規範倫理学の理論とは? わかりやすく解説

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規範倫理学の理論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/04/26 02:50 UTC 版)

規範倫理学」の記事における「規範倫理学の理論」の解説

行為規則性向などを正しくあらしめる倫理的要因は何なのかについては、多様な見解存在するおおまかに言えば道徳的問題への答え方に3つの競合する立場があり、またそれらの要素併せ持つ混合立場もある。徳倫理学が行為者の性格注目するのに対し義務論倫理学帰結主義行為規則もしくは性向自体の状態に注目する後者2つ考えには、様々な形態がある。 徳倫理学Virtue ethics):アリストテレストマス・アクィナスは、特定の行為良し悪しではなく行為者人格内在的な性格注目した過去半世紀にかけて、徳倫理学目覚ましい復活遂げた。その中心人物となったのは、エリザベス・アンスコムフィリッパ・フットアラスデア・マッキンタイアモーティマー・アドラージャック・マリタン、イヴ・シモン、ロザリンド・ハーストハウスらである。 義務論Deontology):道徳的決断行為者義務他者権利という要因考慮入れてなされるべきだという立場義務論には次のような理論がある。イマヌエル・カント定言命法道徳性人間理性的能力根ざしており、不可侵道徳法則があると主張するジョン・ロールズ契約主義道徳的な行為とは偏見全くない状態を仮定したときに、我々全員同意するようなものだとする。 ジョン・ロックロバート・ノージックらの自然権理論人間絶対的な自然権有する主張する帰結主義Consequentialism):行為道徳性はその行為もたらす結果依存する主張する帰結主義理論は、その理論何をもって価値があるとみなすかによって異なり次のようなものがある。功利主義Utilitarianism):行為正しいのは、それが最大多数の最大幸福もたらす場合であるとする。(歴史的には、アンスコム1958年に「帰結主義」という言葉発案し関連文献でその概念用いられるうになる以前には、「功利主義」という言葉現在の帰結主義」を意味する言葉として使われてきた。なので、幸福の最大化促進するものだけでなく、どんな種類のものであれ、功利最大化ようとする理論は、以前にはすべて「功利主義」と呼ばれてきていたのである。) 国家帰結主義State consequentialism):行為正しいのは、それが秩序、富、人口増加などにつながり国家福利もたらす場合であるとする。 利己主義Egoism):道徳的な人とは、自己の利益関心がある人のことであり、行為正しいのは、自らの善を最大化する場合であるとする。 状況倫理Situation Ethics):正し行為とは、最も愛のある結果を創りだすもののことであり、愛がいつも人の目的であるとする。 知性主義Intellectualism):最善行為とは知識を最もよく促進するのであるとする。 福利主義(Welfarism):最善行為とは経済的な福利を最も増大させるのであるとする。 選好功利主義Preference utilitarianism):最善行為は、関係者選考を最も広く充足するようなものであるとする。 ケアの倫理Ethics of care):キャロル・ギリガンはじめとするフェミニスト理論家たちにより提唱され理論道徳性共感同情経験から出てくるものだとする。倫理的な目標達成するためには相互依存性と関係性が重要であると強調するプラグマティズム倫理Pragmatic ethics):これは、上記4つ立場のどこに分類するのも難しい。この立場は、道徳的正しさ科学的知識同じように、時代の変化通じて進化するものだとする。したがって行為帰結個人の徳、あるいは義務よりも、社会変革重きをおくべきだと考える(ただし、帰結や徳、義務も、社会変革につながる場合には重要事項となる)。チャールズ・サンダース・パースウィリアム・ジェームズジョン・デューイらがプラグマティズム創設者として知られる役割倫理Role ethics):家族役割という考え基礎を置く主張である。

※この「規範倫理学の理論」の解説は、「規範倫理学」の解説の一部です。
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