補酵素Aのおもな誘導体とは? わかりやすく解説

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補酵素Aのおもな誘導体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 13:53 UTC 版)

補酵素A」の記事における「補酵素Aのおもな誘導体」の解説

アセトアセチルCoA アセチル基アセチルCoA結合したもので、チオラーゼ触媒するアセチルCoA 2分子縮合反応によって生成するテルペノイド合成メバロン酸経路)及びβ酸化最終段階現れる詳細については各生合成経路参照のこと。 カフェオイルCoA コーヒー酸補酵素Aからなるリグニン生合成関わる物質一つで、trans-コーヒー酸から4-クマル酸リガーゼ働きによって生成するキナ酸 O-ヒドロキシシンナモイルトランスフェラーゼによりクロロゲン酸生成また、シンナモイルCoAレダクターゼによりコーヒーアルデヒドができる。 クマロイルCoA(4-クマロイルCoA) p-クマル酸(4-ヒドロキシケイ皮酸)と補酵素A縮合したものであり、フェルロイルCoAシンナモイルCoAシナポイルCoA及びカフェオイルCoAとともにフェニルプロパノイド/リグナン合成の中間体であり、フラボノイド生合成出発物質でもある。トリヒドロキシスチルベンシンテターゼによってトリヒドロキシスチルベンとなり、シンナモイルCoAレダクターゼにより、クマリルアルデヒドとなる。 グルタリルCoA グルタル酸補酵素A縮合化合物。リシンおよびトリプトファンの分解伴って生成する2-オキソアジピン酸と補酵素Aが2-オキソアジピン酸デヒドロゲナーゼによって縮合して生成する。あるいは、グルタル酸-CoAリガーゼによる縮合反応によってできる。グルタリルCoAレダクターゼによってクロトニルCoAとなる。 クロトニルCoA クロトン酸とのチオエステル化合物。トリプトファンおよびリシン代謝中間体として、グルタリルCoAがグルタリルCoAレダクターゼによって還元され生成する。これはさらにエノイルCoAヒドラーゼによる還元を受け、3-ヒドロキシブタノイルCoAとなり、最終的に解糖系組み入れられる。 シナポイルCoA 4-クマル酸-CoAリガーゼによってシナップ酸とCoAチオエステル化合物で、ケイ皮酸などともにリグニン生合成関連する化合物シンナモイルCoAレダクターゼによってシナポイルアルデヒドとなる。さらにこの化合物還元されてシナポイルアルコールとなり、リグニン直接原料となる。 シンナモイルCoA ケイ皮酸補酵素Aから4-クマル酸-CoAリガーゼにより生成するリグニン合成関連する化合物一種である。シンナモイルCoAレダクターゼにより還元されシナミルアルデヒドとなるほか、ピノシルビンシンテターゼによりピノシルビンとなる。 スクシニルCoAサクシニルCoAコハク酸補酵素Aチオエステル化合物で、クエン酸回路構成する化合物1つである。これは2-オキソグルタル酸補酵素Aが2-オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼによって反応してできる化合物で、スクシニルCoAシンテターゼにより、コハク酸となる。この化合物重要な役割クエン酸回路中間体であるということだけでなく、クエン酸回路反応調節する点にある。スクシニルCoAによってクエン酸シンターゼ及び2-オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼアロステリック効果により阻害を受けるのであるスクシニルCoA脂肪酸代謝でも重要な役割を果たす脂肪酸代謝において、偶数個の炭素有する脂肪酸β酸化によりアセチルCoA単位分割されクエン酸回路組み込まれるが、奇数個の炭素有する脂肪酸最後にプロピオニルCoA残ってしまう(プロピオニルCoAアミノ酸の代謝によっても生成する)。これを代謝するためにプロピオニルCoA特殊な酸化を受ける。即ち、プロピオニルCoAカルボキシラーゼによって2位炭素カルボキシル化し、D-メチルマロニルCoAとなる。さらにこれはメチルマロニルCoAラセマーゼによりラセミ化し、L-メチルマロニルCoAとなる。これがメチルマロニルCoAムターゼにより異性化し、スクシニルCoAとなった上でクエン酸回路組み込まれるのである。 3-ヒドロキシブタノイルCoA トリプトファン及びリシンの分解中間体である化合物で、形式的には3-ヒドロキシ酪酸補酵素Aチオエステル化合物生体内ではクロトニルCoAがエノイルCoAヒドラーゼによって水素化されることにより生成する。3-ヒドロキシアシルデヒドロゲナーゼによってアセトアセチルCoAとなる。 ヒドロキシメチルグルタリルCoA 略称のHMG-CoAで知られている。アセトアセチルCoAがHMG-CoAシンテターゼによって還元され生成するメバロン酸回路中心的な化合物であり、HMG-CoAレダクターゼによってメバロン酸となる反応テルペノイド/ステロイド/カロテノイド合成の律速反応である。そのため、英語ではメバロン酸経路をHMG-CoA経路呼んでいる。 フェルロイルCoA フェルラ酸(3-メトキシ-4-ヒドロキシケイ皮酸)と補酵素A縮合化合物フェルラ酸から4-クマル酸-CoAリガーゼによって生成する経路と、カフェオイルCoAからカフェオイル-CoA Oレダクターゼによって生成する経路がある。シンナモイルCoAレダクターゼにより、コニフェリルアルデヒドとなる。 プロピオニルCoA プロピオン酸補酵素Aチオエステル化合物奇数炭素鎖脂肪酸やバリン、ロイシン、イソロイシン及びβ-アラニンの分解によって生成する中間体直接にはアクリロイルCoAアシルCoAデヒドロゲナーゼによって生成するプロピオニルCoAカルボキシラーゼによりカルボキシル化され、メチルマロニルCoAとなった後、いくつかの反応受けてスクシニルCoAとなり、クエン酸回路組み込まれるマロニルCoA マロン酸補酵素Aチオエステル化合物である。酢酸-マロン酸経路及び脂肪酸合成みられる酢酸-マロン酸経路ではアセチルCoA縮合反応をすることにより、ポリケチド芳香族化合物生合成基質となる。また、脂肪酸合成ではアセチルCoAアセチルCoAカルボキシラーゼによってマロニルCoAとなる。これはATP消費する吸エルゴン反応脂肪酸合成律速段階である。また、この反応にはビオチン必須である。このマロニルCoAはアシルキャリヤータンパク質 (ACP) と結合してアセチル基付加されるなどして炭素鎖延長され脂肪酸となる(詳細脂肪酸参照)。

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