鉱物学の歴史とその意義とは? わかりやすく解説

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鉱物学の歴史とその意義

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/17 06:21 UTC 版)

鉱物学」の記事における「鉱物学の歴史とその意義」の解説

鉱物対象とした学問は、全て鉱物学呼べる。とは言え、あくまで地球惑星科学一分科でありながらその中で博物学結晶学無機化学固体物理学手法的に異な4つ学問共存している点が、鉱物学全貌把握することを困難にしている。対象同一異な手法共存する学問は、工学分野では極めて一般的である。しかし理学分野では、物理学(および地球物理学)・化学(および地球化学)・地質学のように学問分野手法定義することが主流であり、学問分野対象定義した鉱物学一線を画している。この点では鉱物学生物学と近い。なお、地質学過去の出来事推測する歴史科学一分野であり、歴史科学の手法を用いるが、鉱物学は必ずしも歴史科学ではない。 歴史的に鉱物学岩石構成する鉱物分類と密接に関係している。1920年代以前より続く伝統的な記載鉱物学は、鉱物命名行ったり、鉱物分布調べたりすることである。博物学一分野とも言える(この意義は現在でも決し衰えていない)。 近代1920年頃より、1970年頃までを指す)の鉱物学主流は、X線回折法中性子回折法により鉱物結晶構造解析を行う事であったこのため近代鉱物学結晶学類縁分野とも見なすことが出来る。これは日本結晶学会学会員を「物理学」「化学」「鉱物学」の3分野区分していたことが代表例である。 1970年代までに、天然産出するほとんどの鉱物おおまかな結晶構造解明されつくされた。この頃は、鉱物学の手法的な進歩一時的に停滞期にあったと言える。しかし1980年代後半以降高圧合成法溶液成長法、気相成長法などの実験手法発達し、またコンピュータ駆使して結晶挙動原子レベルシミュレーションすることが可能になってきた。このため最先端である現代鉱物学主流分野は、実験シミュレーションにより 温度圧力時間元素化学反応との関係を解明し鉱物生成過程実証すること(無機化学)。 高温高圧力下での鉱物物性測定し例え地球深部における鉱物の状態を予測すること(固体物理学)。 の2分野主流となりつつある。また、近代鉱物学延長にある結晶学的手法長足の進歩遂げ人工では合成出来ない結晶構造物質見いだす至った。つまり、最先端鉱物学は「天然物対象とした無機化学固体物理学および結晶学」であると言える。現に鉱物学者から無機化学者固体物理学者、材料科学者転身する例やその逆の例珍しくない一例として高温超伝導物質最初に発見した一人であるヨハネス・ベドノルツは、元々ペロブスカイト構造鉱物について研究していた鉱物学者である。 一方鉱物学では鉱物産地ごとの差異についても引き続き研究行っている。よって、鉱物学にとってフィールドワーク重要性衰えていない。一般的に鉱物化学組成結晶構造無機化合物としては非常に複雑である。また産地ごとの変異多く未だに人工環境下で産出状態再現できない鉱物多数ある。したがってフィールドワークによって、産出する鉱物記載その周辺環境記録していく事についての学問的意義大きい。 また、実験室解明され鉱物生成過程は、惑星隕石成因解明する基礎データとなる。そして地球物理学において、地球内部環境シミュレーションするためには、鉱物学者測定した鉱物物性データ欠かせないこのため、地味ではあるが、地球惑星科学において、鉱物学基礎分野一つである。

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