調達までの経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 01:05 UTC 版)
「台湾鉄路管理局EMU900型電車」の記事における「調達までの経緯」の解説
台鉄捷運化や南廻線の電化工事が進行する段階で、台鉄では折りたたみ式手動ドアが残り、老朽化が進行していた莒光号客車や復興号客車を淘汰する計画だった。車両数も揃わない状況下でEMU700型(2007年-)やEMU800型(2012年-)が利用客に好評だったことから、2015年以降に策定された新車調達10ヶ年計画において最初の形式となる。2020年から2024年にかけて5段階に分けて納入され、運行間隔が間延びしている区間車の増発や莒光号を含む旧形式淘汰の役割を果たすことになる。 台鉄は2015年から2024年にかけての10ヶ年計画で旧型車両を淘汰するための新車投入計画を策定していた。区間車用の通勤型電車については当初は8連20編成160両と10連36編成360両の2種だったが、競争入札が成立せず数度入札が流れたことや中央政府の政権交代に伴い10連52編成の一括調達に統合された。この結果、一形式としてはEMU500型およびEMU800(ともに344両)を上回る通勤型電車としては台鉄最大の調達数となった。2017年末から10連52編成520両に統一したうえでの入札が公示されたが、応札したのは韓国の現代ロテム1社のみだった。 「國車國造」を標榜していたことから国内メーカーの台湾車輌も応札を志望していたものの、台鉄の急な仕様変更により短期間での設計変更に対応できず参加資格を満たせなかった。2018年3月の二次入札でも参加企業は現代ロテム1社で、結局同年年5月に公示価格とほぼ一致する額で現代ロテムからの調達が決定され、6月に双方が調印した。 現代ロテムは前身の現代精工、大宇重工時代に納入したEMU500型電車、EMU600型電車、E1000型が軒並み高頻度で故障したことや、ロテムへの統合後にサポートを放棄し、台鉄でメンテナンス部品の確保が行き詰まる事態になったことで韓国企業は2004年以降台鉄での入札参加は禁じられていた(その後当形式入札公示前に和解が成立している)。 台湾がWTOに加盟し、2012年以降にGPA(政府調達協定)が発効したことから政府調達による大型入札案件ではこの縛りは無効となった。即ち中華民国交通部傘下の台鉄でも韓国勢の入札参加が事実上解禁されることになった。2015年に構内入れ替え用途の業務用ディーゼル機関車(DL2500型機関車(中国語版))を調達した際は、現場や市民の不安に対し「旅客用ではないから」と弁明するほどの事態となっていた。
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