運行責任
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/22 14:10 UTC 版)
法的な側面とは別に、乗車するボランティアの安全と運行の円滑な遂行は運営側として重要な役目となる。 事故、故障により車両が走行不能となった場合に、賠償や代替車両を用意できるか。 負傷者がいる場合に、その補償は賄えるか。 貸切バス事業者の場合は、依頼責任者との契約上(運送約款第19条、20条、21条、22条)、旅行会社であればツアー企画・販売者として、包括的に責任を負うことになるが、個人所有の車両を使用した場合、車両そのもの及び同乗者に対する補償のみである。(代替車両の手配義務はない)これは、団体所有の車両を使用する場合であっても、サービスの提供を生業としていない無償による貸し借りであることから個人と同様である。 また、災害ボランティアをしようとする者は、社会福祉協議会の災害ボランティア保険制度を利用することが一般的だが、ボランティアバスを利用するしないに関わらず加入するものであることから、運営側の負う責任とは別と考えるべきであろう。 旅行業法にしても道路運送法にしても、規制の本質は、利用者保護である。これは安全に対する責任と置き換えることができるが、収受する金銭は、この「安全の担保」である。 一方、NPO等がボランティアを募り、白バスでボランティアバスを運行する際に、参加者に費用負担を求めた場合の金銭は、単に運行費用(バスのレンタル代、燃料代、運転者への謝礼などの車両経費)に費やされるのみであり、安全の担保はない。 資格の有無や許可の有無に関わらず、利用者の安全は最優先されなければならない。被災した地域への運行であれば、平時に比べあらゆる危険が伴い、または想定しなければならないため、平時より配慮しなければならない事項であろう。 災害時だから特別という発想は、災害ボランティアの中にも一部誤解する者が現れ、度々問題を引き起こしているが、ボランティアバスであっても同様に、「利用者保護」という前提、本質を変えてはならない。 以上のことから、ボランティアバスを主催する者は、円滑な運行と補償賠償について十分な知識と責任能力を持つことが求められる。また、参加者(ボランティア)側も、利用者責任においてこれらを十分理解する必要がある。
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