キシ80形 (1 - 37)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 10:57 UTC 版)
「国鉄キハ80系気動車」の記事における「キシ80形 (1 - 37)」の解説
キシ80 20(左)サシ489-4(右)公式側男子従業員用トイレ・業務用扉の位置構造に差異 キシ80 26(左)サシ481-52(右)非公式側水タンク室・窓配置・業務用扉の位置構造に差異 1961年 - 1967年に37両が製造された。キサシ80形から以下の設計変更を実施した。 アンダーパワーを解消する目的から床下搭載エンジンを発電用1基から走行用2基へ変更。 水タンクを厨房側車端床上に搭載。 後位側乗務員室を食堂従業員控室とした上で位置を水タンク室前位側へ変更。 調理用電源給電はキハ82形もしくはキハ81形からの供給のみとする。 サシ151(161・181)形ならびに同形式の設計思想を受け継いだサシ481・489形と主要構造はほぼ同一であるが、キサシ80形から車内レイアウトの大きな変更点として、水タンクを床上搭載としたため食堂定員を40人から左右1卓ずつ減り8卓32人に減少させた。このため食堂部と厨房側通路部の窓が1ブロックずつ少なく調理室側車端部の男子従業員用トイレならびに外吊式ではなく通常の引戸を採用した業務用扉は車体中央部寄りに設置するなど外観は当然ながら、キサシ80形は基より電車用のサシ151(161・181)・481・489形と比較しても厨房・食堂は若干コンパクトになる差異がある。 当初はキサシ80形同様に走行位置表示板を搭載したが、運用区間拡大や他線への転用時に撤去した。クーラーパネルは初期車ではキサシ80形と同タイプを装備したが、後の増備車では座席車と同じ改良型に変更した。 35・36は台車をDT31B形へ変更し走行位置表示器を廃止。1967年1月落成の最終増備車37は、さらに食堂部窓を大窓化しベネシャンブラインドを装備しており、同年夏以降に製造開始となった583系電車やキサシ180形の試作的要素を持った異端車である。 1986年11月1日ダイヤ改正で、函館運転所が担当する「おおとり」「オホーツク」編成のキハ183系置換えを最後に定期運用が終了。1987年の分割民営化時には同所所属となる29・36・37の3両が保留車のままJR北海道に承継。36・37は1990年に廃車となったが、29は1988年3月にジョイフルトレイン「トマムサホロエクスプレス」用の501へ改造。同車は2007年6月6日付で廃車され形式消滅となった。
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