過去の天体衝突
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 03:55 UTC 版)
以下は、近代の主な天体衝突、および過去の天体衝突と推測されている事例である。 2013年チェリャビンスク州の隕石落下 人口密集地帯上空を隕石が通過し、衝撃波や熱線により多数の人が負傷した。原因が天体衝突と確定している中では初の大規模災害。 2008 TC3(2008年) 直径4.1m。隕石として地球に衝突する前に小惑星として観測された初の事例。衝撃力はTNT火薬換算で1.1〜2.1キロトン(戦術核兵器級)。 ツングースカ大爆発(1908年) 空振により広大な森林の樹木が薙ぎ倒された。爆発直後には十分な調査が行われなかったため長らく原因が断定されなかったが、科学的再調査の結果2012年に隕石破片を発見、2013年には隕石であることが確定した。天体直径は60m〜100m、衝撃力はTNT火薬換算で5〜15メガトン(ビキニ水爆級)と推定されている。 中国の古文書に記録された隕石衝突 ジェット推進研究所(JPL)の研究グループは中国の古文書を調査し、7件の隕石災害とみられる記述を報告している。最古の記録は隋書にある616年1月14日の隕石で、反乱軍陣地の攻城塔が破壊され10名が死亡。1490年の陝西省での隕石では1万人以上の犠牲が記録されている。[要出典](慶陽流星雨(英語版)) カーリ・クレーター 紀元前660年頃、現在のエストニア、バルト海のサーレマー島に直径約100mのカーリ・クレーターを代表とする、少なくとも9つのクレーター群が形成される。古代バイキングの叙事詩には恐ろしい悲劇と描写され、人的被害があったと考えられている。 ケビラ・クレーター 約2800万年前、現在のエジプトに直径約31kmのクレーターを形成。古代エジプト人が装飾に使用したリビアングラスの生成原因について、かつては彗星衝突説などもあったが、2008年に当クレーターが発見されたことにより天体衝突説が確定したとされる。 チクシュルーブ・クレーター メキシコのユカタン半島にある約6550万年前のチクシュルーブ衝突体の落下跡。直径150km。衝突エネルギーは広島原爆10億個分。恐竜絶滅の原因とされている(ただし、シバ・クレーターを形成した衝突が恐竜絶滅の原因とする説もある)。 シバ・クレーター(Shiva crater) 約6550万年前の小惑星の衝突跡であると、一部の古生物学者が主張する地形。インドのムンバイ西海底にある。長さ600km、幅400kmの長方形の形状。白亜紀の動植物絶滅の原因とする者もいるが、地球科学者は衝突痕とは認めていない。 ウィルクスランド・クレーター 約2億5100万年前の天体衝突によってできた直径490~500kmのクレーターが南極大陸ウィルクスランド氷床下にあると、2006年に報告された。天体直径は50km以上と推定される。地質年代区分的には、P-T境界とも呼ばれるペルム紀末の大絶滅の原因と考えられ、研究が進められている。 ジャイアントインパクト説 惑星形成論と月の岩石の観察から示唆されている地球誕生直後の衝突。月の起源の有力な説である。 「隕石の一覧」および「隕石の空中爆発の一覧」も参照
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