通称「笑い男事件」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 16:27 UTC 版)
「笑い男 (攻殻機動隊)」の記事における「通称「笑い男事件」」の解説
テレビアニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の舞台である2030年の6年前、2024年2月1日より約3か月の間に発生したサイバーテロ事件の通称。正式名称は「広域重要081号事件」。セラノ・ゲノミクス社社長のアーネスト瀬良野氏誘拐、広域ネットワークへのハッキング、セラノ・ゲノミクス社のマイクロマシン製造ラインへのウイルスプログラム混入、マイクロマシン製造メーカー6社に対する脅迫が行われ、その全ての事件で「笑い男マーク」がモチーフに使われた。 2024年2月1日、何者かがアーネスト氏の電脳をハッキングし誘拐。身代金100億円、金塊100kgを要求した。アーネスト氏は事件発生以前にも犯行予告を受け取っていたがまともに取り合っていなかった。作中の描写により、アーネスト氏の専属ドライバーをハッキングし、犯人の望む場所でアーネスト氏を降ろすことで、予告を実行したものと思われる。 事件発生直後から、警察は報道管制を敷いて捜査に当たったが、何一つ手がかりがつかめない状態であった。 2024年2月3日、警察庁会談直前の天気予報のTV生中継現場に、灰色の帽子と青いフード付ジャンパーを着、拳銃を持った犯人がアーネスト氏を引き連れて現れ、生中継中のテレビカメラの前でアーネスト氏に「真実を公表しろ」と拳銃で脅した。しかしながらアーネスト氏は拒否、犯人は発砲することなくアーネスト氏をその場に放置して逃走した。逃走中には防犯カメラを含む多くの目撃者がいたが、誰も犯人の顔を描写できなかった。これは現場にいた人々や駆けつけた警察官の電脳、AIつきのロボットカメラ、更には逃走経路にあった監視カメラなど、ネットワークに繋がるデバイスに残された犯人の顔の部分を、後に「笑い男(ホップ=ラッフィングマン)」と呼ばれるようになるマークで記憶、記録ごとリアルタイムに上書きされたからであった。唯一犯行現場周辺にいて犯人を目撃した浮浪者の2人組だけについては、電脳化をしていなかったためハッキング被害を受けることはなかったものの、そもそも犯人が顔を深く隠していた上に2人の記憶自体が曖昧であったため、捜査の役には立たなかった。 その後、自らを「笑い男」と名乗りだした犯人が笑い男マークと共に、セラノ・ゲノミクス社に対しマイクロマシンの製造ラインにウイルスプログラムを混入すると脅迫し、セラノ社の主力商品であった医療用マイクロマシンを販売停止に追い込んだ。その影響で株価が暴落したセラノ社の状況を利用し、他のマイクロマシン製造メーカー6社にも同様の手口で脅迫を行った。 「笑い男」の犯罪被害に対し、政府は被害メーカーに公的資金導入を決定。これをきっかけに笑い男は一切現れなくなり、一連の事件は収束した。しかしながら犯人の特定はなされず、事件は迷宮入り、真相は一般には不明のままになった。 あまりにセンセーショナルな事件だった故か、これ以後犯人である「笑い男」の模倣者が数多くの事件を引き起こし、「笑い男マーク」がかばんやTシャツにプリントアウトされ流行するなど一種の社会現象となった。 ただし、アーネスト氏誘拐事件の犯人はその後の脅迫事件には関与しておらず、無関係の第三者が状況を利用した別の組織的犯罪である。作中において、その具体的な犯人については言及されていない。
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