順位の決定方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/24 14:59 UTC 版)
順位の決定に当たっては、勝率や勝ち点を使用するのが一般的である。総当たり戦は各チームとも総試合数が同じであり、全ての試合において勝敗が決する場合には勝率による順位と勝利数による順位が一致する。この場合、勝利数でなく勝率を使うのが一般的であるが、これは単に暫定順位を正しく表示できるからであり、内容に差があるわけではない。しかし、勝利・敗北の他に引き分けを採用しているときは、引き分けをどう評価するかで差異が生じ、勝率の計算方法も違ってくる。引き分けを分母から除外して計算する方法(採用例:日本のプロ野球)・反対に引き分けを分母から除外せず、敗戦と同等とみなして計算する方式・引き分けを0.5勝0.5敗として計算する方法(採用例:NFL)などがある。(→勝率) 勝率による順位決定方式のほか、勝利や引き分けに相応の点数を与える勝ち点方式もサッカーをはじめとする多くの競技で採用されている。勝ち点方式を採用した場合、試合の消化数が一致しないと暫定順位に狂いが生じるが、伝統的な順位決定方法として多くの競技で採用されている。(→勝ち点) 二者の成績が並んだ場合の対処法は、大きく分けて2つある。複数の二次指標を優先順位をつけて用意する方法と、追加試合で決着をつける方法である。アメリカのプロ野球では、地区優勝または2本目のワイルドカードの対象チームが同率の場合、追加試合(one-game playoff)が実施される。日本プロ野球でもかつては同率首位の場合に同様のことを行っていたが、プレーオフの導入以降、直接対決の勝率や勝利数などで順位を決定するようになった。 二次指標の例として、以下のようなものがある。 野球のWBCやアジアシリーズでは失点率が採用された。 サッカーでは得失点差・総得点・直接対決成績などにより順位を決定する。 セット率は主にバレーボールで利用される。取ったセット数を取られたセット数を除して算出する。取られたセットが0の場合は「MAX」などと表記し、数値としては無限大として扱う。 卓球の団体戦では、人数・セット数・ポイント数を比較して順位を決定することがある。 バスケットボール世界選手権ではかつて、得点合計÷失点合計 といった指標も用いられていた。 将棋では、前期(あるいはそれ以前)の成績を元にして順位付けを行う。 また、複数の指標でそれぞれ1位となったチーム間で優勝決定戦を実施していた例もある。セントラル・リーグでは2001年は勝利数1位球団と勝率1位球団が異なる場合、2002-06年は勝率1位球団が勝利数で勝率2位球団を下回った場合に、追加の3試合で1位を決めることになっていた。 プレーオフの結果が地区順位決定に用いられることもある。パシフィック・リーグでは2004年から2006年までの間、プレーオフの第1ステージ勝利チームが第2ステージも突破して日本シリーズに進出した場合、第1ステージ勝利チームが(パシフィック・リーグの)リーグ優勝となるルールであった。またNFLでは、翌年のドラフト順を決定する際にプレーオフの結果が優先される。 表1:総当り戦の例ABCDEF勝数敗数引分勝率勝点勝率順位勝点順位AチームN/A 6-6-0 8-2-2 6-6-0 8-2-2 9-3-0 37 19 4 .661 115 1 2 Bチーム6-6-0 N/A 9-3-0 8-4-0 8-4-0 7-3-2 38 20 2 .655 116 2 1 Cチーム2-8-2 3-9-0 N/A 7-5-0 8-3-1 8-4-0 28 29 3 .491 87 3 3t Dチーム6-6-0 4-8-0 5-7-0 N/A 7-5-0 7-5-0 29 31 0 .483 87 4 3t Eチーム2-8-2 3-8-1 3-8-1 5-7-0 N/A 8-4-0 20 36 4 .357 64 5 5 Fチーム3-9-0 3-7-2 4-8-0 5-7-0 4-8-0 N/A 19 39 2 .328 59 6 6 ※勝率は引き分けを除外して算出。勝点は勝利3、引き分け1で算出。
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