運行計画のシステム化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/11/06 07:25 UTC 版)
「鉄道運行計画」の記事における「運行計画のシステム化」の解説
鉄道運行計画は非常に複雑な業務であり、以前からコンピュータによる支援、システム化の研究が行われてきた。時間帯ごとの列車本数、および災害・事故等による突発的な運行障害の対処は高度に戦略的な判断となるため自動化は難しいが、始発駅および終着駅の時刻をもとにした自動的な按分による時刻の決定、不整合が起きている箇所の検出といった単純作業では大きな威力を発揮する。 こうした利点がありながらも、以下のような理由から鉄道運行計画業務のシステム化は遅れていた。しかし、近年は徐々にシステム化が進展しつつある。 計算機の能力 鉄道運行計画に付随するデータの量は膨大であり、以前はそうしたデータを現実的に取扱う能力を持つハードウェアがなかった。またマンマシンインタフェースを設計する上で画面にダイヤ図を表示することは欠かせないが、迅速に表示して滑らかにスクロールさせるために必要なグラフィックス性能も近年まで得られなかった。 データの収集 運行計画を作成する上では様々な情報が必要であるが、データベースの形で整理されているものは少ない。乗換駅で乗客が階段を渡らずに済むためにはどの番線を使用すればよいか、運転士の昼食休憩はどの駅で設定するのが望ましいか、といった些細だが配慮が必要な情報が多く、そうした情報はしばしば計画担当者の暗黙知となっており、明文化されていない。データベースを作成し現状の変化に応じてメンテナンスする作業は膨大なものである。またバスとの接続や駅付近での大規模イベント開催など、鉄道会社の管轄外の情報が影響することもある。 評価尺度 運行計画の評価は極めて主観的であり、コンピュータにより定量的に評価することが難しい。 全ての計画をシステム化しないと効果がない 前述したように運行計画を構成する各種の計画やその段階は相互に関連しており、部分的にシステム化されてもマンマシンインタフェースに関わる作業が生じてしまいシステム化のメリットが出ない。システム化の効果は全ての運行計画関連作業がオンライン化されないと発揮されない。
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