軟組織の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 04:37 UTC 版)
これらは化石では確認しにくいが、近年では少しずつ研究が進められている。 乳房 保育行動(授乳)に用いる器官。汗腺が分化した乳腺が集合し発達したもの。乳房と乳頭内部にある乳腺と乳管で成り立つ。イノシシやネズミなど多産種では多対を、ヒトやゾウのような少産種では1対のみを発達させる。単孔類は持たない。通常出産すると乳の分泌が開始されるが、他の個体が産んだ子を相手に母性本能が刺激されて乳を分泌する場合もある。単孔類では乳房・乳頭はなく乳腺からにじみ出た乳を子が舐め取る。 口唇(口輪筋)頬(頬筋) 上記の乳頭に吸い付くため口の周りにある柔らかい器官。単孔類は持たない。鯨類では二次的に退化したと思われている。 体毛 体表を覆う体毛を持つ動物のうち、皮膚の角質層に由来するものを持つのは哺乳類のみである。さらにこれが発達して厚くなると、角や爪、またはヤマアラシ・センザンコウのトゲやウロコとなる。体毛は体温の発散を防ぐ他に、保護色や触覚の役割を持ったり、ディスプレイにも使われたりする。クジラ類では、ハクジラ類が、胎児期にのみ、頭部の一部にわずかな毛をもつ。参考までに、爬虫類は体毛をもたず、鳥類では羽毛が体表を覆う。 横隔膜 肋骨と共同して肺呼吸を可能にする横隔膜をもち、これが胸腔と腹腔とを分けている(他の動物群にない特徴)。 心臓 心臓に2心房2心室をもつ。また、血液の体循環は左大動脈弓のみによる。 血液 赤血球は循環系では無核で、その形は円盤状である(ラクダ類では楕円状)。 共通の特徴であるかのように誤解されていること 次の特徴は「哺乳類の特徴」と言われることがあるが、正しくは、あくまで一部の系統の特徴である。 「胎生」 獣亜綱は、胎生であるが、原獣亜綱など(現生種はカモノハシ目の3属5種のみ)は例外的に卵生である。 「胎盤」 有胎盤類は体内の胎盤で子を育てて出産するが、(哺乳類の3つの系統のひとつの後獣目は)有袋類で体外部の育児嚢で子を育てる。 哺乳類の平均体温動物名平均体温(℃)ブタ 39.0 ヤギ 39.0 ヒツジ 39.0 ウサギ 39.5 ウシ 38.5 イヌ 38.5 ネコ 38.5 ウマ 37.5 ヒト 36.0 (参考)ニワトリ 42.0 体温 鳥類と同じく、体温をほぼ一定に保つ恒温動物であるものがほとんどを占める。ただし、ナマケモノ、ハダカデバネズミのように例外的に変温動物とされる種もある。 肛門と泌尿生殖門(尿と胎児が出てくる孔)の分離 例外としてカモノハシ類は、共通の総排出口をもつ(爬虫類や鳥類も1穴)。
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