「リーグ順位」の決定方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/24 09:14 UTC 版)
「クライマックスシリーズ」の記事における「「リーグ順位」の決定方式」の解説
セ・リーグ、パ・リーグは共にレギュラーシーズンの成績によってのみ、そのシーズンのリーグ順位を確定する。リーグ優勝制度が維持されるため、クライマックスシリーズによる順位の入れ替えは行わない(クライマックスシリーズ優勝球団の表彰は別途行う)。プロ野球ドラフト会議(年度により「大学生・社会人ドラフト」)の指名順も、レギュラーシーズンの最終順位を基準に決定する。 レギュラーシーズンの順位については「クライマックスシリーズ開幕予定日の2日前までに組み込まれた日程終了時点での順位をもって確定する」と定めており、クライマックスシリーズの出場球団もこの時点の順位を元に決定する。未消化試合があった場合はCSと並行して可能な限り開催するとしている。 過去にCSと並行開催となったケースや、日程消化の問題が発生したケースとしては以下の事例がある。 2013年はファーストステージ開催日の10月12日・13日に楽天(優勝)対オリックス(Bクラス確定)戦を開催した。この年は優勝は早々に決定したものの、2 - 4位が混戦で10月に入っても順位が確定しなかったため、進出可能性が残るチームの試合を優先して組んだ。結果的には、この2試合以外の試合は10月8日までに全て終了した。 2014年はセ・リーグで特に、雨天中止による日程消化の問題が生じたため、消化試合の扱いが検討されたが、同シリーズへの出場チームは規定に沿ってファーストステージ開幕2日前の10月9日終了時の順位を参考として決定、またリーグ戦は基本的にこの10月9日までに全試合の日程を消化させることを大前提として試合を行うが、それでも消化試合が残った場合でも、極力同年度の日本シリーズ開幕前の10月20日までにすべての日程を消化させ、各チーム144試合ずつを消化した段階での順位で最終順位を決めるという取り決めがなされた。なお、10月7日までに全日程が終了した。 2018年は初めて、セ・パ両リーグ共にファーストステージ開催日にレギュラーシーズンの試合を開催した(10月13日の中日対阪神戦、ロッテ対楽天戦。いずれのチームもBクラス確定)。この年は雨天中止に加えて、豪雨・地震・台風などの災害による中止が相次ぎ、特にセ・リーグではファーストステージ開幕2日前の10月11日までに全日程を消化できない可能性が浮上した。これを受けて9月20日、上記2014年と同様の取り決めを確認した。Aクラスの可能性を残していた阪神が9月30日の時点で計算上予備日がなくなったため(10月11日まで残り11日間で、阪神は11試合を残していた)、20年ぶりとなるダブルヘッダーを行うことも検討されていた。結果的には10月4日に阪神のBクラスが確定し、日程未確定の11日はAクラスの可能性があったチームとの試合の予備日となり、残った対中日戦1試合(中日もBクラス確定)は10月13日に組まれた。これ以外の試合は10月10日までに終了した。 また、パ・リーグでも特にロッテの試合消化が遅れていたが、Bクラスが確定。日程はAクラス確定チームとの試合とその予備日を優先し、1試合日程が未確定だった対楽天戦(楽天もBクラス確定)は10月13日に組まれた。これ以外の試合は10月11日までに終了した。 この件を受け、2019年シーズンはセ・リーグでも月曜日などの試合がない日にも予備日を設定することとなった。 従ってリーグ優勝が確定しないままにクライマックスシリーズ進出となるケースや、実際の確定順位と、クライマックスシリーズ出場選考のための順位が異なり、クライマックスシリーズに出場しても、最終的に実順位でBクラス(その逆で実順位はAクラスだが、クライマックスシリーズ出場を逃す)、ないしは実順位は3位でも選考順位2位でファーストステージ主管権を得るなどといったケースが発生する恐れもありえることになる。 また、両リーグともにアグリーメントでレギュラーシーズンの試合は10月20日までに終了することとしている(何らかの理由により開幕が延期された場合は除く)ため、CS進出チームの試合が残り、最終ステージまで進出した場合には未消化のまま打ち切りとなる可能性もある。 レギュラーシーズンの順位は勝率を基準とする。勝率の計算式については、引き分けを除外した次の公式が用いられている。 勝率=勝利数÷(試合数-引き分け試合数)=勝利数÷(勝利数+敗戦数)。尚、勝率が並んだ場合は以下のように順位を決める。 セ・リーグ 勝利数が多い球団 直接対決で勝ち越している球団(3チーム以上並んだ場合は当該チーム間の対戦成績を合算した上で比較) 前年度順位の上位球団 パ・リーグ 直接対決で勝ち越している球団(3チーム以上並んだ場合は当該チーム間の対戦成績を合算した上で比較) セ・パ交流戦を除いたリーグ戦(全125試合)における勝率 前年度順位の上位球団 (例)同勝率で並んでいるA球団とB球団がある場合(143試合制での換算) A球団が70勝70敗3分、B球団が71勝71敗1分、A球団とB球団の直接対決でA球団が13勝、B球団が12勝だった場合、セ・リーグでは勝ち数の多いB球団が上位、 パ・リーグでは直接対決で勝ち越しているA球団が上位となる。万が一、勝敗数や対戦成績が同じ場合には一発勝負のプレーオフは行わず、セ・リーグは前年度順位の上位球団、パ・リーグは交流戦を除いたリーグ戦での勝率の高い方が上位となる(リーグ戦勝率も同じ場合は前年度順位の上位球団)。 (例)セ・リーグの「同勝率で勝利数が異なる」ケース(143試合制での換算) 5割以外の場合は、4勝3敗の倍数となる勝率5割7分1厘(80勝60敗3分 貯金20、76勝57敗10分 貯金19)や、3勝2敗の倍数となる勝率6割(84勝56敗3分 貯金28、81勝54敗8分 貯金27)及び、2勝1敗の倍数となる勝率6割6分7厘(94勝47敗2分 貯金47、92勝46敗5分 貯金46)といった前述等の倍数での勝率となり非常に稀なケースに限られてくる。 パ・リーグの「交流戦を除いた勝率」 実質的には交流戦の勝率が低かった方ということになる(交流戦での勝率の低いチームの方がリーグ戦に占める勝ちが多いため)。 この同率でも必ず違う順位にする順位決定方法はクライマックスシリーズが始まってからその実施のために決定されたものであり、それまでは同じ順位になることがあった。 詳細は「プレーオフ制度 (日本プロ野球)#勝率1位同士によるプレーオフ」を参照
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