運行計画の作成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 08:45 UTC 版)
詳細は「鉄道運行計画」および「運用 (鉄道)」を参照 鉄道の運行計画は主に列車計画・車両運用計画・乗務員運用計画の3種類に分けられる。列車の運行にはこれら3つの運用計画が必須となる。 列車計画はダイヤグラムとしても知られ、1本の列車が始発駅から終着駅の間でどの駅に停車し何分停車するかなどを決めた最も基本的な計画である。列車計画はスジ屋とも呼ばれるダイヤ作成専門家が作成しており、列車の編成長や加速度、最高速度、制限速度などの要因を考慮し列車計画を決めていく。また、机上だけでなく停車時間に対する混雑度の調査のため各駅へ赴き実地調査を行ったり、駅員や乗務員など現場職の職員の意見を聞き問題点を洗い出したりするなど列車計画の作成は多大な時間と多くの人々の協力の下で行われている。 車両運用計画は1本の編成が1日の間に担当する列車とその編成が行う点検や車内清掃などの時間を決める計画である。編成は1本の列車を担当した後は車庫に戻るというわけではなく引き続き別の列車の担当になることが多い。このため、車両運用計画では折り返し時間や駅設備、他編成との兼ね合いなどを考慮しつつ、編成がどの列車を担当するかを決める。この決められた1日の担当列車のことを行路と言う。また、大規模な路線ではいくつかの行路に順番に就いていくことが多く、翌日に就く行路のことを交番と呼ぶ。基本的には、点検や事故・故障による運用離脱に対応するため、行路数に対し編成数の方が多くなっている。また、ある駅ないし車両基地の行路終了数に対し行路開始数が少ない場合、数を合わせるために回送列車が運行される。 乗務員運用計画は1人の乗務員が1日の間に担当する列車を決める計画である。乗務員運用計画も車両運用計画と同じく担当する行路と翌日担当する交番からなっている。ただし、車両と違い乗務員の場合は交番の間隔によって乗務員の生活設計も左右されるため、間隔を7の倍数とし休みとなる曜日を固定する会社と7の倍数とせず休みとなる曜日を変動させる会社が存在しており、どちらにも一長一短がある。乗務員は営業列車の乗務のほか停車中の列車車内での看視や入換、車両基地への入出庫なども行うため、乗務員運用計画を作成する場合はこの営業列車への乗務以外の業務も対象とし、さらに業務間での移動時間も考慮する必要がある。また、乗務員の場合も行路終了数に対し行路開始数が少ない場合は、非担当列車に乗車する便乗を行って別駅へ移動する必要がある。
※この「運行計画の作成」の解説は、「鉄道輸送」の解説の一部です。
「運行計画の作成」を含む「鉄道輸送」の記事については、「鉄道輸送」の概要を参照ください。
- 運行計画の作成のページへのリンク