青いバラ
青いバラ―不可能の代名詞
4月に入り、新入学、新入社のフレッシャーたちは、夢と希望を胸に、毎日が驚きかも知れません。今回のキーワード「青いバラ」の開発ように、常に“チャレンジ精神”を持って、積極的に新しい勉強や仕事に勤しみ励むことを心から期待しています。
不可能の代名詞ともいわれる「青いバラ」。長年、多くの育種家や研究者が、世界中のバラを交配して挑戦してきました。
現在、「青いバラ」として出回っているバラはいくつかありますが、それらはいずれも真に青い色ではなく、紫色や藤色、薄いラベンダー色やブルーグレーに近い色などです。
植物がさまざまな色に見えるのは、含まれる色素の働きによるもの。花の4大色素(注参照)の中で青色に見せる働きをするものは、フラボノイドの一種であるアントシアニン。アントシアニンの中でも特に重要な青色の色素が「デルフィニジン」です。バラにはもともとこのデルフィニジンが含まれていません。
2004年6月、サントリー株式会社は、豪フロリジン社と共同で、世界で初めてバイオテクノロジーを用いた「青いバラ」の開発に成功しました。
1990年からの開発の歩みは、同社ホームページ「青いバラ開発の歴史」に詳しいですが、94年にはペチュニアの青色遺伝子を入れたバラが開花。当時話題になった世界初の「青いカーネーション」は、この「青いバラ」開発の過程で1995年に誕生したもので、わが国では、97年から「ムーンダスト」ブランドとして販売しています。
96年には、パンジー由来の青色遺伝子を導入したバラがデルフィニジンを作ることがわかり、98年〜99年頃にはやや青みを帯びたバラを得ることに成功、さらにデルフィニジンを100%近くまで蓄積させることで、04年青いバラの誕生に至りました。
今後は、今回開発したバラを交配親として育種することで、バラに青色色素を生産する能力を導入、バラの色をより多彩にする可能性が期待できるとしています。
一般向けの販売は、07年以降の予定。今年にも多くの方に抱かれる姿が見られるかも知れません。
注:
フラボノイド(白からクリーム黄、黄、橙赤、赤紫、紫、青)・カロチノイド(黄から橙、橙赤、赤)・ベタレイン(黄から赤、紫)・クロロフィル(緑)の4種類。
中でも一般的なのがフラボノイド。その中にフラボン、フラボノール、カルコン、オーロン、アントシアニンがある。アントシアニンは赤から紫、青、水色まで幅広い発色をする色素。
(掲載日:2007/04/03)
青いバラ
長年多くのバラの育種家が青い色のバラを作ることができなかったことから、青いバラは「不可能の代名詞」といわれるほどであった。これは、バラの花弁には、青色色素“デルフィニジン”を作るために必要な酵素の遺伝子が機能していないことから、青色色素に由来する青いバラは存在しなかったためである。
遺伝子組換え技術を用いた「青いバラ」は、パンジーから青色色素に関わる遺伝子を取り出し、バラに組み込むことで開発された。
このバラは花びらにデルフィニジンをほぼ100%含んでいるため、今までにない青さのバラになっている。
青いバラは2008年1月にカルタヘナ法に基づき、切り花用に使用・栽培するための承認が得られた。
サントリー社が、オーストラリアのフロリジン社と共同で、世界初で始めて開発した青い色のバラのこと(右写真参照)。 長年多くのバラの育種家が青い色のバラを作ることができなかったことから、青いバラは「不可能の代名詞」といわれるほどであった。これは、バラの花弁には、青色色素“デルフィニジン”を作るために必要な酵素の遺伝子が機能していないことから、青色色素に由来する青いバラは存在しなかったためである。 遺伝子組換え技術を用いた「青いバラ」は、パンジーから青色色素に関わる遺伝子を取り出し、バラに組み込むことで開発された。 このバラは花びらにデルフィニジンをほぼ100%含んでいるため、今までにない青さのバラになっている。 青いバラは2008年1月にカルタヘナ法に基づき、切り花用に使用・栽培するための承認が得られた。 | 拡大表示 |
青いバラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/03 09:26 UTC 版)
青いバラ(あおいバラ)
- ^ 日本気象協会 (2016年5月28日). ““青いバラ”の花言葉が、「不可能」から「夢かなう」に 奇跡のバラともいわれる「青いバラ」がどのように誕生したのか。”. ITmedia. 2016年6月13日閲覧。
- 1 青いバラとは
- 2 青いバラの概要
「青いバラ」の例文・使い方・用例・文例
- 青いバラのページへのリンク