通称としてのSOS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/09 04:32 UTC 版)
モールス符号には遭難信号・・・― ― ― ・・・のように長いものは定義されておらず、これを文字にすることはできない。そのため新聞・雑誌では表記に苦慮するし、また口述するにしても・・・― ― ― ・・・をその都度ドット(・)とダッシュ(―)で『ドドドダーダーダードドド』と発声するのは煩わしい。 そこで1909年頃より・・・― ― ― ・・・を便宜的にいくつかの塊に分割されているものと見なすことで文字化し、また口述するようになった。例を挙げれば下表のようにいろいろな文字に分割できるが、最終的にはドット群「・・・」とダッシュ群「― ― ― 」に分割した、・・・(S)、― ― ― (O)、・・・(S)、が一番シンプルという理由で、新聞などの文字メディアを通じて広まったとされる。 すなわち、たまたまドット群「・・・」が「S」で、ダッシュ群「― ― ― 」が「O」であったに過ぎないという。 遭難符号・・・― ― ― ・・・を便宜的に分割して文字化する分割数文字化の例2分割 V(・・・― )、7(― ― ・・・) 3(・・・― ― )、B(― ・・・) 3分割 V(・・・― )、T(― )、B(― ・・・) S(・・・)、O(― ― ― )、S(・・・) 4分割 I(・・)、W(・― ― )、N(― ・)、I(・・) 5分割 E(・)、U(・・― )、T(― )、D(― ・・)、E(・) SOSという単語は・・・― ― ― ・・・を文字化や口述するための便宜的な手段(通称)として、非常に早い時期より、一般人はもとより無線通信士、無線技術者、電波行政関係者に至るまで、広く受け入れられている。ときにSOSが"Save Our Souls"(我らを救え)や"Save Our Ship"(我が船を救え)の略と言われることがあるが、これらは1912年のタイタニック号沈没事故の頃に考案されたもので、後付けである。 しかしV7、3B、VTB、SOS、IWNI、EUTDE等と多くの分割法があるにもかかわらず、SOSが選ばれ、それが広く支持されたのは、単に分割の単純さだけではなく、当初の頃より"Send Out Succor"(救援の送信)、あるいは"Suspend Other Service"(他の通信は沈黙せよ)、"Stop Other Service"(左同)等の遭難信号としての語呂合わせ(バクロニム)が作られ、語られていたからとも考えられるが、これについては検証されていない。
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