詩的なワルツ集とは? わかりやすく解説

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グラナドス:詩的なワルツ集(序奏と7曲)

英語表記/番号出版情報
グラナドス:詩的なワルツ集(序奏と7曲)Valses poeticos作曲年1887年  出版年1910年  初版出版地/出版社Unión misical española 

作品解説

2007年12月 執筆者: 和田 真由子

1887年作曲1892年初演1910年出版された。ホアキン・マラッツに献呈
序奏7つ即興的なワルツからなるいずれも、1~2分程度の短い小品作風は、シューマンからの影響感じられるものが多い。全曲通して演奏される演奏時間は約14分。
この曲集はグラナドス自身による自動再生ピアノ録音残されている。グラナドス死の直前1916年1月23日行われたリサイタルでもこれを演奏した

1.序奏/ Introduction :イ長調、4分の2拍子、ヴィヴァーチェ・モルト。活気満ちた始まり一曲全体的にff華やかに奏される上向きの音型と、下向きの音型が自由に組み合わせられ即興的に作曲されている。それを意識しておどけたような表現をみせても楽しいだろう。曲の最後ドミナント終わり次のワルツつづけて演奏される

2. I.メロディアスワルツ/ Melodic Waltz :イ長調、4分の3拍子、プラシダメンテ。
A-B-A三部形式でできている。穏やかで、温かみのある旋律は、簡素ながらも美しい。Bの部分は、Aの部分変奏された形。やや緊張感をもって

3.II情熱的なワルツ/ Passionate Waltzヘ長調、4分の3拍子、テンポ・デ・ヴァルス・ノーブル(高貴なワルツのテンポで)。情熱的、というタイトルから想像されるような激しさはあまり感じられないどちらかというと上品なワルツ。“情熱”的な表現をめざすのであればフレーズ全体の中で、どの音をめざして音楽が進むかを意識するとよいかもしれない。A-B-Aの形式軽やかなBの部分では、遊び心をもって

4.III ワルツ・レント/Slow Waltz :ニ短調、4分の3拍子、テンポ・デ・ヴァルス・レント。深い悲しみ感じさせるようなワルツゆっくりと奏される。A―B-A形式奏される。Bの部分は、Aの部分とは雰囲気変えて、やや明るさをもった優雅なワルツ軽やかに、しかしあまり元気になりすぎないように。

5.IV ユーモラスなワルツ/Humorous Waltz変ロ長調、4分の3拍子、アレグロ・ウモリスティコ(ユーモラスな)。シューマン風。4小節一つ大きなまとまり考えると、2小節ごとの変化大きなスウィングうみだしている。A-B-A形式中間部ト短調、ピウ・ヴィーヴォ。Aの無邪気さとは対照的で、大人びた歌いまわしを生かしながら表情豊かに

6.V ワルツ・ブリランテ/Brilliant Waltz : 変ロ長調、4分の3拍子、アレグレット・エレガンテ。厚みのある伴奏響きにのせて、優雅なワルツ旋律がたっぷりと歌われる。A-B-Aの形式。ぶ厚めテクスチュアをもったAの部分比べて、Bの部分やさしく繊細に

7.VI センチメンタルなワルツ/Sentimental Waltz : 嬰へ短調、4分の3拍子、クアジ・アド・リビトゥム(センチメンタルゆっくりとしたテンポで、悲しみ満ちた旋律うたわれていく。A-Bの二部形式。Aの部分は、こぶし回し用いながら、少し足取り重い調子で。Bの部分は、コン・モルタ・エスプレッシオーネ。希望さがしもとめるように、やや推進力増しながら音楽進んでいく。しかし、最後はやはり沈んだような気分の中で静かに曲をとじる。

8. VII ワルツ/ Butterfly Waltzイ長調、4分の3拍子ヴィーヴォ冒頭から蝶々飛ぶよう高音部が印象的軽やか繊細に、そして輝かしい音で。それをうけた低音部は対照的にたっぷりと奏する羽根をやすめているような中間部も、愛らしい魅力的な一曲

9.VIII 素晴らしワルツ/ Ideal Waltzイ長調、8分の6拍子プレストリズミカル活気満ちた前半その中で動的なパッセ―ジと静かなパッセ―ジが対照成して面白みつくりだしている。後半では、第一曲目の〈メロディアスワルツ〉が再び奏されるが、これによって、曲集全体統一感が与えられている。穏やかな響きの中、優しく静かに曲を閉じる。




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