リグニン生合成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/07 14:40 UTC 版)
コケ植物ではリグニンを持たないのに対し、維管束植物においてリグニンが二次細胞壁に蓄積し植物体の強度を高め大型化する。しかし、コケ植物のヒメツリガネゴケにおいてもリグニン生合成系の遺伝子は最終産物であるリグナンを重合させる酵素以外は全て持っており、この前駆的リグニン生合成系はクチクラの疎水性細胞外生体高分子の生合成に寄与している。また、この高分子は隔膜形成体植物(フラグモプラスト植物)の共通祖先で進化したスポロポレニン生合成系から進化してきたと考えられている。これらのことから、隔膜形成体緑藻類では休眠性受精卵を保護しているスポロポレニン生合成系が陸上植物の共通祖先において単複相世代交代が進化した際に胞子で用いられ、それがクチクラ生合成の遺伝子系の進化により乾燥した環境(陸上)での生活を可能にし、その後維管束植物の共通祖先でスポロポレニン生合成系やクチクラ生合成系を流用することでリグニン生合成系を獲得したと考えられている。
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