血液型の発見と歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 04:56 UTC 版)
1900年、オーストリアの医学者カール・ラントシュタイナー(Karl Landsteiner, 1868 - 1943)によって初めて血液型が発見され、翌年の1901年に論文発表された。型名は「A型、B型、C型」とされ、自身の血液型をA型と名付けた。(ABO式の発見) 1902年、アルフレッド・フォン・デカステロとアドリアノ・シュテュルリによって第4の型が追加発表された。 1910年、エミール・フライヘル・フォン・デュンゲルンとルードビッヒ・ヒルシュフェルドにより、第4の型にAB型という名称が与えられ、「C型」とされていた型の名称はO型に変更された。 1927年、ラントシュタイナーとレヴィンにより、ウサギを免疫させて作った血清より抗M・抗N抗体を発見し、人間の血球がそれを使って3通りに分けられることを発表しMN式血液型を提唱。(MN式の発見) 1927年、ラントシュタイナーとレヴィンにより、ウマ血清からP抗体を発見。(P式の発見) 1932年、シッフと佐々木により、唾液などに血液型物質が検出される人とそうでない人がいることを発見。(分泌型と非分泌型の発見) 1937年、ラントシュタイナーおよびアレクサンダー・ヴィナーが、アカゲザルを用いた実験によってD抗原を発見、それを1940年に論文発表した。アカゲザルは英語での通称がRhesus Monkeyであるため「Rh因子」と呼ばれるようになった。(Rh式の発見) 1941年 - 1946年、Rh型の抗体・抗原が複数あることが判明し、1946年までに主要な6つの型(現在のCとc・Dとd・Eとe型)が発見される。 1945年、オーウェンによってウシで血液キメラが初めて発見される。 1946年、キャレンダーとレースによって抗ルセラン抗体(厳密には抗Lua抗体)を発見。(ルセラン式の発見) 1946年、クームス、ムーラント、レースにより、ケル抗原を発見。(ケル式の発見) 1946年、ムーラントによりルイス抗原が発見。1948年に抗Lea・抗Lebの2種類あると判明する。(ルイス式の発見)。 1947年、ワルシュとモントゴメリーにより、抗S抗体が発見され、1951年に抗s抗体も発見される。これらSs式はMN式と関連深いことも分かり後に統合される。(MNSs式の発見) 1950年、カットブッシュ、モリソン、バーキンによりダフィ抗原を発見。(ダフィ式の発見) 1951年、アレン、ダイアモンド、二―ジェラによりキッド抗原を発見。(キッド式の発見) 1953年、イギリスの血液学者ダンスフォードが人間の血液キメラを発見。 1954年、レヴィンらによりディエゴ抗原を発見。(ディエゴ式の発見) 1991年、福島県立医科大学附属病院で採られた血液が、既知の血液型とは異なる輸血不適合性を示し、暫定的にKANNO抗原を持たない血液として、提供者の名前を取って暫定的にKANNO(–)型と命名された。(カンノ型の発見) 2019年、1991年の発見から28年後、37番目の血液型としてKANNO型が国際輸血学会の血液型命名委員会から認定を受けた。日本発の血液型が国際的に認められるのは史上初めて。
※この「血液型の発見と歴史」の解説は、「血液型」の解説の一部です。
「血液型の発見と歴史」を含む「血液型」の記事については、「血液型」の概要を参照ください。
- 血液型の発見と歴史のページへのリンク