警報音発生器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 04:49 UTC 版)
列車の接近を音により知らせるもので、おもに電気式・電鐘式・電鈴式の3種類が主な代表例である。 電子音式…警報音発生器から警報機上部に設置されたスピーカーを介して発せられる電子音により列車の接近を知らせるもので、音量調整も自由自在に設定できる。 電鐘式…警報機上部に設置されている警報音発生器から直接機械的に音声を発生させる構造のもので、昔ながらのランプ形の発生器から『カン カン カラン カラン…』と音色を鳴らす。 電鈴式…原理は電鐘式とほぼ同じであるが、こちらは発生器が電鐘式よりも小ぶりで形状が丸型もしくは球状である。音色は『キン キン キン…』と電鐘式よりも甲高い。『ゴング式』ともいわれている。 電鐘式・電鈴式警報機は、この2種類をまとめて一般には「電鐘式」とも、また「打鐘式」とも呼ばれている。打鐘式は、地方のローカル私鉄や、専用鉄道などで主に見られるが、騒音対策の他、メーカーが既に生産を行っていないこともあり、老朽取替で電子音式に更新され減少傾向にある。JR各線や大手・準大手私鉄など大都市都心部を走る路線ではほとんど見られなくなっている。特にJRでは主要幹線は勿論、地方ローカル線、貨物線含めすべてにおいて消滅し、大手私鉄では1980年代中頃まで近鉄山田線などの幹線路線でも存在していたが、徐々に減少し、2005年に廃止された名鉄揖斐線をはじめとする名古屋鉄道の電圧600V路線を最後にすべて姿を消した。大都市近郊では京福電気鉄道嵐山線西院駅や、江ノ島電鉄線江ノ島駅近くの併用軌道交差点に残る程度である。このほか関東地方では小湊鉄道線の五井駅(五井機関区)そばなどに存在する。北陸鉄道浅野川線蚊爪駅の北鉄金沢駅寄りの踏切にも存在する。(2021年2月現在)。 電子音式は打鐘式と比べて保全性や音の指向性が良く、音量の調整ができることから主流となっている。これに使用されている警報音発生器は、発信器と増幅器で構成された静止形としており、無警報になる可能性が低いことから使用されている。また、警報開始から遮断完了までの間は通常の音量とし、遮断完了後は踏切の近くにいる歩行者に聞こえる程度の音量に下げるタイプや閃光灯を制御する断続リレーと一体化したタイプがある。 上記3種類のほか昇開式遮断機を採用している道幅の広い踏切では、ベルにより列車接近を知らせるものもある。この場合はベルを鳴らしながら遮断機を降下させ、降下が完了するとベルが鳴りやむ。降下後の列車通過待ち時と上昇時は無音である。 警報音発生器は高架化など大がかりな工事現場の列車接近や駅構内など踏切以外でも使用されている場合がある。たとえば、大阪市営地下鉄は線内に踏切はないが、地下区間で保線員が線路内立ち入りの場合があるため設置している箇所がある。また、西武鉄道の各駅や地方のローカル線の駅では到着メロディーの代わりに使用されている。
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