キハ82形 (1 - 110)
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「国鉄キハ80系気動車」の記事における「キハ82形 (1 - 110)」の解説
キハ82 106(左)キハ82 107車内(右) 1961年から1967年までに110両が製造された。キハ81形に代わって開発された本系列の貫通型先頭車である。発電セットを床下搭載としてボンネットを廃止し、当時の一般形・準急形気動車や急行形電車同様の貫通式運転台を採用した。客室レイアウトもキハ81形から、トイレ・洗面所位置をデッキ寄りに変更。売店を廃止し客室を拡大したため座席定員はキハ81形より座席3列分12人多い52人となった。 一時は気動車特急の代名詞的存在となり、スタイリングはキハ181系やキハ391系はもとより、民営化後に製造されたキハ189系や373系電車にも受け継がれた。造形面での優美さと機能性を兼ね備えた完成度の高い前頭形状は、今なお工業デザイナーや鉄道愛好家から高く評価される正面貫通式で両側に若干の後退角を伴ったパノラミックウインドウ(曲面ガラス)付き高運転台は、星晃 らの手で同年に設計されたクハ153形500番台にも採用された当時最新のデザインであるが、灯具位置や塗色の違いから両者の印象は相当に異なる。 153系電車などのような列車種別表示幕は設けず、屋根上両側に前照灯と標識灯をセットとした横長のライトケースを設置した。パノラミックウインドウは、前面の平面部分から曲面部分までがシームレスの大きな一体型ガラスで、コスト高を押して採用された。窓下には鳥の翼を思わせる広幅の赤帯を塗装してアクセントとしており、このイメージは後のキハ181形にも多少の改良を伴いながら継承された。 貫通扉にはドアサイズに合わせた小型の列車愛称表示板と逆三角形の特急シンボルマークを装備する。貫通幌は収納時には車体側の凹みに面一で格納され、通常の貫通幌のように飛び出ることのないスマートな外観となった。 1963年(昭和38年)製の46- はAU12形冷房装置の搭載位置を変更し5基に増設。さらに洗面所寄りにはダクトが追加された。従来の車両も順次追設工事 が施工された。また1965年製の78- は台車をDT31B/TR68A形に変更した。
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