系の進化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/07 14:00 UTC 版)
この系を三体問題の運動方程式に従って時間発展させると、時刻 t = 1.879 {\displaystyle t=1.879} において第2体と第3体が距離 r 23 ∼ 10 − 2 {\displaystyle r_{23}\sim 10^{-2}} で近接散乱し、続いて第3体と第1体が緩やかな散乱 (距離 r 13 = 0.6 {\displaystyle r_{13}=0.6} ) を経たのちに再び時刻 t = 3.801 {\displaystyle t=3.801} において第2体と第3体の散乱 (距離 r 23 = 6 × 10 − 2 {\displaystyle r_{23}=6\times 10^{-2}} が起きる。このようにこの系は近接散乱を繰り返しながら進化していく。最も天体間の距離が小さくなるのは時刻 t = 15.830 {\displaystyle t=15.830} での第2体と第3体の散乱であり、 r 23 = 4 × 10 − 4 {\displaystyle r_{23}=4\times 10^{-4}} である。この最接近の際に第1体の速度がゼロに近い点は特に注目に値する。その結果としてそれ以降の系の進化はそれまでの進化を時間反転した解に近いものとなり、時刻 t = 31.66 {\displaystyle t=31.66} には初期条件に近い配位へと回帰するからである。 しかしながら、初期条件との違いのために、それ以降の軌道進化はまず第1体と第3体の散乱が起こるなどまったく異なったものになる。やがて時刻 t = 47 {\displaystyle t=47} に第1体が大きく弾き飛ばされると第2体と第3体が連星を組む。その後、時刻 t = 59.4 {\displaystyle t=59.4} 付近で第1体と第2体-第3体連星がすれ違った後に、第1体は十分な脱出速度を獲得し無限遠へエスケープし、第2体と第3体は連星を組んだまま反対方向へと向かう。
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