハ82 キロ80 キシ80 キハ80 キハ80 キハ82 長崎編成・都ホテル 宮崎編成・日本食堂 備考 1963年10月1日から長崎・宮崎編成ともキハ80形1両増車。 編成ごとの担当業者ならびにメニュー相違から、当該列車をよく利用する客は気分や好みで使い分けをしたり、味の比較を行ったというエピソードも残っている。 1963年12月5日からは上野 - 秋田間の「つばさ」に盛岡発着編成の併結運転が開始され、上野 - 福島間は食堂車2両連結となった。 これら3列車はいずれも1965年10月1日ダイヤ改正で「つばさ」「白鳥」は運転系統の分割、「かもめ」は宮崎編成を「いそかぜ」として分離独立させた上で鹿児島本線経由西鹿児島発着に変更、長崎編成からキシ80形を減車したため食堂車2両連結特急の運行は1961年 - 1965年の4年間で終了した。 なお本措置終了後に向日町運転所が担当する2階建て列車では、下り方にキシ80形組込7両基本編成を組込むと3号車が食堂車となり組成位置が偏ることから、6両付属編成を下り方に連結し、キシ80形が9号車になる変更を実施した。同様の措置は1979年夏ダイヤ以降に函館 - 釧路・旭川間で運転されていた「おおぞら」2号・3号でも採られた。
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