運行計画の策定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/11/06 07:25 UTC 版)
一般に鉄道運行計画は、列車計画→車両運用計画→構内作業計画→乗務員運用計画の順で定められる。まず車両運用計画を立てる対象となる列車計画、続いて構内作業計画を立てるために必要な車両運用計画が作られる。構内作業計画で決まる入換を実際に担当するのは運転士であるので、乗務員運用計画は最後に決定される。 しかし車両運用計画を考える際に編成の過不足が発生する場合は列車計画に戻って回送列車の設定を行う必要があり、同様に構内作業計画や乗務員運用計画に不都合が生じれば前段階に戻ってやり直す。したがって現実には順序どおり計画が立てられることはなく、各段階の担当者の間で細かく調整が繰り返されながら同時並行的に計画作業が行われることになる。 路線網が広範囲に渡る場合は、地域別に分担して運行計画を作成することが多い。このとき相互に関連する地域間で担当者が打ち合わせて運行計画を作成することは手間と時間のかかる作業となる。さらに異なる事業者に乗り入れる場合も、担当者間で綿密な打ち合わせが必要となる。地域別に分割して計画作成を行う場合は、まず乗り入れを行う列車の境界駅での時刻を決め、それを軸に各地域内の運行計画を作成するという手段がよく用いられる。 ヨーロッパのように国際列車が多国間を結んで運行されている場合にはさらに難しい問題となる。この場合も長距離列車を中心に国際列車の時刻を全体の会議などで打ち合わせて決定した上で、国内のローカル列車の時刻をそれぞれで決定していくという作業になる。乗務員が国境駅で交代することが多いのは乗務員運用計画を国別に分割できるようになるためであるし、機関車が客車を牽引する形態の列車が多いのは、同様に機関車の運用を国別に分割できるためである。もちろん機関車を交換するのは国別に異なる電化方式や信号システムの影響も大きい。 日本では、列車計画と車両運用計画は本社や支社の運行計画担当者が、乗務員運用計画は乗務員所属区所が、構内作業計画は駅や車両基地の担当者が、それぞれ計画を作成することが多い。
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